斎藤工「零落」主人公は「立場は違えど、共感しかない」

斎藤工「零落」主人公は「「立場は違えど、共感しかない」2

 俳優・斎藤工、趣里、玉城ティナが8日、東京・テアトル新宿で映画『零落』(監督:竹中直人/配給:ハピネットファントム・スタジオ)完成披露プレミア上映会舞台あいさつを竹中監督、原作者の浅野いにお氏とともに開いた。

 人気漫画『ソラニン』などで知られる漫画家・浅野いにお氏が放つ漫画家の業を描いた作品。主人公で次回作のアイデアが思い浮かばず妻との関係も冷え切り鬱屈していた元人気漫画家・深澤薫(斎藤)が出会ったミステリアスな女性・ちふゆ(趣里)。自分のことを詮索しないちふゆに惹かれ、深澤は彼女の故郷へ向かうのだが……。

 イベント開演時間となると、アフロヘアーのカツラをかぶった竹中監督が登場し、場を盛り上げまくり大量のフラッシュを浴びた。

 斎藤は本作に出演し、「なにかの役を頂いて演じるという通常のベクトルとは違ったベクトルの役をやらせて頂いた気がします。言語化できないものを演じた気持ちもありますし、深澤薫を探しながらでした」と、手探りで演じたという。

 深澤を演じるにあたって、「原作に出会ったときに、心当たりしかなかったというか。ミドルエイジシンドロームという、中年のもがきみたいな言葉があると思うんです。最も内蔵を描いてくれたという、それが自分の内臓なんじゃないかという衝撃的な出来事というか……。竹中さんにものその感覚はお伝えしました。その感覚を頼りに現場にいて、つらいような楽しいような時間でした」と、振り返り、演じてみて、「立場は違えど、共感しかないというか。自分の出来事と思うくらい共感しました」と、感情が移入できたという。そんな深澤を演じて「それが間違ってないなと出来上がったものを観たときに感じました」と、手応えはあったそうだ。

 劇中に「やってらんねえよ」というセリフがあることから、そう思ったエピソードは?との質問も挙がり、斎藤は「大喜利みたいなの嫌なんですけど、タクシーを“空車”だと思ったら“迎車”で、なんで同系色なんだよ!と。積年の恨みというか色味を替えてほしいなと思って」と、普段から感じていることを伝えていた。

 一方、竹中監督からは斎藤の起用へ、自身9作目で2020年公開の映画『ゾッキ』の期間中に「『零落』やろうと思うんだよと工に言ったら、『大好きです』と言われて、深澤やる?って」と、ぽんぽんと決まったそう。そのディレクションとして、「聞こえないような声でとか、前を向かないでとかお願いして。(共演の)MEGUMIから『声が聞こえない』といわれるくらい」という。ちなみに『ゾッキ』には山田孝之も出演したということもあり、斎藤は「山田孝之が『大好きです』って言ったら、ここには山田孝之がいたと思います」と、ぼそりと言い放ち笑いを誘っていた。

 浅野氏からも本作制作にまつわる裏話が明かされ、竹中からラブコールを受けて始まったそうだが、竹中監督から「すっごいメールが来るんです」と、メール攻めをされたという。「先走りすぎていて、漫画原作でのお話のときは出版社を通すんですよ、って僕の方から教えたりして」と、情熱がほとばしっていたそう。そんな熱の入った作品の出来として浅野氏は「竹中さんがいなかったら、この映画はなかったので、出来上がりも観て満足していますし、竹中さんありきの映画です」と言わしめていた。

 映画『零落』は3月17日より全国公開予定!

 ※斎藤工過去記事
 ・中島健人“セクシー兄さん”斎藤工から躍動的なベッドイン(!?)受ける!WOWOW新CMに登場で撮影後にはサプライズバースデープレゼントで28本の赤いバラ【2人のコメント全文有】
 ・井ノ原快彦&斎藤工 二子玉川は子供の頃から縁のある街で中山秀征から「『WAになっておどろう』ですね」の声にニッコリ!ライブシネマ生披露でカエルやゴリラのモノマネ熱演
 ・中島健人“セクシー兄さん”斎藤工と隣で横並び!小声で話しかけられたびたび爆笑の一幕も

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