歌手アイナ・ジ・エンドが3月28日に初写真集『幻友』発売を記念した写真展『アイナ・ジ・エンド photo exhibition‐幻友‐』の内覧会に出席。現在の心境などを語った。
写真家・興梠真穂氏が撮影したアイナの歩んだ約10年間の軌跡や、飾らない日常風景を写真展としてお披露目。会場にはアイナ自身が作詞・作曲した展覧会オリジナル音源を聴きながら楽しむことができるのも特徴だ。
前日から設営の微調整のために本所へ訪れていたというアイナ。「めいいっぱい視覚でも表現した展覧会です」「スピーカーの調整とかもして」と、自ら考えて配置しなおしたこだわりもあるそう。
その中をみて、「小っ恥ずかしくなるような写真もあるんです。マツエク120本、黒いカラコンどーんみたいなメイクの時代もあって(笑)」と、いろいろさらけ出しているのだとか。印象的な写真へは『BiSH』に入って3ヶ月ほど経ったときの撮られたものだそうで「当時、あまりカワイイといわれて育ってこなかった人生だったので、友達にカワイイって言われたのが初めてで。言ってくれる人いるんだ!って。そういう言葉を投げかけてくれる人がいるんだって肯定された気がして。あの日の撮影は結構自分にとったらすごく温かい撮影でした」と、胸に深く残るものだったそうだ。
来てほしい方へは、親族はもちろん「私も真穂のことも知らない人がふらっと来ていただけたらきっとどこか、心の情緒の奥らへんに引っかかるものがあると思うんです。だからふらっときてもらえればと思います」とのことだった。
続けて写真集の話題へ。「人生で初めての写真集を出させていただくことになって、10年来の友達の真穂に撮ってもらってそれがいっぱいのものです。自分が写真集を出すと思っていなかったんですけど、10年分の愛が詰まった、一言では語れないものになります」と出来を。
写真集のタイトルの『幻友』(げんゆう)としたのは興梠氏の一言、2023年初頭に話していたときに「初恋に似た親友だよね」とふと漏らしたことだったそうで「それで(2人の関係に)納得がいきまして、友達っていうのも、親友っていうのも表しづらい、語り着くせない関係だなって思っていたので。自分も真穂みたいにカテゴライズしないような言葉をつけたいなって思って。それで真穂のまねっこをしてみたいと思って、つけました」と、誕生秘話とともに「初恋っていのもふわっとしているし 親友っていうのもふわっとしているし、はっきりしない、輪郭のない。だけど大切な存在なんです。幻みたいだなって……語れないところが。それで、幻という文字を使いたくて。そこから真穂に相談したら幻友ってなりました」と、ストーリーを。そんなタイトルをつけただけに、「だれか幻友を思い浮かべて、写真集をみてもらいたなって思います」と話した。
ほかにも、アイナの肩書は?という問いかけもされたが、「カテゴライズが難しいですね」と考え込みつつ、「人が好きなんですよ、私。人が話した言葉とかをもらって曲を作るのが好きだし、きょうの取材みたく初めて会う人がいる状況で即興のパフォーマンスをすることも好きなんです。(主演映画の)『キリエのうた』も岩井俊二監督が好きだったからやれて。人と繋がり続ける方法、それが自分にとって表現することなので、全部好き。でも1人で何かを作るというのがあまりまだできないんです」と、いまの思いを話していた。
そして、アイナからあらためて、「アイナ・ジ・エンドになる前の写真もあって、それが素なんです。そこが魅力な場所だと思います。ただの女の子が女性になる過程を10年間撮ってくれたという空間です」と、気持ちを込めて話していた。
写真展『アイナ・ジ・エンド photo exhibition‐幻友‐』は3月29日から4月15日まで渋谷PARCO4階のPARCO MUSEUM TOKYOにて。
■『アイナ・ジ・エンド photo exhibition‐幻友‐』
時間:11:00-21:00
※入場は閉場の30分前まで
※最終日18時閉場
※4月11日(木)はお渡し会イベント開催の為、18時閉場となります
入場料:一般 1,000円(税込)/小学生以下無料
撮影・文:水華舞