瀬戸内島々周遊観光や地魚×地のものワイン「瀬戸内醸造所」

すれ違った戦艦名もすぐにアナウンスがされる

　『ひろしまエナジー旅体験ツアー』が10月中旬、広島県内で開催。エナジーにあふれている広島県の魅力の発見を目的とした本ツアーで、瀬戸内海を食と観光で楽しめるスポットを巡った。

　2023年5月に開催を予定している『G7広島サミット』。その開催候補施設といわれている『グランドプリンスホテル広島』の海側にある出口すぐにある桟橋から、2020年夏より就航している観光型高速クルーザー『SEA SPICA』（シースピカ）に乗り瀬戸内周遊へ。

　ちなみに、SEA SPICAは1日1往復する高速船で広島港から出港する際に、毎回職員の方が手を振ってくれるセレモニーが毎回開催。普段、グランドプリンスホテル広島では行われないセレモニーだそうだが、この日は同所からの乗船客のみだったということで特別に行われた。

広島港ではお見送りのセレモニーを毎回してくれるという

　広島（宇品）、呉、瀬戸田、三原と島の間を時速約40キロで滑るように進んでいく『SEA SPICA』。道中では島々の景観もさることながら、添乗員の方の解説は相当に詳しいもので、思わず聴き入るような話もポンポン出てくる。すれ違う戦艦の名前を瞬時に判別したり、呉港周辺での海上自衛隊による戦艦の説明、潜水艦の種別の解説や“ホエールウォッチング”と称しての潜水艦ウォッチング、海上保安大学校のことなど、よどみなく説明がされていく。

すれ違った戦艦名もすぐにアナウンスがされる

　今回は綺麗な石畳が印象的な下蒲刈町の丸谷港と、ウサギが楽しめる大久野島の2港で途中下船。丸谷港では、露天を開いている方も。手作りの作物や、お茶などを本場の広島弁で説明してくれ、広島に来ているという雰囲気も満点。一方、大久野島は新型コロナウイルス禍前までは1000匹ほどいたという。しかし、コロナ禍で島を訪れた方が減ったことに比例するように減っており、いまは300～400匹ほどになっているそう。コロナ禍前に訪れたツアー参加記者によると下船した直後からウサギが群がってきたそうだが、2022年現在はまばらに感じるほどになったそうだ。

　終着点となる三原港からは、瀬戸内の食にまつわる物語をワインづくりとともに提供している『瀬戸内醸造所』を訪れた。瀬戸内では実は古くから続く日本有数のブドウの産地として知られており、三原市や竹原市などをはじめ、歴史がある地域が多いという。そんな土地で2019年にオープンした同店では、“瀬戸内の風土（テロワール）を醸造する”ワインづくりに力を入れている。

　『瀬戸内醸造所』内のワイナリーで作られたワインはブドウの味を感じてほしいという思いから、アルコール度数は低めに作っているのだとか。広島県の前浜で獲れた「瀬戸内の地魚」料理を提供。メインシェフの外山和己氏からは近くで仕入れたものであることが説明。産地をあわせ、ワインと食材の持つおいしさをそれぞれ引き立てあう姿もさることながら、窓から見える風光明媚な風景もあいまって、ゆっくり、かつぜい沢な時間を楽しめるものとなった。

　■SEA SPICA（シースピカ）
　http://setonaikaikisen.co.jp/simatabi/

　○『SEA SPICA お手軽乗船プラン』日帰り
　・料金：
　【通常期】大人・小学生（全発着港一律料金）7,000 円（税込）
　【閑散期】大人・小学生（全発着港一律料金）6,500 円（税込）
　【繁忙期】大人・小学生（全発着港一律料金）7,500 円（税込）

　■瀬戸内醸造所
　https://setouchijozojo.jp/

　●試食メニュー
　○八寸（その時に採れる食材を使った、季節の前菜盛り合わせ）
　・『秋茄子』ローストし自家製ゆかりと共に
　・『尾道の青パパイヤ』生きくらげと共にコンポート
　・『三原のビキーニョ』ピクルス仕立て
　・『女鹿平のあわび茸』自家製鶏ハムとコーヒーソース
　・『牛蒡』クミンを効かせたチップスに
　・『東広島のビーツ』青葡萄とブルーチーズのソース
　・『三原のじゃが芋』シュー生地と合わせてフリット
　・『地元の真鯛』自家製カルパッチョソースと共に
　○温菜
　・瀬戸内小魚のオーブン焼き（三原「あまのじゃく」産オリジナル唐辛子・瀬戸内南蛮と共に）
　○メイン
　・広島県産烏賊のソテー濃厚なイカ墨ソース
　・芸南漁協真鯛のバプール南瓜のエマルションソースと女鹿平の舞茸
　○締めの自家製手打ち麺
　・伊吹いりこ出汁を使った、醤油ベースのスープ大判焼豚をのせて
　○デザート
　・満潮農園の無花果のワインコンポート
　・コーヒーまたは紅茶
　三原のコーヒー専門店・マグダレーナの mio オリジナルブレンド/世羅茶再生部会世羅紅茶(ブラッドオレンジ)
　料金：6,000円（税込）
　※時期によってメニューが変更

　○季節ごとにかわるグラスワイン3杯セット
　季節ごとに種類をかえて、瀬戸内醸造所の3種類のグラスワインをご提供。料金：2,000円（税込）
　●試飲したワイン
　2021 Touha サンセミヨン(白・泡) \900
　2021 Hanami メルロ(ロゼ・泡) \950
　2021 三原ソーヴィニヨンブラン/ セミヨン(白) \850
　※それぞれのワイン価格は1杯ずつご注文の場合です

　■ひろしま公式観光サイト『Dive! Hiroshima』
　https://dive-hiroshima.com/

　※『ひろしまエナジー旅体験ツアー』別記事
　・広島市内に流れる人の想いやストーリーをサイクリングで
　・“幻”比婆牛広島県新取り組み食べ方！特別車両路面電車で食事