女子レスリングの吉田沙保里選手(35)、納豆の妖精・ねば~る君、納豆お兄さんが10日、東京・筑波大学内で『糸引き納豆の日記念 ねばりが勝負!アスリートーーク!』イベントに登場した。
若手アスリートへ向け、糸引き納豆を食べて粘り強く勝負に挑み、勝利を手にしてもらいたいという願いから、1月10日の『糸引き納豆の日』に吉田選手のトークショーを開催するというもの。
まずはイベントの開会をねば~る君が登場しオープニングを告げたり、スポーツをするのかへ「納豆会の横綱と言われているからね」と言いつつ、いきなり相撲にまつわるモノマネを始めることに。すると目の部分がチェンジし、「貴乃花親方」と、ネタをぶっこみ笑いを誘った。
そして吉田選手が登場。納豆は「ちっちゃいときは苦手でしたけど、よく食べるようになりました。昔はご飯と一緒に食べましたけど、いまは納豆だけでも食べれます」というほどお気に入りだそうで、入れる薬味も「ちょっとマヨネーズを入れたりするときもありました。最近監督の奥さんに海苔を入れたのを食べさせてもらってそれがおいしくて」と、いろんなものに挑戦しているそうだ。
イベントでは勝負にまつわるトークへ。「じゃんけんも負けたくなくて勝つまでやるんです。負けて終わることが嫌なので勝つまで終わらないです。負けず嫌いという性格なんです」と、自身のメンタリティを。そうなったのも5歳のときに男の子に大会で敗れ、勝負に勝たないと手にできないものがあると知り勝ちたいと思うようになったからだそうで、「スタートで勝ってたらいまこうなってはいないと思います」。
その精神力へ「精神年齢は15歳くらいで。気持ちと体力は違うので、気持ちがついていっても足がついてこなかったりするので、これお父さんの運動会だなって。あまり無理しすぎないようにと思います。若い子たちはちょっと無理できても、35を超えてくると気をつけないといけませんね」と、思い通りに動けないこともあることを吐露していた。
自身のこれまでの人生で最大のライバルについては、ダルビッシュ有選手(31)の妻の山本聖子氏(37)を挙げる。2歳年上の山本氏とは中学時代から勝負することがあったそうだが、戦う前から気持ちで負けていたという吉田選手。しかし、大学に入って監督からの指導を受け、肉体改造に臨みいい勝負まで持ち込めたことで気持ちも変わり、実際に倒すことができ、「ライバルがいたからこそここまでやれた。現れなかったらどうなっていたんだろうって」と、ライバルの必要性も身にしみているそうだ。
なお、気持ちの持ちようの大切さへは、「勝ちたいと思えば思うほど緊張もするんです。そんなときは相手も緊張しているんだと思うとちょっと楽になりますけど、リオ五輪の決勝のときもそうでセコンドの声も聞こえなくなるし。母の応援も聞こえなくなっていました。戦っているときは分かりませんでしたけど、こんなの初めてだなと。焦れば焦るほどダメですね」と、落ち着くことの重要さも訴えた。
さらに、肉体改造の際には大学1年生のときまで大好きだったというお菓子を、監督からの“お菓子禁止令”という厳しい指導で、半年で肉体に変化もあり「半年かけて筋肉もついた、締まった体になったんです。勝つためにやることもあるんだなって」と、しみじみだった。
イベント後半には事前に集めたアンケートに答えるコーナーもあり、レスリングをしていて良かったことを問われ、「いまとなってはですけど、いろんなお仕事が増えていろんなところに顔を出させてもらって、いろんな方と触れ合えた。芸能人の方が友達になれるというもやっててよかったなと」と、交友関係の広がりを口にする。
レスリングをやめたいと思ったことがないかへは、「何度もあります。ちっちゃいころはとくに。出稽古があったりとかして、友達みんな遊んでいるのにいいなって思って。でも、メダルをもらったりするとやっててよかったっていうことの繰り返しでした。でも、夢や目標を持ち出してからはもうやめたいと思わなくて、それを達成するために頑張らないと。いまやれることをやらないといけないと切り替わりました。レスリングをやめなくてよかったなと思うようになりましたね」と、気持ちも切り替わったようだった。
ほかにも、自分のテンションを高めるために聴く曲はないかへ、「私はジャニーズの『NEWS』が好きなんです。移動のときに応援歌を聴きながら会場に向かいます。いろんな曲を聴いてますけど、『U R not alone』という曲が好きで。『weeeek』という曲も元気が出ますよね」というと、質問者も実は『NEWS』好きで、「増田貴久くんが好きで」というと、吉田選手も「私もそうです!」と、ニッコリだった。
その後、囲み会見では記者たちから、先日カヌーの鈴木康大選手(32)が小松正治選手(25)の飲み物に禁止薬物の筋肉増強剤をドーピングし陥れるというショッキングな出来事があったが、「正々堂々戦うのがスポーツマンだと思いますし、それうぐらい勝ちたいという気持ちは誰でもあると思いますけど、そういうことはしちゃいけない」と、率直な意見。
そんなことをしてしまいたくなる心情については「自分たちより若い子たちが出てくるのは不安になると思うんです。戦って負けて大会に出れないと思ったらそういう気持ちになるのも分かります」と、心情を解説しつつ「でも、選手側も気をつけないといけないなと思っています」と、気持ちも新たにしていた。
若いアスリートたちへ向けては、「オリンピックだけが人生ではないですけど、オリンピックに目指して頑張っている人も多いです。将来自分が生きていく中でいいふうにつながると思います。努力が財産になると思います」と、思いを伝えその場を後にした。