俳優・横浜流星、佐藤浩市が19日、東京・内幸町のイイノホールで映画『春に散る』(監督:瀬々敬久/配給:ギャガ)完成披露試写会を俳優・橋本環奈、山口智子、瀬々監督とともに開いた。
作家・沢木耕太郎氏による作品。主人公は、不公平な判定で負けアメリカへ渡り40年振りに帰国した元ボクサーの広岡仁一(佐藤)と、偶然飲み屋で出会い、同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾(横浜)。仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えてほしいと懇願。やがて2人は世界チャンピオンをともに目指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいく――。
黒一色のコーデで登場した横浜。「キャスト・スタッフ一同魂を込めた作品が、無事に出来上がり、みなさんに観てもらえる日が来て嬉しいです」と、噛みしめるように語る。
ボクシングシーンの話題へ。佐藤は横浜のパンチをミットで受けた。佐藤は「これはみなさんが思われるよりもキツイんです。ミットは柔らかそうに見えるかもしれませんが、すごく硬いんです。硬くていい音ががして……それで、この男のパンチがキツくてねぇ」と、横浜の肩に手を乗せて懐かしげに笑い、「アイコンタクトでなんとなくできるようになっていくのが楽しくて」と、以心伝心になっていく感じが楽しかったという。
これに、横浜は「ミット打ちが痛いのを僕は知っているからこそ、最初ちゅうちょがあったんです。でも、浩市さんが『気にせず本気で来い!』と言ってくださって。逆に(力を)抜いてやるのは失礼だし、僕はもう浩市さんの胸を借りて全力でやって」と信頼関係ですべての力でやったという。佐藤も「普通に人生の先たつと、師弟というだけではない関係を構築するために、流星自身が懐に飛び込んでいきますという目、顔をしているし、こっちも“来いや!”ということをやっていかなきゃダメだと思って」と、横浜の気持ちを受け止めたそうだ。
本作で演じた翔吾と仁一の関係を2人ともどこか重ね合わせていたようで、横浜は「仁さんにも浩市さんにも通じるところがあるんですけど、擬似親子のような師弟関係のような、ともに再挑戦する戦友のような新しい関係性の形を表現できたなって思っているんです。翔吾にとって仁さんは心の拠りどころや救いで。撮影中、僕も浩市さんに同じ気持ちを持っていて、何があっても味方でいてくれるし、ちょっとした変化も気づいてくれたんです。声をあげて現場の空気も変えるし。何度も何度も心を救われたので、この作品で浩市さんと出会えて良かったです」と、しみじみ。これに佐藤は照れくさかったのか「好感度上げてくれてありがとう」と、茶化して笑っていた。
また、本作のプロモーション中に、横浜がボクシングのプロテストに合格したことも報じられた。このことに佐藤が、「撮影のときに、ちょっとその話があったんです。“やってみたら”と。周りがそういうふうにさせていた部分もありましたけど、まさか本当に受験するとはというのはありました。でも、ヨシっという気分でもあります」と、ガッツポーズをとると、横浜も笑みが浮かんでいた。
佐藤演じる仁一と横浜演じる翔吾の前に立ちはだかるライバル役を演じた窪田。この日は体調不良のため、急きょ出演が取りやめとなってしまったが、演じている際に、横浜は「窪田くんに負けたくないという気持ちも出ましたね」と、闘争心をむき出して戦ったことも明かしていた。
そして横浜から「仁さんと翔吾の生きている姿を見て熱くなったし、背中を押されたので、みなさんどう感じてもらえるか楽しみです。熱を持って作った作品ですので、その熱量はスクリーン映っていると思います。その気持ちを受け取ってもらえると嬉しいです」とメッセージを寄せると、佐藤も「本当に娯楽映画です。エンターテインメントです。だけどクレジットが終わって場内を立つときに、みなさまが思うより大きなおみやげを持って帰っている作品になっていると思います」と、胸を張っていた。
映画『春に散る』は8月25日より全国公開予定!
※横浜流星過去記事
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