俳優・安藤サクラ主演でアイドルグループ『Hey! Say! JUMP』山田涼介が共演する映画『BAD LANDS バッド・ランズ』(監督:原田眞人/配給:東映/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)が9月29日に全国公開予定であることが30日、発表。あわせてティザービジュアル、特報映像、キャスト・スタッフのコメントも解禁となった。
第151回直木賞受賞の『破門』や小説『後妻業』などで知られる作家・黒川博行氏の小説『勁草』を、『検察側の罪人』や『関ケ原』などを手掛けた原田監督メガホンで映画化。
安藤は特殊詐欺を生業とする橋岡煉梨(ネリ)役で主演。山田はネリの弟・矢代穣(ジョー)役を演じる。2人は本作で初共演を果たすが、安藤は山田に対して「本読みの時から矢代にぴったりだと思って、私と山田君でどんな化学反応が起きるのか楽しみです」といい、一方の山田は「安藤さんがお姉ちゃん役と聞いた時に安藤さんだったら委ねられるな。安心してやらせていただこうと思いました!」と、気持ちを語っている。
公開されたティザービジュアルでは、本作の主人公であるネリ、そして弟・ジョーがある目的に向かって駆ける瞬間が映し出されている。『そこは 天国か 地獄か。希望なんて、とうに捨てた。』というコピーも乗り、幾分かの悲哀や自分の置かれている状況への諦めが垣間見える。それでも躍動感を感じるような姉弟の姿からは、僅かな希望に向かい行動を起こす2人の意志や強い覚悟も。なお、6月2日から全国の劇場・映画館でフライヤーも配られるとしている。
さらに、特報映像では、ネリとジョー2人の会話から始まり、勢いを増しながら展開していく。『ホンマもんの詐欺師にはなりとうない。』と告げるネリ。社会の底辺で生きている<持たざる者>は、悪に染まるしか生きる術を知らない。そこからネリとジョーの様々な感情が駆け巡るように、“葛藤とともに天を仰ぎ”“誰かに怒り吠え”“企み顔”“歓喜する”カットが立て続けに映し出される。徐々に上がっていく音楽のテンポに呼応するように、【ここは】【悪い奴らの】【天国で、地獄。】というテロップとともに、覆面の男たちや警察、社会の裏側に潜む人間が交錯する。さらに、高まる緊張感の最高地点で<拳銃を構えるジョー>と<ショットグラス入ったアルコールを放るネリ>のカットも。2人の視線の先には、なにが待ち構えているのか……!ラストカットで駆ける、ネリは何を思い何処へ向かうのか……?
■出演キャスト・スタッフコメント
○安藤サクラ 【橋岡煉梨(ネリ) 役】
自分の知らない世界だったので登場人物たちのキャラクターの魅力にとてもワクワクしました。山田さんは本読みの時から「あ、矢代だ!ぴったりだな!」と思っていました。私と山田君でどんな化学反応が起きるのか楽しみです。原田監督とは自分が思ったことを色々相談するようにしています。集中すべき時に集中して、 “自分らしくいる”という過ごし方ができるとてもメリハリのある現場で毎日楽しく過ごしています。いろんなキャラクターの俳優さんたちが交わって、どのシーンも楽しく魅力的で観たことのない化学反応を起こしていきますので、ぜひご期待ください。
○山田涼介 【矢代穣(ジョー) 役】
安藤さんは、実はたまたま一度、プライベートでお会いしたことがありました。すごく気さくな方で、お姉ちゃん役と聞いた時は安心感がありました。安藤さんだったら委ねられるな。安心してやらせていただこうと思いました。原田監督とは、一度映画でご一緒しましたが、毎日本当に緊張感があり、命を削っているような現場でした。どんなシーンでも緊張感がある現場というのは、なかなかなく、貴重な経験だと思って一生懸命やっていたので、またお声掛けいただいてとても嬉しかったですね。ぜひ、ハラハラドキドキしたスピード感溢れる本作を楽しみに待っていて欲しいと思います。
○原田眞人監督
黒川博行さんの原作は2015年の発売直後に読みました。俗にいう「オレオレ詐欺」犯罪グループの内実がリアルに描かれていて、その世界観に惹き込まれ、監督目線で登場人物をあれこれ動かしたことを憶えています。実に刺激的な読書体験でした。その最大のポイントは、犯罪グループの元締めを補佐する立場の主人公橋岡を女性にしたらどうだろうということでした。
例えば、ドストエフスキーの「虐げられた人びと」に登場するネリーを黒澤監督が「赤ひげ」に「包摂」したように。
ただ、私が手を挙げるのが遅かったために、映画化権は某社に渡っていました。辛抱強く6年待って、実現に漕ぎ着けたのは「ヘルドッグス」製作チームのおかげです。橋岡の性転換を心よく承知してくださった黒川さんにも感謝です。
理想のキャストも組めました。安藤サクラは「生きにくい」を「生き抜く」ネリーの魂の綱渡りを、橋岡ネリとして、美しく哀しく愛おしく舞ってくれました。世界の主演女優賞を全て差し上げたい名演です。原作の橋の疫病神的パートナーとなるサイコパス矢代穣は、沖田総司が現代に甦ったらこうなるのではないか、というコンセプトのもと山田涼介に参加してもらいました。沖田以上に切なく危険な若者を演じきった涼介の天才に私は魂を食いちぎられました。彼らを彩る関西演劇陣の濃厚なアンサンブルにも圧倒されます。1人1人紹介するのは公開間近まで待たねばならないのがとても残念。
沼津生まれのロスアンジェリーノ東京人の私が憧れ続けた「大阪弁フィルム・ノアール」はこの秋、世界に打って出ます!
○原作者・黒川博行
監督の名を聞いて、一も二もなく映画化に同意した。
名匠・原田眞人――。多くの作品をわたしは見ていた。「クライマーズ・ハイ」や「わが母の記」をはじめ、近作の「関ヶ原」や「検察側の罪人」、「燃えよ剣」は重厚にしてスケールの大きい傑作だった。あの原田監督がわたしの『勁草』をどんなふうに映像化してくれるのか、楽しみでしかたなかった。そこへ演じるのが安藤サクラと山田涼介、これも申し分ない。安藤さんのさわやかな個性と自然な演技は原作の犯罪性をきれいに掬いとってくれるだろうとわたしは期待し、山田さんとのコンビネーションもあいまって、期待以上のみごとな出来ばえになった。原作者として、ほんとうにうれしい。
■特報映像(30秒)
https://youtu.be/hSQ1s8tIwR4
■映画公式HP
https://bad-lands-movie.jp/
■映画公式SNSアカウント
Twitter:@bad_lands_movie
※記事内画像は(c)2023「BAD LANDS」製作委員会