NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(毎週日曜 総合 午後8時~ ほか)に、亡き井伊直親(三浦春馬)の娘を名乗る「高瀬」役として出演しているのが女優・高橋ひかる(15)。2014年の『第14回全日本国民的美少女コンテスト』でグランプリを受賞。TVCMは代々木ゼミナールや大鵬薬品工業「チオビタ・ドリンク」、NORITZなどに出演。2016年に映画『人生の約束』で女優デビュー。2017年、NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』でドラマデビューを果たした。
「美少女コンテスト」グランプリから3年間。地元滋賀県の中学校に通い学業優先のスケジュールを組んできた。そして、この4月から東京の高校に進学。生活の場も東京に移し、新生活を始めた。仕事も環境も新しい扉を開いた高橋に、今の心境や今後のことをインタビューした。
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「すごくありがたくて貴重な経験をさせていただけているなぁと。経験がない状態で大きな現場に入れさせていただけるのはありがたいと思っています。映画で築き上げていった部分に、まだ真っ白な部分がたくさんあるので、そこにいろんなものを吸収できるのはうれしく思います」と、ドラマデビューがNHK大河ドラマという大きな舞台になったことへの率直な感想を述べた。
高橋が演じるのは、亡き23代目当主の井伊直親(三浦春馬)が暗殺者から逃れるために信濃に身を隠していた時代に授かった子供かもしれない「高瀬」という娘。
「高瀬は、井伊に混乱をうむ役。信濃からお父さんがもしかしたらいるかもしれないという話を聞いて、井伊谷やってくるという農家の娘。高瀬自体はすごく素直で、明るくて屈託のない笑顔と活発で少年ぽいなぁという印象があります。私自身は自分のことは、活発といえば活発なんですけど、動かない時は全く動かないと、両方あります。だから、わかる部分もあって、感情移入もしやすかったですね。実際は井伊直親の“隠し子”かどうかわからないんですけどその可能性がどんどん見つかっていって、直虎さんが(井伊直親の)娘として認めてくださるという形になり、井伊にどんどん馴染んでいくことになります」
ーー柴咲コウさんの印象は?
「目の前に柴崎さんがいるというよりは直虎さんがいるという感じです。まだ放送する前に柴咲コウさんとお会いした時は魅力的で雰囲気というかオーラがあって、素敵な女性だなぁと思っていたんですけど、現場でお会いすると、すごくかっこよくて、柴崎コウさんというより、直虎さんという感じでかっこいいなぁという印象でした」
好きな歴史上の人物は織田信長、伊達政宗というほどの歴史好き。大河ドラマも元々好きで、「小さい時から家族と一緒に観ていました」というほどだが、観ると演じるとでは大違いだったようで、「レッスンでもやったことなかったので、初ドラマが初時代劇だったので、全てが初めてだったので、お芝居自体が難しいなぁと思っている状態」だという。
ーーどんなところに苦労していますか?
「言葉使いであったり、所作であったり。私は最初、農家の娘として登場するんですけど、姫としての所作を教えていただいて, それを練習して身についている状態だったので、なかなか“娘”の動きになれなくて。どうしても姫の動きになってしまって、それがすごく難しくて、悔しかったです。歩き方も“娘”と姫では全然違う。“娘”のときは袴をはいて動きやすい状態なので楽なんですけど、そこに慣れてしまって、姫になったら小股で歩くというのがすごく歩きづらくて。着物がだんだん崩れてしまうので、そこが慣れないなぁ、難しいなぁと思いました。また、一つ一つの動作が、こうしたらダメなのかなぁと考えてしまいます。例えば、何かを持って届けに行く時にも、下に物を置く動作がこれでいいのかなぁと、ぎこちなくなってしまって、確かめることがたくさんあって難しいなぁと思います。」
ーーそれだけ、所作を教えられたら、普段でも身についてしまって、ご両親に褒められたりしたんじゃないの?
「普通に歩いていても、ドタドタと足音をたてて歩かなくなったので、「歩き方はスムーズできれいになったね」と、お母さんに言われました。ただ、農家の娘さんの時、信濃の方言で返事をするときに『へえ』といったりするんですけど、実際に出てしまったりしたことがあって、お母さんに『何それ』と言われたりしました(笑い)。すごく影響されますね。くせついちゃうと、家でもやったりします」
ーー柴咲さんや財前さんとのからみの中で、エピソードがあったら教えてください。
「登場シーンの時に、監督にご指導いただいても、なかなかうまくできずに悩んでいたときに、柴咲さんや、財前さんにクランクインしてすぐの時に教えていただいたことが勉強になるなぁと思ったことがありました。
農家の娘として井伊家に初めて来て、部屋に通されて直虎さんや祐椿尼さま(財前直見)と御対面するというシーンでのことでした。服装や顔の色では農家の娘らしさは出ているんですけど、「動きが姫っぽいというよりも“娘”らしさがでてない」といわれました。自分では農家の娘らしくやっているつもりでも、できてないと思い悩んでいるときに、お二人から、『目線ひとつで身分の差が出るよ』と教えていただきました。
それで自分が実際にどういうことなのかと一瞬思ったんですけど、『農家の娘はお屋敷に来ることはまずない。そこで殿とかとも会うこともそうそうない状態。そんな状態でいきなり、殿や姫の前に出てて、しかも“隠し子”かもなどと波風をたてているのですから、もしかしたら首を切られるかもしれない、なにされるかもわからない状態。そんなときに、直虎さんや祐椿尼さまに目を合わせている状態は違うかな』ということを言っていただいて、すごく勉強になりました。今まで時代劇のドラマを見ていても意識していなかった目線でも、芝居する上では、そういうところも意識しないといけない。そういう部分ひとつで見る側も変わってくると知って、ありがたく思いました」
ーー2014年の『第14回全日本国民的美少女コンテスト』でのグランプリ受賞から3年目。振り返って、どんな3年間でした?また、中学3年間、地元の滋賀県から仕事のたびに上京されて、大変ではありませんでしたか?
「この3年は、今まで過ごしてきた3年と違って、あっという間で濃い3年間でした。いままでは1年過ぎてもなにも思っていなくて、今年も一年終わって次は何年生だなと思って過ごしていました。でも、グランプリをいただいてからの3年間は、今年もすごく充実した1年で、いろいろあったなぁと振り返れる1年でした。一年一年が充実しているなぁと。中学1年生の夏にグランプリをいただき、学業とお仕事の両立を大事に考えていることを事務所の方からも聞いていて、それはすごくうれしく思っていました。もともと勉強が得意な方ではないので、勉強頑張らないと追いつけないところがあるので、週末にお仕事をいれてもらうなど、調整していただいていたので、ありがたく思っていました。お仕事も楽しいですし、普通に生活していたら経験できないこともたくさんできて、すごく楽しいんですけど、その分、学校が楽しくて、同じ年の子たちとわいわいしたり、勉強したり、先生や学校自体が好きだったので、ぜい沢な3年間だったなぁと」
ーーいよいよ4月から上京されて、高校も東京の学校を選ばれるなど、新しい生活がスタートしましたがいかがですか?
「東京に上京してきてから、お仕事をたくさんできるようになって、中学3年間とはスケジュールも過ごし方も全く違う。大変だなぁと思いながらもすごく嬉しいです。お仕事がたくさんできて、学校にも通えて嬉しいなぁと。学校のみんなともすぐ馴染めたし、学校も楽しいです。東京も想像していたより過ごしやすくて楽しいです」
ーー今後、どんな役をやってみたいですか?
「今までは学園モノでいうと一匹狼で、誰かを助けてあげるという役にもともと憧れていました。それでも最近は、普通じゃない、少し変わった人を演じたくなってきました。今までは自分の中にある、等身大の自分に近い役をやらせていただくことが多かったので、全然自分とは違う真逆の人を演じたいです。レッスンの時に、『一度振り切るともっとお芝居が楽しく感じられるようになるよ』と、教えていただいた。確かにそうだなぁと思いました。なので、いろんな役に挑戦してみたいという気持ちはあるんですけど、自分とは全然違うキャラクターを演じてみたいと思います」
ーーどんな女優さんになりたいですか? 憧れの女優さんとかいますか?
「女優を目指し始めたころから、いろいろな作品を観るようになって、たくさん元気をもらったり、勇気をもらったり、落ち込んでいるときも作品を観ると元気になることがたくさんあったので、誰かの気持ちを動かせる女優になりたいと思います。表情、言葉一つで感情を伝えられるような女優になりたいです。憧れている女優はたくさんいるんですけど、この方に憧れているとは考えないようにしています。今の自分を超えたい。自分がライバルだと思うので、もっともっと高めていこうと。自分らしさを大切に頑張っていこうと思っているので、あまり目標の人を作らないようにしています」
最後に、「まだまだ自信はないので、自信持てるようになるぐらい頑張りたいです。せっかく東京に出てきてお仕事する機会をたくさんいただいているので、もっともっと頑張りたいです」と、決意を語った。