お笑いコンビ『ピース』で作家・又吉直樹が11日、都内で『「自分らしさ再発見」セミナー presented by 肌ウーノプロジェクト』に登場した。
パーソナルケア商品で知られる株式会社ファイントゥデイが今年10月から『肌ウーノプロジェクト~肌からはじめる only 1~』の第2弾として展開。就職面接などへ向けて個性を“盛って”しまう“就活最適化個性”と本来の個性との狭間で、どう自分らしさを発揮すべきか悩む学生に向けたものとなっている。
又吉は自分らしさを見つけているということで、就活生たちが会場に集まる中ゲストとなったと呼び込まれることに。そんな目を輝かせた学生たちを前に「自分らしさを申しましても、迷い続けている自分がいるからこそと思っています」と、はにかむようにほほ笑む。
“就活最適化個性”の例の1つとして、計画を立てるのが苦手なのに計画的と見せかけているというものがあったが、又吉自身も身に覚えがあるそうで「たとえば原稿の締め切りで編集者の方から『進捗どうですか?』と聞かれたときに、顔には出さないで“いい感じです”と言って、一行も書いていないことがあって。そのあたりから焦り始めるということはあります」と、苦笑い。
さらに、“就活最適化個性”の行動のパネルを見ながら、又吉は「相手の要求に全力を尽くそうとしている人だと思うんです。こうならないように頑張るというより、テンションの低いやつを、会社で半分くらい雇わないといけないとという企業側の努力もいるのではと思います」と、バランスをとるよう持論を展開していた。
イベント内では、自身のこれまでのアルバイト経験を通じて、ありのままでいいと思えたタイミングへのエピソードを披露していくことに。その話のなかで、アルバイトを始めようと面接に行ったときに「『元気が無い』『声が小さい』『覇気がない』と言われて、その度にちょっと改善しようとするんです。けど、無理なんです。最初から元気あるやつに対して、元気があるように見せても足りないんで、自分が無理してもダメなんだと思って」という話や、「吉本の養成所に行ったんですけど、1番最初のネタ見せのときにテンション高めの漫才を見せたんです。芸人はこうあるべきという気持ちがあって。そうしたら、講師の先生に『無理してるやろ』と言われて、ああ見抜かれるものなんやみたいに思って。芸人はこうあるべきというところから離脱して、アルバイトで働く若者は元気でなければならないという部分から離脱して、これでもいいよと言ってくれると人のところに行くしかないと。選択したのではなく、そうなっていただけて、みなさんが置かれている立場だと僕と同じ方法は絶対に取らない方がいいと思いますけど」と、とうとうと話をしていくことに。
また、現在ニューヨークで活動をしている相方の綾部祐二が日本にいた当時、黒い服を着ることを「禁止」されていたという又吉。「柄のある服とか、明るめ色の服を着ておけと。綾部さんはそういうを考えるんです。いまは綾部さんが、アメリカに行かれているので積極的に黒の服を着ています」と、ここぞとばかり黒を取り入れているのだとか。
司会から綾部が又吉をプロデュースしてくれていた部分があるのでは?との声も飛び、「確かに戦略を立てたり、こう見られたいというのを考えるタイプではないですね。気にはして自意識は過剰なんですけど、こうするぞというプロデュースはしてなかったです」と、聞き入っていた。