『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会UNIT LIVE!後夜祭~ありがとう!A・ZU・NA LAGOON~』が19日、ラブライブ!シリーズ公式チャンネル内で配信され上原歩夢役・大西亜玖璃、桜坂しずく役・前田佳織里、優木せつ菜役・楠木ともりが出演。番組に優木せつ菜役として楠木が出演するのはこれが最後となり、心情などが語られた。
番組は2月4、5日に開催されたライブイベント『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! ~A・ZU・NA LAGOON~』を振り返るというもの。楠木は昨年11月に指定難病である遺伝性疾患「エーラス・ダンロス症候群(関節型)」に罹患していることを公表。これを受けて今年3月末をもって優木せつ菜役を降板することを発表している。
(ライブ記事:前田佳織里 楠木ともりへ涙の抱擁!大西亜玖璃ヒトデプレゼント)
番組後半に、大西から「今回で『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』優木せつ菜役として一緒に活動してきた……うーん、言いたくない……最後の番組出演になります」と、別れを惜しむように切り出す。
これを受けて楠木から、ファンへあいさつとなり、BGMには優木せつ菜の楽曲『CHASE!』が流れるものに。
「ライブ前より心臓がドキドキしています」という楠木に、大西は立ち上がってその心情を表現したり、前田は「1回お水を飲もうか」とクールダウン。
楠木はこれまでの5年間の活動で胸いっぱいになったのか、どこから話したらいいのか迷う様子を見せつつ、「5年というのが長いのか短いのか分かりませんが、優木せつ菜として活動をしてきて、たくさんの人に応援してもらえて嬉しかったです。こんなに1つの作品に向き合える機会って、声優をやっていてなかなかない機会で。その役を離れる寂しさはあるんですけど、5年間が濃くて。デビューしてからすぐくらいから演じてきて……。マイク前に立つだけじゃない、演じるってことにすごく向き合ってこれたなって思います。この5年楽しいことばかりではなかったし、思うように動けなくなってから、自分がみじめに思えたり、どうにかならないのかなと思ったり、そもそもどう思われているのかなと考えて、その期間本当に苦しくはあったんです。でも、ある意味、優木せつ菜という人間に深く向き合えた時間だったと思うし、この状態にならないと気づかなかった、せつ菜の活動理念とか考え方とか、その心を深く考え考えられて、濃い時間を過ごせたことも今となっては良き思い出だなと思います」。
「言いたいことが全然まとまらないんだよね。5年が長すぎる……」と、漏らす楠木。「発表してからと、発表する前と、いろんな意見を見て、この決断で正しかったのかなって思うこともたくさんあったんです。でも、(『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の)13人だからこそやってこれたし、13人だからこそ支えてもらえたし、この13人で一緒にいれたからこそ、この決断で良かった良かったのではないかなと思っていて」と、決断へ至った心情を。
自身としては「この決断をするにあたって1番私がみんなに伝えたかったのは、これからも『虹ヶ咲』だったり、優木せつ菜という人間を大好きでいてほしいなって思いが強くあるんです。(キャストが替わって)切り替えられるって人と、切り替えられないという人もいると思うんです。迷ってしまうときは、せつ菜が目指していた世界がどんなだったかなって思ってもらえたら、それが1つの指針になってほしいなって思うし、みんながつらくなったときに、そういう考えに到れるように、活動にすべてを込めてやってきたので、『虹ヶ咲』のみんなも、応援してくれるみんなもやっぱりハッピーな気持ちでいてほしいなと思います」と、気持ちを伝え「1番近くでではなく、陰ながらになると思うけど、『虹ヶ咲』の行く末はずっと応援しているし見届けたいなと思うし、表立って触れることはなくなるかもしれないけど、私の気持ちはずっとここにあるので、そこは安心してもらえればと思います」。
そこからは、優木せつ菜に決まったオーディションのときのことを振り返ることに。歩夢、しずくのオーディションも受けていたそうだが、せつ菜に決定して活動していくうちに優木せつ菜に自身が選ばれたという「必然性を感じることが多くて。うまくいかないなと思うことがあってもせつ菜に支えてもらっていた部分もあって」と、勇気づけられとも。
優木せつ菜役を離れることへ「あんまり名残惜しい、名残惜しいって言っちゃうと、この後の方もいるので、私はあまりそういうことは言わないようにしようと思ってたけど」と、気遣っていたが「本音を言うとめっちゃ寂しいです」と、涙が溢れ出し、隣にいた大西はタオルを手渡しフォロー。
昨年9月に開催されたライブイベント『「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所」Colorful Dreams! Colorful Smiles!』直前に自身の状態が判明していたことも告白。それでもステージに立ち続け、2月4、5日の『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 UNIT LIVE! ~A・ZU・NA LAGOON~』にも立てたことで「楽しい思い出をたくさん作れてよかったなと思うし、せつ菜の『CHASE!』の歌詞の通り、悔いを残さずにステージを後にできたので、私はもうやり残したことはありません」。
そしてお願いとして、「『虹ヶ咲』のこと、優木せつ菜のことも好きでいてほしいというのもそうですけど……」と前置きしつつ、「私は次の(優木せつ菜を担当する)人を知っているんですけど、選考には参加していなくて『お任せいただければと思います』と言って頂いたので、そこを信じて任せています。次の人がどういうせつ菜を作ってくれるのか、知らないですけど、メンバーから話を聞いていると素敵なせつ菜になっているようです……わかるんだよ、いろんな気持ちがあるのは分かってるし無理強いもしないけど、でもやっぱりせつ菜の目指す世界を考えたら、次の人もみんな大好きでいてほしいなって思うので、そこだけ、誰かが傷つくのは見たくないから、みんなに最後のお願いですね。ぜひ、これからを応援するという意味でも、温かく迎えてあげてほしいなと思います」と、気持ちを伝えた。
ここでBGMが『TOKIMEKI Runners』に変わり、大西と前田からも心情を伝えていくことに。前田は「私は本当に2日目のステージのMCでも伝えた通り、笑顔で送り届けようって思っています。私にとってともりって偉大な存在なんです。こういうつらい現場のときとかでも、ともりは逃げないんだろうなって考えて励まされる存在で」というと、楠木は「佳織里もそうだよ」とサラリと返し前田は「ありがとう。頭痛が痛い……」と言って動揺する様子も見せつつ、「これからも戦友だと思うので、笑顔で送り出したいなって思う。ともりはどこに行っても大丈夫……」と、涙が止まらなくなりながら「『虹ヶ咲』を素敵にするって約束するから任せてほしい、安心してほしい。次の子のためにもいい『A・ZU・NA』を作る」と、宣言。前田の想いは止まらず、「こんなに頑張っている子たちはいませんよ。これからも一員として頑張っていければと思います」と、涙声で言い切った。
大西の話となるとBGMが『Just believe!!!』に切り替わる中、「みなさんに言いたいことは、ライブで話せたからいいかなって」と前置きしつつ、「私演技で悩むことがあって、最初はとくに悩みに悩んで。2018年2月に喉がボロボロで私が歩夢ちゃんを演じていいのかってくらい悩んでいたんですよ。そのときに、ほぼ同期なのにともりちゃんに相談して。それこそゲーム収録も一緒にやるようになってから、現場では見て学ぶものだから、掛け合いのアドバイスとか普通は聞いたりするようなことはないんです。でも私はもう自分でできないって聞こうと思って。こういう感情だと思うけどどうだったってともりちゃんに聞いて。歩夢の感じだと、その口調だとおかしいかもねって、ひと事のはずなのに向き合ってくれて。それが本当に助かってたし、こういう視点もあるんだって、背中を見つつだったし。ずっとやりたかった声優という仕事に向き合うときに、一緒にいてくれたのがともりちゃんで良かったなって」と、思い出を。
続けて大西は「ニジガクではなくなっちゃうけど、仲間でありライバルということは変わらないし、一緒にラーメンに行こうと思うし」と、今後の関係性のことにも触れつつ、「次の子も見てくれていると思うけど、温かく迎えたい」と、次のキャストへの気持ちを語った。
そして大西と前田から楠木にせつ菜カラーの赤を基調とした花束が手渡されることとなり、2人から「いままでおつかれさまでした。ありがとう」と渡して、3人で涙ながらに抱き合う。大西から「あなたに応援して愛していただけるように、あなたと一緒に叶える次のトキメキに向かった、それぞれの道で頑張っていきます」と、あいさつし、「そしてまた会いましょう」と、手を振る中、終了となった。
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