シンガー・ソングライターで俳優・紘毅(32)、演歌歌手で俳優・徳永ゆうき(23)、女優・岡本玲(26)、竹島由夏(31)が3日、東京・新宿 K’s cinemaで映画『バケツと僕!』(監督:石田和彦/配給:彩プロ)初日舞台あいさつを原作者の北島行徳氏(52)、石田監督(64)とともに開いた。
北島氏による小説『バケツ』(文春文庫)を映画化した作品。静岡・浜松を舞台に、養護施設で働くことになった気弱な主人公・神島(紘毅)と、“バケツ”と呼ばれる軽度の知的障がいを持つ 15歳の少年(徳永)との友情を笑いと涙を交えて描くハートフルな人間ドラマに仕上がっている。
紘毅は本作が2年前に撮影したということを告白し、「僕らはその間も会っていたので『このままどうなるんだ……』という気持ちで話していたので、初日を迎えられてお客さんに来てもらえて嬉しいです」と、ホッとひと息といったよう。
徳永は軽度の知的障がいを持つ役ということで「お話を頂いたときは難しい役だなと感じました。いまいちイメージが湧きづらくて。そこで、ダウン症の方とロケに入る前にお話して、表情や話し方だったりを自分のなかで役を作り上げていきました」と、役ができるまでを。
岡本は神島の養護施設の先輩役ということで劇中劇にもかかわりレッスンにも参加し、「みなさんに対する先生の厳しさというものにビックリしました。いろんな思いを持って接していられるのでその姿を短い時間ですけど、引き継げるようにという気持ちでやっていました」と、演じているときの心情を話した。
さらに岡本は、紘毅と徳永が撮影の合間にずっとおしゃべりをしていたため「1回しゃべるのを止めてみようかと言ったら、10秒くらいですぐに話し出しちゃって(笑)。2人のバディー感が出てましたよ」と、ほほ笑ましいエピソードもあったようだ。
そんななか紘毅は演じていくうちに「最初は台本をもらったときにシリアスにとらえていたので、どういうリアクションをしたらいいのか分からなくて、最初のシーンの『名前は?』とかが障がい者の方に初めて接するときのリアクションだと思うんです。でも、だんだん時間が経つに連れて、壁がないことに気づいて、平気で笑い話をできるようになってきて」という体験を披露し、本作を観る方へも「僕達健常者が勝手に壁を作ってしまうという現状があると思うんです。これが現実に起こっていることで、この作品を観て何か意識的にやってくださいと言っているわけではなくて、壁を作らなくていいんじゃないのと受け取って頂けるだけでも気持ちが変わって頂けるだけで嬉しいなと思っておりますE」と、呼びかけていた。
その後、紘毅と徳永によるミニコンサートも行われ猿岩石の『白い雲のように』でハーミニーを奏で、観客たちから拍手を受け盛り上がっていた。
映画『バケツと僕!』は3日より新宿 K’s cinemaほか全国ロードショー!