小倉唯「Memorial LIVE 2023~To the 11’Eleven~」開催!“新しい一歩”

小倉唯「Memorial LIVE 2023~To the 11'Eleven~」開催!“新しい一歩”9

 声優で歌手・小倉唯が23日、パシフィコ横浜 国立大ホールで『小倉 唯 Memorial LIVE 2023~To the 11’Eleven~』を開催。新旧の人気曲を存分に織り交ぜたパフォーマンスで観客たちを魅了した。

 以下、昼の部公式レポート部分。

 開演の時刻を少し過ぎた頃、会場に激しい四つ打ちのリズムが流れ出し、そのサウンドに呼応するように、逸る気持ちを抑えきれないファンたちも熱いクラップを奏でていく。やがて、スクリーンに小倉 唯のさまざまな日常的な表情を映し出したオープニング映像が流れると、一瞬の暗転ののち、ステージの上段中央に突如本人の姿が。ライブのスタートを告げるナンバーは『Love∞Vision』だ。これまでの彼女のライブでは幕開けで爆発的な盛り上がりを誘発させるアッパーな曲を歌うことが多かっただけに、ミディアムテンポでのこの静かな滑り出しには意外性と新鮮さを感じた。

 ところが、歌唱後に早くも得意の早替えで身軽な衣装に変身すると、ここからは一転して攻め曲を。「みんな、盛り上がっていきますよ!」の言葉を合図に、自ら拳を振り上げながら『FUN FUN MERRY JAM』を届けていく。“それぞれの個性が集まって、楽しいひとときを作っていく”というメッセージが込められたパーティーチューン。その世界観を体現するように、カラフルな衣装とも相まって、ハッピーな時間を生み出していった。思えば、この曲は彼女の1stアルバム『Strawberry JAM』の1曲目に収録されているものだ。一方、オープニングで歌った『Love∞Vision』はレコード会社移籍後の第一弾シングル。偶然かもしれないが、彼女にとって“スタート”を示す2曲をオープニングで連続して聴かせていくところに、音楽活動11年目に突入した“小倉 唯の新たな始まり”への思いが強く感じられた。

 その後、ダンサーたちとキュートな振付の『Merry de Cherry』で華やかなステージを繰り広げていくと、最初のMCでは「あらためまして、こんにちは!」と挨拶を。そして、「ただいま、パシフィコ!」と、かつてソロとして初めてライブを開催し、その後も幾度となくステージをこなしてきたこの会場に帰ってきたことへの喜びをファンに伝えていった。さらに、「今回のライブは“新しい一歩”ということで、いつもとは違った演出に挑戦しようと思っています」と会場の期待感を煽ると、ここで歌ったのは初披露曲の『トキメキWeekend!』。「ライブをイメージして作った曲」というだけあって、歌い出しからコール&レスポンスで会場に一体感を生み出していく。続いては、「みんな、覚えてる?」と『Baby, Baby, Baby?』へ。この曲を歌うのは2019年のライブツアー「Step Apple」以来。しかも、そのときはメドレーだったため、フルでの披露となると、なんと5年振り。しかし、ファンもそんなブランクを感じさせず、コーラスをバッチリと決めていくと、小倉も懐かしむように無邪気な笑顔を見せ、最後はかわいくとびっきりのウィンクをみんなに届けた。

 ここでしばし、幕間のショートムービーへ。登場したのは白衣を着た女医姿の小倉 唯ならぬ“外科医・小門唯子”。《私、失敗しないので》でおなじみのドラマを彷彿とさせる雰囲気ながら、その映像の中身はというと、彼女が11個のミッションに挑むチャレンジ企画。けん玉やスプーン曲げ、10秒フラフープなどは持ち前の器用さでなんなくクリアしていくも、もっとも得意と思われた料理では、食材が彼女の苦手とするしいたけだったことで「(挑戦)いたしません!」と勝負を避けるひと幕も。アーティスト活動11年目を迎えても、こうした“らしさ”全開で楽しそうにチャレンジ企画に挑む姿に、思わず心がほっこりしたファンも多かったことだろう。

小倉唯「Memorial LIVE 2023~To the 11'Eleven~」開催!“新しい一歩”3

 その後、ライブが再開すると、舞台上には一台のピアノが。そしてブルーを基調としたロングドレスに身を包んだ小倉がステージに現れると、ピアノの生演奏ととともに『白く咲く花』を披露。希望に向かって夢が芽吹いていく思いを綴ったこの曲を、静かな旋律に導かれるように、情緒豊かに歌い上げていく。続く『ショコラ』ではマイクスタンドを使い、溢れ出す感情を全身を使って表現。彼女の甘い歌声としっとりとしたピアノの音色が溶け合い、優しい時間を作り上げた。また、ダンサーたちとともに優雅なステージを演出したのはライブ初披露となる『慈しみカンパニュラ』だ。ギリシャ神話の短編を表現したかのような幻想的な歌詞。その世界観をストーリー性のあるダンスパフォーマンスでも魅せていく。また、「特に『白く咲く花』は思い出の曲でもあるので、途中でちょっと泣きそうになりました」と特別な感情が彼女の心を去来したことを語ってくれた。

 そして、ここからは会場のみんなをイスから立たせて、アッパーなナンバーを連続して披露。まずは『Tomorrow』。勢いのあるイントロに合わせてクラップが会場を包み、そのまま熱いステージを展開。また、さらなる爆発力を見せたのが『Future Strike』だ。舞台上の照明と真っ赤に光る無数のペンライトで、会場がまるで炎に包まれたような姿へと変化していく。そうしたなか、狂騒的に鳴り響くピアノの生演奏、どこまでも勢いを増していくオーディエンスの熱気、それらを制圧するように力強く歌い上げていく小倉の姿が渾然と絡み合い、圧巻のステージを作り上げていった。

 熱気が冷めやらぬなか、続いてはNatsuki、Kaede、Luka、Kotomixのダンサー4人が登場し、それぞれがソロで巧みなダンスパフォーマンスを見せていく。会場を沸かせたあとは、スポーティな衣装に着替えた小倉が三たびステージに姿を見せ、ここでも初披露曲となる『Precious.』を。スモークが立ち込めるなか、高音の歌声を聞かせながらダンサーズとともに一糸乱れぬフォーメーションをアグレッシブに展開していく様子は、まさにアーティスト・小倉 唯の真骨頂といえた。

 その後、舞台上では先ほどのチャレンジ企画の後半がスクリーンに映し出され、映像の終盤にはすべてのミッションを終えた彼女にご褒美が渡されるという展開が。手渡された箱の中をのぞくと、そこに入っていたのはピンク色のバスケットボール……。と、ここで察しのいいファンからどよめきが起こる。そう、ライブの再開とともに歌ったのはまさかの『ともだちピンク』だ。小倉が袴田ひなた役を務めた『ロウきゅーぶ!』のキャラクターソングをカバーするという展開に、会場は歓喜に包まれる。さらにカバーは続き、今度は『サインはB -アイ Solo Ver.-』を披露。こちらはTVアニメ『【推しの子】』の劇中歌(歌:B小町アイ/CV:高橋李依)であり、小倉 唯 YouTube OFFICIAL CHANNELにて「歌ってみた」企画で公開するや、大きな話題を集めた一曲だ。そして、この勢いに乗って間髪を入れずはじまったのが『Honey♥Come!!』。これまでのライブで高確率で歌われ続けている鉄板中の鉄板曲。当然、会場の盛り上がりも半端ない。また、『Honey♥Come!!』は大好きな“推し”への想いを歌った曲でもある。それだけに『【推しの子】』の『サインはB』と並べて歌う流れに、この上ないエモさを感じた人も多かったに違いない。

 気がつけば、残りはラスト2曲に。この事実に本人も「あっという間だったね!?」と驚く。そして会場を煽るコール&レスポンスで再び観客の心に火を付けると『Baby Sweet Berry Love』でラストスパートへ。スウィートでキュートなこのラブソングを、たくさんのハートを手で作りながらファンに届けていく。また、最後に歌ったのはライブ前日にリリースされたばかりの最新シングル『Empty//Princess.』。複雑なコード進行や、1番と2番でガラリと変化を見せていくメロディの展開、小悪魔的な歌詞など、さまざまな挑戦が詰まったこの楽曲。ステージ上でもプリンセス然とした表情を見せたり、新たな一面をのぞかせて本編を締めくくった。

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 会場が暗転しても、暗闇のなか、ファンからの「唯ちゃん!」のコールがいつまでも鳴り響く。やがてその声にいざなわれるように、今度は黒を基調にしたゴシック風の衣装で登場。その姿に、アンコールといえど、最後の最後までこの日のライブの世界観を崩さない彼女のこだわりが強く感じられた。そしてアンコール一曲目に歌ったのは『Charming Do!』。ここでもたくさんのハートを作ってファンに届け、ときおり、そんなファンからの想いを抱きしめるように胸に手を添えて歌い上げるなど、曲に込めた思いを感情豊かに表現していく。またMCでは、「久々にパシフィコに帰ってきて、懐かしくて1stライブの『Happy Jam』を何度か思い出しました」、「11年目の新しい一歩ということで、いろんな私の姿を見ていただけたライブになったんじゃないかなと思います」と、この日のライブの振り返りを。そして最後は、「みんなで一緒に素敵なメロディを奏でたいと思います」と客席に声を掛け、『秘密♡Melody』を披露。少しウィスパーがかった歌声が聞く者の心に優しく染み込んでくる。また、途中のブレイクで「また絶対に会いに来てねー!」と叫んでファンを喜ばせると、さらに多幸感に満ちた空間を作り上げ、そのまま感動のフィナーレへと繋げていった。

 その後は曲が終わっても、何度も「寂しいなぁ」と繰り返し、「本当に寂しいから、またみんなで集まろうね」とポツリ。そして、「またこういうライブの機会があったらいいなぁ。……いや、絶対に作りますので、これからも着いてきてくれますか?」と約束を交わし、いつまでも名残惜しそうな表情を見せつつ、ステージをあとにした。あらためて振り返ると、7月に開催された10周年アニバーサリーライブから極力重なる曲を排除したセットリストだった今回。そこにはアーティスト・小倉 唯としてのもう一つの集大成を見せたいという思いと、これからの未来に向かっていくための助走のような力強さを感じた。11年目に突入した彼女がこれからどんな姿を見せてくれるのか、期待に胸が膨らむばかりだ。

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