俳優・神木隆之介、杉咲花、松山ケンイチ、小手伸也、桜田通、宮﨑あおい、髙田延彦、佐藤浩市が23日、東京・丸の内ピカデリーで映画『大名倒産』(監督:前田哲/配給:松竹)公開初日舞台あいさつを前田監督とともに開いた。
作家・浅田次郎氏の同名時代小説を実写映画化。越後・丹生山藩の鮭売り・小四郎(神木)が徳川家康の血を引く、大名の跡継ぎであることが判明。それと同時に丹生山藩が借金100億円を抱えるビンボー藩で、全ての責任を小四郎に押し付け切腹させようとしていた。切腹を避けるため、小四郎は幼馴染のさよや、兄の新次郎・喜三郎、家臣の平八郎らと共に節約プロジェクトを始めるが、小四郎たちは次から次へとピンチの連続となり……。
以下、公式レポート部分。
ある日突然越後丹生山藩の殿となったが、同時に藩の借金・100億を背負うことになる主人公・松平小四郎(まつだいら・こしろう)を演じた神木隆之介は「無事に初日を迎えることができて光栄です。純粋に楽しんでいっぱい笑って泣いて自由に見ていただけたら嬉しいです」と挨拶し、小四郎の幼馴染で、共に借金返済に奮闘する町娘・さよを演じた杉咲花は「前向きな気持ちを貰える映画です」と本作の持つ元気なパワーを前面にアピール。
小四郎の兄で松平家の次男、ちょっぴりマイペースなところがあるが、庭づくりの才能は天才的。松平新次郎(まつだいら・しんじろう)を演じた松山ケンイチ「みなさんに会えて嬉しいです!」と新次郎のように元気はつらつと挨拶。
さらに丹生山藩の財政をつかさどる勘定方・橋爪佐平次(はしづめ・さへいじ)を演じた小手伸也は「こんばんは!永遠の中間管理職、小手伸也です」と持ち前のジョークで会場の笑いを誘い、「皆様の評判次第でどんどん映画が盛り上げていけたらいいなと思いますのでお力をお借りできれば幸いです」とロングランヒットを祈った。
小四郎の兄で松平家三男・病弱だが聡明な松平喜三郎(まつだいら・きさぶろう)を演じた桜田通は「少し疲れていても楽しいなと思ってもらえる映画だと思いますので楽しんでいってください」と挨拶。
どんな時も小四郎の事を優しく見守る母、間垣なつ(まがき・なつ)を演じた宮﨑あおいは「20数年ぶりの前田組に参加させていただいたので、こうして一緒に登壇できて嬉しい」と前田組との再会の喜びを語った。
新次郎の恋人・お初(おはつ)の父で、旗本大番頭(はたもとおおばんがしら)を務める幕府の実力者・小池越中守(こいけ・えっちゅうのかみ)を演じた髙田延彦は「私なりにベストを尽くして一生懸命演じました。愉快!痛快!楽しい映画です」と挨拶。
小四郎の実の父で、丹生山藩の先代藩主でもある一狐斎(いっこさい)を演じた佐藤浩市は「楽しく帰りには美味しいご飯を食べれる映画だと思うので楽しんでいってください」と挨拶。
最後に本作で時代劇初挑戦となる前田哲監督は「初日を迎えられて安堵してます。感情を出してもらえるような映画だと思ってますので楽しんでいってください」と初日の喜びを噛み締め挨拶をした。
まず、先月30歳になって初めての主演作が初日を迎えた気持ちについて訊かれた神木は、「嬉しいですね。去年の夏撮影をしてから皆様に見ていただけるまで約1年かかり、こうやって無事見ていただけるのは簡単なことでないので本当にありがたいです」と喜びを噛み締めた。さらに「ここにいる僕は30代ですが、映画に写っているのは20代の僕なのでギャップを感じていただけたら嬉しいです!」と笑いを交えながらアピールした。
そんな“座長”神木を杉咲は「物語を背負って現場の味方でいてくださる、とってもかっこいい座長」と絶賛。「撮影の合間に10秒くらい納豆巻きを早食いするようなすごくわんぱくでキュートな、愛すべき座長でした」と共演者からの信頼も厚い神木の人柄について語った。
小四郎が庶民からいきなり若殿(プリンス)になる設定にちなみ、「明?から全く別の職業に就くとしたら?」というお題でそれぞれの憧れの職業を発表。神木は「車掌さん。電車好きなので電車に関わる仕事がしてみたい。鉄道会社に勤めて新型のデザインに携わってみたい、(車内の)アナウンスもやってみたいですね」と幼い頃から憧れだったという“電車愛”を語ると、杉咲は「よく訪れる行きつけのお花屋さんがあり、そこの店員さんに師事したいです!みなさんのお祝いの節目に携わるお花屋がいいです」と答えると神木からは「自分の名前(花)と関連してるからね」とツッコミが。共演経験が多い二人ならではの息のあった掛け合いが見られた。
そんな中、松山は「撮り鉄になりたいです」と即答。車掌席に座る神木込みで撮影するという、まさかの神木の憧れの職業とのコラボレーションを提案。そこからトークの流れは“電車”に関する内容となっていき、佐藤は「車内でお弁当売ります」、文房具が好きだという宮﨑は「アナログなことが減っていってる中で手書きの良さを普及する文房具のデザインをしたい。それを新幹線の中で売ります!」と半ば強引に“電車縛り”を続けた。小手は「車内販売のグッズを通販で買えるコールセンターでアルバイト勤務していたので、そこの偉い人になります!」と自らのアルバイト経験を暴露。さらに髙田は「この電車関連の職業の流れ切っちゃいけないんですか?」と前置きをしつつ、「これ妻にも言ってなかったんですけど…リニアモーターカーの運転士になりたい!」とまさかの職業を発表。会場一同の笑いを誘った。
そんな中、桜田は「運転が好きなのでタクシーなどの乗り物の運転手になりたいです!神木さんの運転手になります」と答えるとすかさず神木からの「僕、車掌なのに?」とツッコミが。「始発と終電まで勤めているから駅までちゃんと送ります」と桜田からの高待遇な提案に神木もご満悦な表情を浮かべた。
さらに、本作は小四郎がいきなり藩100億の借金を背負ってしまうストーリーだが、反対にもし100億円が急に手に入ったらどうするかというお題について、神木は「家を買いたいですね」と素直に回答するも、松山から「電車作るのかと思った」と電車縛りの再来を予期させるようなツッコミが入る。そんなフリに応えるように、髙田は「リニアのトンネル通しますよ、(100億円)寄付します」と期待通りの回答にキャスト一同拍手喝采。そんな松山は「(松山の地元である)青森県むつ市にある本州の最終駅・大湊まで新幹線を伸ばしたい」と現実的な理想を語った。一方桜田は「松竹さんに『大名倒産2』をお願いしに行くと思います」とまさかの本作続編の希望を発表すると会場から溢れんばかりの拍手が。すかさず神木が「『大名倒産2』は桜田主演ということで!」と病弱な喜三郎が元気になるというストーリー展開の夢を語った。
最後に神木は「鉄道のお話にお付き合い頂きありがとうございます(笑)!みなさんのお陰で初日を迎えることができました、こうやってこの映画を初日に観に来てくださるという選択をして下さったことがすごく嬉しいです。この作品を純粋に楽しんで、心がちょっとスッキリしていただければ嬉しいです」と締めくくった。客席からは大きな拍手が湧き、無事公開を迎えた記念に相応しい舞台挨拶となった。
映画『大名倒産』は公開中!
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※記事内写真は(c) 2023映画『大名倒産』製作委員会