俳優・生田斗真主演で6月2日より全国公開を予定している映画『渇水』(監督:髙橋正弥/配給:KADOKAWA)。本作の特報&ティザービジュアル&新キャストが27日、解禁となった。
作家・河林満氏の同名作が原作。映画『凶悪』、『彼女がその名を知らない鳥たち』、『孤狼の血』シリーズ、『死刑にいたる病』などを世に送りだしている映画監督・白石和彌氏による初プロデュースで実写映画化。
水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作(生田)が、心の渇きにもがきながらも“生の希望”を取り戻していく姿が描かれる。
特報映像では、水不足の深刻化を伝えるニュースの音声と共に照りつける太陽を見上げる岩切俊作(生田)と同僚の木田拓次(磯村勇斗)が水道料金を滞納する家庭を訪れ、水道を停めて回る【停水執行】の様子が映し出される。そんな日々の中、岩切が出会ったのはたった2人で家に残された幼い姉妹だった。県内全域で給水制限が発令される中、最後のライフラインである水道を停めてしまってもいいのか。「停めるんですか、水道」と問う姉妹の真っすぐな瞳に葛藤を覚えながらも、岩切は規則に従い停水を執行するが――。
「疑問を持たずに波風を立てずに日々を過ごすことが上手な生き方かもしれませんが、ふと立ち止まり、自分を見つめ直す事も悪くない。そう思わせてくれる作品です」という生田のコメントに示唆されるような、映像のラストには「このままじゃダメなんだよ」と叫ぶ岩切の姿が収められている。また、物憂げに俯く主人公・岩切俊作の表情が印象的なティザービジュアルも同時解禁となった。“渇いているのは、心でした――。”というコピーとともに、物語の行方に期待が高まる特報映像とティザービジュアルに仕上がっている。
新キャストには、姉妹の母親・小出有希を演じるのは門脇麦。主人公・岩切俊作の同僚で岩切とともに停水に回る木田拓次役に磯村勇斗。岩切の妻で、息子を連れ実家に帰ったきり戻ってこない岩切和美を尾野真千子。2人きりで家に残された姉妹を演じるのは、しっかり者の姉・小出恵子役の山﨑七海、天真爛漫な妹・小出久美子役の柚穂。ほか、水道料金滞納者の一人・伏見役に宮藤官九郎、水道局料金課の佐々木課長役を池田成志が演じる。
また、劇中の音楽を、NUMBER GIRLやZAZEN BOYSなど向井秀徳氏が手掛けていることが明らかになった。
今回発表された共演者7人からコメントが寄せられた。
○門脇麦(小出有希役)
母親の役というだけでまだ想像がつかない部分も多く、その役を遠く感じるものですが、さらにさらに遠い、私には理解が困難な役を皆様に支えていただきながら自分なりに手繰り寄せて演じました。 きっと今もどこかに存在する姉妹のお話です。 聞き飽きた綺麗事かもしれませんが、優しい世の中になってほしいと、演じながら改めて強く願う作品でした。
○磯村勇斗(木田拓次役)
脚本をいただいて読んだときに、この作品に参加したいと強く思いました。
水道局員を軸に、僕たちのライフラインである「水道水」を通して社会問題に切り込み、そこで出会う人々の葛藤に、僕は惹かれました。
人の心も渇いていく世の中で、何か生きる希望を届けられたらと思います。
○尾野真千子(岩切和美役)
とても気持ちが歯痒くなる映画です。
台本を読んだ時それぞれの気持ちがチクリチクリと刺さってポロポロと泣きました。
観てくださった人の心にも刺さりますように。
○山﨑七海(小出恵子役)
オーディションが決まった時は本当にびっくりしました。何度もオーディションを重ねて小出恵子を知っていくうちに、どんどんこの役が好きになっていって。なので参加出来た事が嬉しさでいっぱいでした。 岩切との出会いで姉妹が変わっていく、普通の姉妹とは違うけどどんな時でも助け合って生きていく姉妹を見てもらいたいです!
○柚穂(小出久美子役)
この作品は初めての長期間の撮影でしたが、現場の人や出演者の人がとても優しく仲良くしてくれたので、自然に「久美子」になることが出来ました。私にはお姉ちゃんがいないので、本当にお姉ちゃんが出来たみたいで嬉しかったです。 ぜひ「渇水」をたくさんの人に観てもらいたいです。
○宮藤官九郎(伏見役)
「最初に水道を止められる役は宮藤さんしかいないと思ってた」と力説された時には戸惑いましたが、 髙橋監督には数々の現場でずいぶん助けられましたので、俺でよければ水道止めて下さいと快諾しました。 とても切なく過酷な物語ですが、社会の理不尽を描くだけでは終わらない希望の光が見えた気がしました。 公開おめでとうございます。
○池田成志(佐々木課長役)
天候不順な時に天候不順な題材を撮るって、ホント世の中ままならないよなぁとか思いながら撮影に臨みました。短い期間の撮影でしたが、何か明確なようで、明確ではないものを演じる、難しさみたいなものを感じました。映画経験をもっと積みたいです。かなり結構前から知ってる斗真君と、初めて仕事したのも嬉しかったです。