アイドルグループ『NGT48』の“きたりえ”北原里英(26)、俳優・ピエール瀧(50)、門脇麦(25)、リリー・フランキー(54)が17日、東京・新宿バルト9で映画『サニー/32』(監督:白石和彌/配給:日活)東京初日舞台あいさつを白石監督(43)とともに開いた。
“犯罪者史上、もっとも可愛い殺人犯”と呼ばれネットなどで神格化され世間を騒がせた“サニー”という11歳の少女。その事件から、14年後仕事も私生活もいまひとつの中学校教師・藤井赤理(北原)が柏原(ピエール)と小田(リリー)の2人から雪深い山麓の廃屋に監禁されてしまったことからはじまる事件が描かれる。『凶悪』や今年5月には『孤狼の血』の公開も控える白石監督による作品となっている。
映画初主演となる北原だが、ついに初日を迎え「お話を頂いてから1年、話ができてからは3年以上かかって。公開したら自分にできるのはここまでなのかなと思ったりはします」と、一抹の寂しさを感じているよう。
赤理を演じてみて、1日かけたシーンもあるそうで北原は「最初は人に罵声というか普段声をあまり張ることもないので違和感もなくやっていたんです。それが途中から気持ちよくなってきて、最後の方は人に叫び慣れていた感じでしたかね。1日かけて赤理ちゃん自身も私自身も作品に入っていった感じがします」と、実感も語っていた。
作品については、リリーは「ネットの中のアイドルを拉致してくる、偶像であったものが、俺とかみんなが妄想したことを実現したらこれくらい間抜けになるっていう感じかな。ものすごく計画に穴があるのがリアルかなって」と、その妙なリアルさを訴える。そのときにペラペラの衣装を着せられたというが、北原は「間抜けではありますけど、衣装が安くならないのは瀧さんとリリーさんのおかげだなって」と、感謝することも。
するとリリーは、新潟県でロケし本作へ「北原さんはヒョウが降っているなかでも生足で歩くシーンとかあって。俺たちは着込んでも乳首がカッチカチに立つくらいななかだったのに」と、リリー流の北原の女優魂を褒める。その新潟での事前の反響へ北原は「新潟の方は知ってる景色が出てきて嬉しかったらしいですよ。それに新潟で撮影してくれたことが嬉しいって県知事さんが言ってくれたんです……まだ観ていない時に」と、話し笑いを誘っていた。
一方、ピエールは、「初号を観終わった後に、白石さんになんの映画なんですか、どこで観せるんですか?と聞いたんです。でも、ちょっと残る感じというかねじ込まれた感があって」という不思議な感じの仕上がりと訴える。すでに観た方からの感想については、「内容からいろんなものを感じて、ありがとうございますと言ってくれた人が多くて」と、感じ方も人それぞれなものになっているとも話していた。
ほかにも、ピエールが死体をドロップキックして穴に落とすというシーンがカットとなったというエピソードや、リリーの調理シーンがなぜかスローでの撮影になったことなどが明かされ笑いを誘っていた。
最後にリリーから「起きそうで起きない事件が先に映画になった感じがしますし、その中で北原さんが捨て身というか、お芝居する情熱、気概を見せて頂きました。きつい合宿だったけどあれは楽しかったねという気はします」と感想を寄せると門脇は「最後にフッと感情に落ちてくるなと思います。目茶苦茶な映画を観に行こうと怖いもの観たさで来てもらえたら」と、呼びかけ。ピエールからは「感動的というのは間違いない涙が止まらないですよ。この映画で大事なのは客観性だと思いますので、後からじんわり来ると思います」と、メッセージを。
そして北原は「現代のいろんな問題をいろいろぶち込んでいて、いくつ刺さるかは分からないですけど深いメッセージになっていると思います。その一方で、深く考えずに、アイドル映画の世界観を楽しんでももらえたら嬉しいです」と、メッセージを残しその場を後にしていた。
映画『サニー/32』は全国絶賛公開中!