アイドルグループ『Snow Man』佐久間大介が3月17日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで映画『マッチング』(脚本・監督:内田英治/配給:KADOKAWA)感謝御礼舞台あいさつに俳優・土屋太鳳、内田監督とともに登壇。イベント内では、3人がそれぞれしたためた手紙でエモーショナルな感情が流れる一幕があった。
マッチングアプリのプロフィールがウソだったら?マッチングしたのが危険な人物だったら?さらに、あなたの大切な人の別の顔が暴かれてしまったら?──出会いの裏に仕掛けられた“罠”の恐怖が増大していく様子を描いた内田英治監督によるオリジナル脚本のサスペンス・スリラー作品。土屋はマッチングアプリでの出会いをきっかけに、次々と襲い掛かる先の読めない恐怖に見舞われる恋愛に奥手な主人公・輪花(りんか)役で主演。マッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山役を金子ノブアキ、あちこちのアプリでトラブルを起こしているというストーカー・吐夢役を佐久間が演じている。
手紙はまずは内田監督のものが「これは言えないです」という理由で司会が代読することに。(手紙は佐久間に関わる部分を詳報掲載)
■内田英治監督
拝啓、佐久間大介さま。
早いもので、『マッチング』の撮影から1年半が過ぎ、2度目の桜が咲こうとしています。
思えば最初の顔合わせのとき、誰よりも声が大きく、元気すぎるその笑顔に一抹の不安を覚えたことをカミングアウトします。
(ここで佐久間が「役と全然違ったもんね。あれっ?こんなやつ来たんだってなっちゃったんだろうね」と、笑う)
演技経験があまりないという演技は大丈夫なんだろうか。
TV出演に忙しくて役作りはできるんだろうか。
しかし、そんな不安もすぐに払拭されました。
吐夢という複雑な人間の内面を理解しようと、長い時間話し合ったことを覚えています。
生と死、愛の確認と存在、そして人間の孤独。
スリラーという娯楽作に込めた、私の思いを見事に吐夢というキャラクターに命を吹き込むことで、見事に表現してくれました。
映画作家としてこれに勝る喜びはありません。
そして年々減っていくオリジナル映画をお客さんも巻き込んで盛り上げてくれたこと。
映画は観ていただいたお客さんのものであることを再認識しました。
映画に一喜一憂していた自分の映画少年時代を重ね、映画への思いを再び強く思うようになりました。
出会ったときの不安要素であった、佐久間くんの明るさも、いまはないと逆に不安になってしまうようになってしまいました。人間は現金なものですね。
映画は疑似家族であり、出会いと別れと再会の話であると信じています。出会わせてくれた映画と、ここまで作品を応援してくれたお客様と佐久間くんに感謝しています。
本当にありがとう。
以上
これに佐久間は「いやー嬉しいですね」「なんかお父さんが手紙書いてくれたみたい」と、感激する様子が。
続けて、佐久間。ピンクのハートのシールを張った手紙の封筒を手に、メディアに向けて目線を配ったりするなか「じゃあ、読みます」と、自身で読み上げていくことに。
■佐久間大介
『マッチング』を観てくれた、すべてのみなさまへ。
まずは映画『マッチング』を観て頂き、本当にありがとうございます。
みなさんがたくさん楽しんでくれて、この作品を好きになってくれて、本当に嬉しいです。
世代、性別問わず、幅広い方に観てもらえて、本当に感無量です。
とくに、僕のファンのみなさんは、僕が単独で出演する映画だからこそ、期待と気合を入れて、すごく意気込んでくれていると思います。
ずっと応援してくれている人たちにとっての楽しみになってくれるのが、心から嬉しいです。
そして、僕にいろんなものをくれて、みなさん本当にありがとうございます。
作品を知ったきっかけは、どういう入口でもいいと僕は思ってます。応援している人が出ているから観に行く、知っている人が出ているから観に行く、この人が作った作品を観たいからから観に行く、この座組が好きだから観に行く、なんとなく来た……。
いろんな方がいると思います。
でも、僕たちからすると、観てもらえるだけで本当にありがたいし、大丈夫です。
1度観れば分かると思いますし、作品の世界観にひたって頂ければ。
この作品は沼に引きずりおろせるように、みんなで心を込めて作り上げた作品です。
ぜひ安心して浸かってください。
土屋太鳳さん。
以前から番組で顔見知りだった太鳳ちゃんと、今回初めてお芝居で共演させて頂きました。
本当にありがとうございます。
(ここでイベント冒頭でも落ちた土屋のイヤリングが落ちるハプニングがあり、佐久間が驚く様子も)
現場であらためて太鳳ちゃんの人柄や、自分の役や、周りの人に対していつも誠実で一生懸命に向き合っていく姿勢は、本当に素敵で、戦闘で旗を振ってくれる姿は、まるで令和のジャンヌ・ダルクのようで大きな背中に勇気をたくさんもらいました。
(ここで土屋がどーんと構えるポージングも)
ただついていくだけではなく、しっかりと自分自身がこの作品にとっての力になれるように、不慣れながらに全力で挑ませて頂きました。
太鳳ちゃんが格好よすぎて、憧れの役者さんになりました。
僕がいつか座長に就くことがあったら、太鳳ちゃんのようにかかわるすべての人に、優しく力強く、しっかり背負う座長になれるように頑張ります。
今回、一緒になれて、本当に良かったです。
これからも、よろしくお願いします。
そして、内田監督。
僕は最初に関わる監督が内田監督で、本当に良かったと実感しています。
監督が作り上げる世界観が好きです。
そして役者を支援してくれて、自由にアプローチしたものを積極的に取り入れてくださる。
否定がないからこそ、役を愛することに没頭できたなと感じています。
また、監督の作品に呼んでもらえるように、もっと力をつけて、精進します。
そして、関係各所・スタッフのみなさん。
まずは声をかけてくださって、この作品に出会わせてくださって、本当にありがとうございます。
毎度、たくさんの方がこの作品を楽しんでくれるのを実感するたびに、一緒に喜んでくれる、素敵なスタッフのみなさんです。
撮影が終わった後も、一緒にこの作品のために、舞台あいさつとか、グッズとか、いろんなことをセッティングしてくれたり、話をしてくれてとても感謝しております。
ありがとうございます。
長くなりましたが、愛をテーマにしているこの作品を通して、みなさまからのたくさんの愛を感じることができて幸せです。
これからも、この作品を、キャラクターたちをたくさん愛してください。
愛してくださるみなさんのことを、僕も愛したいと思います。
これからも末永くよろしくお願いします。
佐久間大介
以上
読み終えた後に佐久間は「手紙を読むってムズいね。どうやっていいか分からなかった」と苦笑いしていたが、その姿に涙する観客や拍手を送る観客などが続出。「手紙を書いてきてくださいと、言われたときに、何を書いたらいいんだろうと思っていたんですけど、気がついたら4ページ書いていました(笑)。これでもぎゅぎゅっとした方なんですよ(笑)」。
■土屋太鳳
佐久間さん。
12年間、初めて舞台で拝見した佐久間さんは、まるで火の玉のようでした。
私がその姿を忘れられないように、佐久間さんは本当にいろんな姿を、たくさんの人の心に刻みながら生きてこられたと思います。
そして、今また、佐久間さんは吐夢とともに時を超えようとしています。
吐夢の痛みは時代を超えて、愛情とは一体何なのか、考える種を蒔き続けることでしょう。
吐夢がこれほど切ないのは、演じる佐久間さんご自身が愛情の正体を、分かっていらっしゃるからだと思います。
金子さんと一緒に、温かい愛情を少年のように、まっすぐ、現場に注いでくださいました。
本当に救われました。
以上
その後、記念撮影に入るということで、マイクをスタッフに戻してほしいと司会から伝えられたが、まだまだ喋り足りないのかマイクをギュッと握った佐久間は、しばしスタッフと“攻防戦”を繰り広げ目を引くお茶目な一幕が。
いよいよ降壇となった際には、降壇する際にステージ上で歩きながら“嬉しい”の手話で1度、これまでの舞台あいさつと同じく扉の前に立っての“ありがとう”を手話で感謝を届けたりと、厚い感謝を伝えていた。
映画『マッチング』は公開中!
撮影・文:水華舞