アイドルグループ『乃木坂46』の衛藤美彩(25)、伊藤純奈(19)、久保史緒里(16)が17日、東京・銀座 博品館劇場で舞台『三人姉妹』(演出:赤澤ムック)公開ゲネプロを前に囲み会見を赤澤氏とともに開いた。
本作はロシアの文豪チェーホフ四大戯曲の1つ。モスクワへの帰郷を夢見ながら、理想と現実の間で揺れ動く美人3姉妹を描いている作品だ。中学校教師で独身の長女オリガ役に衛藤、満たされない結婚生活をしている次女マーシャ役に伊藤、働くことに強い憧れを抱く三女イリーナ役に久保が起用された。ほかの男性キャラクターも女性キャストが男装で演じるというのも特徴の1つだ。
けいこを通し苦労した点へ、久保は、「毎日すごく楽しいなと思っていたんですけど、テンションが高い役なので、それをキープしているのは大変だったのかもしれなくて……」と、うまくコメントを落とせなくて困り顔をしている姿を伊藤と衛藤がフォローするという、さっそく姉妹感満載な様子を見せることも。
衛藤にとってはオリガという役は、「家長なのになんでここで言わないんだろうとか理解できないシーンもあったりしたんです。そこで赤澤さんから『逆に深く理解しようとしなくていいよ』と言われることもあって」と、どう演じていいか迷う部分もあったよう。それでも「共感できるところは、乃木坂46の中でも年長の方なので、お姉さんのような気持ちはリンクするなって」と、自分なりの取っ掛かりも見つけたようだった。
そんな3人の印象へ赤澤氏は「初対面の印象を思い出そうと思ったんですけど忘れてしまって」といい、その理由へ、「そんなに長いけいこではなかったんですけど、女優としての3人しか印象にないんです。衛藤さんは優等生キャラと言われているみたいなんですけど、それは努力家だからなんだなって。たとえば、きょうのけいこで消化できないことがあっても翌日にはそれを超えてくる凄みがあります。伊藤さんは感性が豊かで、こっちがコメントしたことに対して思いがけないところから返して、しかも正解の道を突き進めるというのがあります。久保ちゃんは、けいこ場のマスコットキャラクターのようにみなさんに愛されていて彼女がいることで潤滑にでき、一切ギスギスした瞬間がなくて」とそれぞれの特徴を語ることもあった。
衛藤は2人の妹がいる設定へどうかと尋ねると、「普段の乃木坂46の活動では1期生、2期生、3期生とあって、いまいる3人はあまり、濃い時間を過ごしていないメンバーなんです。でも、3人姉妹なので1期、2期、3期と境遇が同じような感じなのかなって」と、グループと照らし合わせて慣れがあるようだった。
伊藤へは既婚者という設定ということで役作りをどうしたかという質問も飛んだが、「指輪をけいこ中から絶対に離さないでつけていて、癖で触っちゃうくらいにしていて」と、とにかく形から入ってみたよう。劇中では美翔かずき演じる夫役と仲が悪いという設定だが赤澤氏によると「楽屋ではすごく仲がいいんですよ」とのことだった。
そして久保は、髪をショートにしていることに触れ、「いままでこの髪の長さにしたことがないんです。いつもは恥ずかしいときに髪で隠せていたんです(苦笑)。共演者の方から可愛いよと言ってくださって、恥ずかしかったけど嬉しかったです」と、褒められて心持ちもいいもののよう。
そんな上機嫌の久保へ、赤澤氏はテンションの高いイリーナを報道陣向けにこの場で演技の一部を見せてほしいと、無茶振りなリクエスト。これに久保もポーズ付きでやってはみたが、恥ずかしさのあまり赤面しながら衛藤の腕を取る姿を見せ、記者たちを和ませていた。
その後のゲネプロでは、重くのしかかるような時代背景のなかで、それぞれに葛藤を抱える三姉妹として、苦しげな表情や、思い悩む姿など、普段のアイドル活動ではなかなか観ることのできないさまざまな表情を演技に乗せ演じきっていた。
舞台『三人姉妹』は17日から2月4日まで銀座 博品館劇場にて上演!
■出演キャスト
衛藤美彩、伊藤純奈 久保史緒里、五十鈴ココ、岡田あがさ、美翔かずき、汐月しゅう、春川芽生、立道梨緒奈、柿丸美智恵、東風万智子