環境省「『福島、その先の環境へ。』対話フォーラム」が19日、都内で開かれた。
福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた、全国での理解醸成活動となっており、今回で9回目。
イベント前半は、福島第一原子力発電所事故後、福島県内の除染作業により発生した除去土壌などが、県外最終処分されるまでの間、福島県双葉郡大熊町・双葉町に立地する中間貯蔵施設に管理・保管されていることを踏まえて2045年3月までの県外最終処分の実現に向けた、再生利用の必要性・安全性や実証事業の取組状況などについて説明がされていく。
イベント後半には西村明宏環境大臣、フリーアナウンサー・政井マヤ、中野美奈子アナらが登場。政井アナは中間貯蔵施設を受け入れる側の不安、逆に受け入れている方のどちらの主にも耳を傾けて聞いていくうえで、意見を重ねて、本イベントのように何度も対話を重ねることで「着地点に向かっていくのかなと感じています」と、語る。
これまで参加してきて、自身の子供と討論するという政井アナは、「すごくいい考える機会になると思うんです。この問題についてどう思うかとか、あえて反対の立場にたって論証してみるということで家庭のなかで対話になっています」と、未来に託す部分があるそうだ。
中野アナは東日本大震災の発生時期には朝の情報番組に出演していたことを回想。日々変わる状況や正確な情報を伝えるために、番組の放送中の合間にも都度都度、スタッフ全員で確認しながら報じていたこと。それまでに馴染みのなかった被ばく線量、シーベルトなどを専門家に話を聞き伝えていたとしつつ、いまも「正しい情報を知って発信していくことが大事ではないかと思っています」と、気持ちを語った。
さらに、自身が伝えたりするうえで足りていないと感じていることは?という質問が。これに中野アナは「第1の前提として、これまでのこのフォーラムでは福島の土壌について話していますが、県外に移設することを知らないという方がものすごく多いなと感じています。本日参加している方などは興味があるから参加されて、オンラインでも観てくださっていますが、それ以外の方は、全く知らないという方がいるのではないかと思います。そういう方に、どう告知するのかが難しいと思いますし、ニュースでこれやりますというのも違うのかなと。でも、向こうから扉を開けなければ触れることがないと思うんです。どう伝えればいいのか、この声を届けるにはどうしたらいいのかは、私自身の課題でもあります」と、自身の考えを話していた。
また、パネルディスカッションが行われたが、それを通して政井アナは「疑問を1度関心をもって、声をあげている人の疑問に答えることが大事だと思います」といい、科学的根拠の裏付けがある話をすることで、自身がこれまで思っていた数値の疑問に答えが出たといい「これが心配だと思っていることにもう一度丁寧に答えることが大事なのかなと思います」と、振り返る。
中野アナは「今回の除去土壌に関して、ポジティブな話ばかりではないと思います。ネガティブなことも実はあると思います。そのときに正しい情報を知ることが大事だなと思います」と話しつつ、「話は変わりますが、私はいま地方に住んでいて、地方移住はどうですか?と、聞かれることがあります。自然が多いですが、虫が多いとか、近所の人が全員顔見知りなのでどこにいてもバレるとか、タクシーの人が個々に居たよと知れ渡ったりすることもあります。いいところだけではなく、ネガティブなことを知ったうえで管理することが大事だと思います。除去土壌の話も、自分の中で、整理して、除去土壌をどう受け入れるかということを正しく知ることが大事ではないかとフォーラムを通じて感じています。今後またこのフォーラムがあったら、正しく情報を伝える立場でいたいなと思っています」と、コメントを寄せていた。