アイドルグループ『KAT-TUN』亀梨和也が13日(現地時間)、スペイン・シッチスのMelia Sitges Main Auditoriumで開かれた『第56回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭』のORBITA部門のクロージングイベントに三池崇史監督とともに登場。このスペイン滞在の模様と現場写真が19日、公開となった。
今回の同映画祭への出演は、12月1日よりPG-12で公開予定の映画『怪物の木こり』(監督:三池崇史/配給:ワーナー・ブラザース映画)のワールドプレミアとして参加。 本作は作家・倉井眉介氏が2019年第17回『このミステリーがすごい!大賞』を受賞した同名作が原作。凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生。次のターゲットとして狙われたのは、弁護士・二宮彰(亀梨)だったが、実は二宮は犯人をも凌駕する狂気のサイコパスだった。犯人を追う警察と、返り討ちを狙う二宮。追う者と追われる者がどんどん入れ替わっていく、その果てには……というサスペンスとなっている。
以下、公式レポート部分。
12日(木)、ホテルを出た亀梨と三池監督は、映画祭の会場ともほど近い旧市街や海岸沿いを散策。シッチェスの10月の平均気温は22度前後と日本より少し暖かく、そして1年のうち最も過ごしやすい時期。この日も快晴で過ごしやすい気候に恵まれ、雲一つない空と海、絶好の環境の中で迎える映画祭に2人のテンションも自然と上昇気味に。
今回スペインを訪れるのがはじめてだった亀梨は、「僕はバルセロナに到着して、衣装がロストバゲージになるというところからはじまりまして(笑)」と到着早々に起こったまさかのトラブルを告白。この日の取材では三池監督とシッチェスの街を歩きながら、「どこを見ても絵になりますね。ワクワクします!」と終始笑顔。映画祭期間は、街中にはフラッグやモニュメントが立てられ、海沿いには映画祭のオフィシャルグッズショップが開店されるなど、街全体が映画祭仕様になるシッチェス。これまで数々の国際映画祭に参加し、久しぶりのシッチェス訪問となった三池監督は、今回亀梨と共に訪問したことについて「シッチェスという街を、身をもって体験してもらいたいし、また何かの機会に、他の映画祭に行った時に、ここ独特の気配というのを感じてもらえたらと。どこに行ってもその映画祭、映画祭の個性があるし。そこはもう素直に体験してもらって、楽しんでもらえたらいいなと思っています」とコメント。
さらに亀梨に楽しんでもらいたいポイントとして、「日中は日差しが暖かくて、みんなフレンドリーで、人間の強さやおおらかさを感じるので。にもかわらずホラーやスプラッター、ファンタ映画をみんなで観るっていう、このギャップというのが楽しいですよね。夜の劇場はまた全然違う部分があります(笑)そういう感じを亀梨くんにも味わってもらえたらと。」と翌日に控えるワールドプレミアを前にこの映画祭の魅力を語った。
13日(金)にはワールドプレミアを前に、映画祭主催のフォトコールと記者会見に臨んだ亀梨と三池監督。到着日にロストバゲージとなった衣装が無事見つかり、この日亀梨は、フォトコールと記者会見にはそれぞれ事前に準備した衣装で、そしてワールドプレミアにはスペインで用意した衣装で参加。
フォトコールは海をバックにした絶好のロケーションで写真撮影が行われ、撮影後にはサインや記念撮影を求める現地の映画ファンが二人の元へ殺到。二人は終始笑顔で応じ、ファンとの交流を楽しんだ。
その後に行われた記者会見で、「初めての三池監督との仕事はいかがでしたか」という記者からの質問に亀梨は、「今回の作品にはもちろん血もたくさん出てきますし、壮絶な現場になるのかなと思いきや、非常に穏やかな現場でした。笑顔が素敵な監督でいらして、現場は作風とはまったく逆で、非常に楽しく過ごさせていただきました。作品についても、絵の強さはもちろんのこと、人間ドラマがしっかりと描かれていて僕も大好きな映画の1本になりました。次回またご一緒させていただける機会があるのであれば、さらに激しい、このシッチェスの皆さんが好きなものを存分に詰め込んだ作品でまた戻ってこられたら光栄です。そのためにしっかり準備したいと思います。『ハアーッ!』って(笑)」と笑いながら答えると、会見の記者たちからも笑いが起こる一幕も。
また、「サイコパス役をどのように自分の中に注入していったか」というサイコパス弁護士役へのアプローチ方法を問われると、「派手にサイコパスというころを意識しないということを心がけていました」とした上で、「二宮というキャラクターの変化という点では、目の使い方、首の動かし方、目線の送り方というのは、僕なりに細かくこだわって演じました」と自身のこだわりを明かした。また、記者からの「なぜこのストーリーを選ばれたのでしょうか。どういったところに惹きつけられましたか?」という質問に対して三池監督は、「サイコパスという、映画の中で度々描かれてきたキャラクターが主人公です。ただ、その中で主人公が今まで描かれてこなかった変化を見せる。そこがこの作品の一番の、今までに作られてきたサイコパス映画とはまったく違う物語。人間の物語だというところに興味を持って、そこをできるだけきちんと表現できるように撮りました」と本作がこれまでのサイコパス映画とは一味違う作品であるとコメントした。
そして夕刻より行われた『怪物の木こり』ワールドプレミア。日本発の超刺激サスペンスに、上映前の盛り上がりはもちろんのこと、上映中にも血しぶきの出る描写や衝撃的なシーンでは拍手や歓声が何度も起こるなど観客は熱狂、海外ならではの盛り上がりを見せた。
本作を鑑賞した観客からは、「亀梨の演技はとても深くて。たくさんの感情を伝えてくれたよ。言葉や身体を使った表現がとてもきめ細かく、すばらしかった。体の動き、表情の細かな変化の一つ一つが多くの感情を表していて、すばらしい俳優だなと思ったよ」、「僕にとって最高の三池監督映画の一つになったよ」、「エンディングは予想できなかった!とても良い映画だった。ネタバレしたくないから言えないけど。私はとても好き!」といった絶賛のコメントが溢れた。
上映終了後、三池監督も思わず「血に飢えているんですかね。スペインの人って(笑)」と笑いながらコメント。亀梨も「皆さんから満足だというようなリアクションがいただけたので、すごく安心しましたね」と安堵の表情を見せ、最後には「スペイン自体が本当に初めてだったので時間がない中ですけれど、いろいろ見ることが出来たのはよかったです。最後も皆さんがいい熱量でいてくださって、いい言葉もいただけて、ヨーロッパはもちろん、色々な場所から来てくれている方たちもいらっしゃったので、すごく嬉しかったです。シッチェスで感じたお客さんの熱量をエネルギーに、公開まではもちろん、公開後も駆け抜けていきたいなと思います」と今後に向けた意気込みを語った。
こうしてシッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭での『怪物の木こり』ワールドプレミアは大盛況の中、幕を閉じた。
シッチェス国際映画祭に続き、「第36回東京国際映画祭」ガラ・セレクション部門での特別招待上映も決定し、益々盛り上がりを見せる本作。世界が震撼!今冬大注目の超刺激サスペンスに期待せよ!
※記事内画像は(c)2023「怪物の木こり」製作委員会