小室哲哉 シティーハンターこだま兼嗣総監督からの言葉に「今年一番の嬉しさ」

小室哲哉 シティーハンターこだま兼嗣総監督からの言葉に「今年一番の嬉しさ」3

 音楽ユニット『TM NETWORK』のシンセサイザー・キーボード担当・小室哲哉が7日、東京・TOHOシネマズ新宿でアニメーション『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』(総監督:こだま兼嗣/配給:アニプレックス) 大ヒット御礼舞台あいさつにこだま兼嗣総監督、音響監督の長崎行男氏、若林豪プロデューサーとともに登場した。

 漫画家・北条司氏の人気作『CITY HUNTER(シティーハンター)』。その人気から何度もアニメ化され、2019年には20年ぶりに『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』(監督:こだま兼嗣/配給:アニプレックス)も公開され100万人を動員し大きな話題に。本作も勢いそのままに、10月1日までで動員59万9902人、興行収入は8億9226万22円を記録するなど、盛り上がりを見せている。

 シティーハンターといえばな、おなじみのエンディングテーマ『Get Wild』と、さらに、今作のためにオープニングテーマ『Whatever Comes』を『TM NETWORK』による書き下ろしがされている。

 小室は、「今回のエンジェルダストのお話をちゃんと聞いたのは2022年の12月でした。まずはOPの曲で、そこで去年のうちに帰り道でなんとなくできてしまって。発表が今年の6月で長い半年で、そこからみなさんに聞いてもらうまでに、3ヶ月ほど。ですので、1年ぐるっとやっていた気分です」と、しみじみ。

 こだま総監督は、『Get Wild』を最初に聴いた当時、「シティーハンターにふさわしい、格好いい曲だったので、ハードボイルドに映像を作らなきゃとみんなで頑張った記憶があります。アニメ本編のラストカットにイントロが流れますけど、イントロのときに、普通に止めて引くという画面を作ったんです。イントロがかかっていると生きている感じがして、これでやり通そうと。それがいままでに続いている感じです」と、シティーハンターおなじみの“止めて引く”の裏話もしていた。

 『Get Wild』の話題は続き、小室が、「イントロの部分の静かなところなんですけど、1度でいいから、みなさんお友達でも、ご夫婦でも、会話をあのイントロの中でしてほしいんです。そうするとドラマティックになるんですよ。たとえば、『何食べる?』『アイスでも食べるか』っていうくらいでもかまいません。それがジーンとくるセリフになるんです。感情がボリュームアップしますよね。いまでいうとエモくなるです」と、『Get Wild』を使った遊びも伝授する一幕もあった。

 『Whatever Comes』に話が向くと、「ほどよい『Get Wild』との対比も感じて、明るすぎない曲を作ろうって。あれがいいなというので頭に浮かん。帰りの車でこういうのがいいなと思って、たぶんハマるだろうなと思っていました。劇伴というくらいなので音は映像にあわせて行くものですけど、このエンジェルダストはとくに音も映像にハマっている。フィットしている感じがすごいするんです。そこはスタッフの方の音楽愛もあるんだろうなって感じています」と、映像との一体感のある融合に

 さらに作詞を担当している小室みつ子氏の話があがり、「アニメの場合はシナリオが大事で読み込むんですけ。その中で、専門用語とかもあるんですけど、小室みつ子さんは脚本を読むのが苦手なんです。『てっちゃん(小室の愛称)説明して』と言われて(笑)。オープニングテーマですけど、エンディングまで説明するんです。オープニングで伏線が見えているという話をして『なるほど、よくわかった』と言ってくれて。それで僕がそれを歌ではめて。曲にいくつもの大変な工程があって」と、ならではの苦労もあるようだった。

 作り上げた挿入歌のなかにはこだま総監督が「ハードな曲が来ると思った場面があったんです。けれど送ってくれた曲は、キャラクターに寄り添ってくれる納得させる曲だったのでとてつもなく驚きました」「50年くらいこの世界で仕事をしていて初めて感動して声をあげてしまって」という楽曲もあったそう。若林プロデューサーによると、今年6月の会見の際に舞台裏で2人で舞台裏でがっちり握手するほどのものだったそう。小室もこれに「音楽家としては今年一番の嬉しさがありましたね」といい、こだま総監督は「そのときに3分くらいで曲が浮かんでと言われて驚きました」と、エピソードも披露していた。

 『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』は公開中!

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