天海祐希「レイディマクベス」稽古は「もう毎日がご褒美!」

天海祐希「レイディマクベス」稽古は「もう毎日がご褒美!」8

 俳優・天海祐希、アダム・クーパー、鈴木保奈美、要潤、宮下今日子、吉川愛、栗原英雄が1日、東京・よみうり大手町ホールで舞台『レイディマクベス』(演出・振付:ウィル・タケット)初日公演へ向け演出のタケット氏とともにコメントを寄せた。

 自ら戦場に赴く兵士だった元軍人のレイディマクベス。夫のマクベスとは、ともに国を守るために闘う同志として知り合い、恋に落ち、娘を授かったが、彼女は産後、戦場へ戻れなくなり、現状に満足できず「夫と共に国を治める」こともままならないまま人生を歩んでいた。そんなとき、統治者ダンカンが血縁者以外から後継者を選ぶと宣言し、彼女の脳裏に夢がよぎるのだが……。

 以下、登壇者コメント。

 ●天海祐希 【レイディマクベス(レイディ) 役】
 いよいよ初日の幕が開きます。私たちが「レイディマクベス」にかけている想いを舞台から感じ取っていただけたらと思います。素晴らしい戯曲、素晴らしいキャストとスタッフのみなさまとご一緒させていただけてとても幸せです。
 ウィル(演出ウィル・ケット)さんの演出は良い意味で細かいです。私たちがどう思っているかということをすごく丁寧に聞いてくださり、キャストの感情を汲み取ってくださる方でとても感激しました。あっという間のお稽古期間で正直ドキドキしているのですが、皆さんに楽しんでいただけたらいいなと思っています。(ファンだったアダムさんとの共演については?)ご褒美です!もう毎日がご褒美!それしか言えません。今でもまだ夢を見ているようです。
 チケットを取ってくださった方もこれから取ろうとしてくださっている方も、客席に来ていただけたら、それ以上の何かを持って帰っていただけるよう頑張ります。私は客席から舞台を見ることはできませんが、ウィルさん曰く、とても美しい舞台とのことなので、それを楽しみにしていただけたらと思います。

 ●アダム・クーパー 【マクベス 役】
 こんにちは!アダム・クーパーです。明日初日を迎えるという事でワクワクしていると共に、すごく緊張をしています。日本語のお芝居に出演するのが初めてで、中には日本語の台詞もあり緊張もしていますが、みなさんにとてもよくして頂いたので落ち着いて初日を迎えられそうです。自分にとっては初めて、日本語を話さないといけない、意味が分からない日本語を聞き続けていなければならないというストレスがある中で、笑いが絶えない稽古場だったことは本当にありがたかったです。30年来の付き合いがあるウィルはとても面白い人で、彼のアプローチ方法が普通ではないのですが、一つのストーリーを作る為にみんなを一つにするという力がすごいと思います。ウィルとは何年も海外で仕事をしていて阿吽の呼吸で分かるという関係ですが、今回は企画自体が私自身にとってあまり違うタイプだったので、必ずしも同じようにはいかなかったのですが、それでもエキサイティングな時間でしたし、新しい発見がありました。

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 ●鈴木保奈美【マクダフ 役】
 一年前にこのお話を頂き、こんな夢のようなお話があるのだろうかと思いました、それから台本をいただき、夏の終わりにはリハーサルも始まり、そのリハーサルも約1か月してきましたが、それでもまだ夢の中にいるようです。ですので、これからもう一回気合を入れ直したいと思います。演出のウィルさんは、全身を使って私たちに伝えたいと熱心に向き合ってくださいました、言語が違う者同士、お互いが何を言おうとしているのか、自分の気持ちがどういう言葉であれば伝わるのか、言葉を選び、相手の言葉を聞き漏らすことなく必死で向き合うという事で、言葉を越えたもっと深いところでコミュニケーションができるのではないかと思うようになりました。言葉にたいして注意深くなろうという訓練をこのひと月受けた気がします。そして言葉を大切にするのはとても大事だなと改めて感じています。

 ●要 潤【バンクォー】
 素晴らしい脚本とスタッフによって作られた台本を読んだ瞬間に、この作品に僕が出ていいんだろうかという不安と期待を持ちました。約1ヶ月の稽古にも入り、その期間が早く過ぎてしまって、もう終わりなのかと思いましたが、みなさんと1つ1つの台詞を話し合いながら、より魅力的な作品に繋げてきたという充実感があります。本当に稽古場の空気が良くて、作品としてはシリアスな場面が多いストーリーですが、稽古場は笑い声で包まれていました。その流れで笑いながら稽古をしてしまいそうになり、ウィルに「これはシリアスプレイだからね」と止められたくらい楽しかったです。いよいよ皆さんにお披露目できることを楽しみにしています。ぜひ楽しんでください。

 ●宮下今日子【レノックス 役】
 お稽古期間中はずっと笑っていて、というのもウィルさんが本当に面白い方で、チラッと演出席を見ると少年のような顔をしてニヤリと笑って、だいたい私と愛ちゃん(吉川愛)が最後にちょっとディスられてました(笑) あと、みんなでお話について煮詰まっているときはアダムさんが素晴らしい笑顔で笑ってくれたりしていて、その笑顔を見ると「もうなんでもいいや」ってなっていました(笑)
 お稽古をしていた1ヶ月ちょっとの期間、みんなでたくさん話し合って助け合って稽古をしてきたので、チームワークは完璧だと思います。このチームワークを活かして全員で明日の初日に挑みたいと思います。よろしくお願いします。

 ●吉川 愛【娘 役】
 本当に素晴らしいこのキャストさんの中に舞台初心者の私が入っていいものなのかと思い、今もずっと緊張しています。
 稽古場は緊張感がありつつも本当に楽しい現場でした。私だけがウィルさんの演出に対して、理解が及んでいないと思っていたのですが、みなさんから共感の声が聞けて良かったなと安心した部分があります・・・(笑)
 本当にみなさん仲が良くて、居心地がすごくよかったです。
 ウィル(演出家ウィル・タケット)さんをはじめ、キャストのみなさんが技術や話し方だったり、歩き方だったり、いろいろなアドバイスをしてくださったので明日から全力で出し切りたいなと思っております。ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。

 ●栗原英雄【ダンカン 役】
 ウィルさん(演出家ウィル・タケット)とは以前『ピサロ』でご一緒しているのですが、またご一緒できて、またしつこい演出を受けまして(笑)なかなか素晴らしい作品になっていると思います。
 役者にとって一番苦しいのは稽古場で、一番楽しいのも稽古場なので、それが終わってしまうのは少し寂しいと感じています。いろいろな発見があって、いろいろアドバイスをしてくれたウィルさんには、全員が感謝していると思います。また、今回のジュード(作家ジュード・クリスチャン)さんの脚本は、日本語にしたとき非常に難しいのですが、言葉の力の素晴らしさや、色々な演劇の要素がこの作品には散りばめられています。そんな世界初演舞台での一歩を、明日みんなで踏み出せたらなと思います。
 誰一人欠けることなく最後までこの寛大な7人で千秋楽を迎えるまで集中して公演を行ってまいります。よろしく願いします。

 ●ウィル・タケット【演出】
 キャスト・スタッフ全力で取り組み、稽古期間本当に素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。それから素晴らしいクリエイティブチームとも、良い作品が作れたと思っています。新作の作品とは、長い準備期間を経て今に至っています。
 それだけ新作を上演することは本当に難しい事ですが、素晴らしい才能を持ち、広い心を持って稽古をして頂いた優秀なキャストの皆様がいらっしゃったからこそ成り立ちました、感謝しております。本日披露した第四幕は岩代太郎さんに作曲して頂いた美しい音楽もあります。その音楽が仕上げになっています。
 この作品は非常に面白い作品でオリジナルのシェイクスピアの「マクベス」をもとに、現在の女性の役割というテーマを持った作品です。
 見てごらんのとおり、みなさん本当に愉快なキャストではありますが、一方でとても優秀で謙虚な方々です。何事も全力で向き合ってくれた素敵なキャストたちでした。明日の初日を楽しみにしております。

 舞台『レイディマクベス』東京公演は10月1日から11月12日までよみうり大手町ホールにて、京都公演は11月16日から同27日まで京都劇場にて上演予定!


 ※記事内写真は「撮影:阿部章仁」

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