端壮薬品工業前
『五感で感じる！ウェルネスツーリズムツアー』プレス向けのツアーが10月下旬、奈良・橿原市で開催。端壮薬品工業でオリジナルクラフトコーラ『おにみみコーラ』作りを体験した。
今回訪れた橿原（かしはら）市は、奈良盆地の南部にある。日本最古の正史として知られる『日本書紀』には約2680年前、後の神武天皇が『橿原宮』を創建し、第一代天皇として即位されており、まさに“日本のはじまり”ともいえる場所だ。そんな橿原で日本のルーツとともに、心も体もリフレッシュできるようなスポットを紹介していくツアーとなった。
奈良県というと、大仏、鹿というイメージが強いかもしれない。だが、橿原市の中部には、江戸時代の町並みが残る今井町があり、実は江戸情緒を感じられる。
この町並みが残るのも、1993年には文化庁による住民が暮らしながら伝統的建造物群を保存する『重要伝統的建造物群保存地区』に指定されているからこそ。そのロケーションには注目も集まっており、2021年公開の映画『るろうに剣心 最終章 The Final』や、今年もアイドルグループ『Snow Man』目黒蓮が主演の映画『わたしの幸せな結婚』のロケ地にもなるほどで、聖地巡礼も同時に楽しめる。
端壮薬品工業のお店前でお茶目さあふれる中村社長の姿が
そんな今井町には、端壮（たんそう）薬品工業がありお邪魔した。明治38年に創業し「鬼の耳が風（風邪）を斬る」という意味を持つ伝統の風邪薬『おにみみ』を販売する同社が2020年にオリジナルクラフトコーラ『おにみみコーラ』を開発。
薬品工業がなぜコーラ？という方もいるかもしれない。だが、コーラの歴史を紐解けば、薬剤師であったジョン・ペンバートン博士が開発したもので、薬として珍重されていたのではとも言われている飲み物だ。
体験会場に入ると、甘いような、辛いような、それでいて刺激的というわけではないスパイシーな香りが鼻をくすぐる。会場内は学校の理科室といった雰囲気だ。
コーラづくり体験できる場所はまるで理科室のような雰囲気でワクワク感にあふれる
端壮薬品工業でできるクラフトコーラ作りは、約13種類のスパイス・ハーブの生薬を調合し、三温糖と煮込んで自分だけのオリジナルクラフトコーラを作るというコンセプト。体験用に3種類のレシピを用意しているが、このレシピも季節によって変えており、効用も花粉症予防や疲労回復など、薬剤師ならではのきめ細やかな視点がさりげなく盛り込まれている。
薬研ですりつぶすのも意外と力がいる
サービス精神おう盛で、お茶目さあふれる同社の5代目の中村康之也社長の手ほどきを受けながら、オリジナルクラフトコーラ作りへ。伝統的な器具・薬研（やげん）を使ってスパイス・ハーブを細かく砕いていく。時代劇などの映像作品では、薬研を簡単に前後にゴロゴロと回しているように見えるが、実際に触ってみると、意外と力がいり記者たちの間でも「なかなか砕けない！」と、ひと盛り上がり。苦心してすり潰したスパイスからは、新鮮で香ばしいスパイシーな匂いが立ち上ってくる。
スパイスを砕いてからは、煮詰めたり、こしたりしたあと、ソーダ水で割って完成。3種類のレシピは10種類のスパイス・ハーブは固定されており、そこから数種類が違うそう。その数種類だけで味が相当に変化するのも興味深いところ。
ちなみに、『おにみみ』は“良い鬼の夫婦がスパイスの力で健康をもたらしてくれる”というストーリーもあるのだとか。鬼のパワーももらえるようなパワフルなコーラともいえそうだ。
端壮薬品工業でのクラフトコーラ体験は、土・日曜日に1人3000円で体験が可能。団体ではないと体験できないということはなく、中村社長によると1人で体験しに来る方も多いそうで、人数はとくに意識せずとも良さそうだ。
■端壮薬品工業株式会社
奈良県橿原市今井町4-5-10
コーラづくり体験できる場所はまるで理科室のような雰囲気でワクワク感にあふれる
端壮薬品工業店内にはさまざまな著名人が訪れた様子も