俳優・中村倫也が4月16日に東京・新宿ピカデリーで映画『ミッシング』(監督:吉田恵輔/配給:ワーナー・ブラザース映画)完成披露試写会に俳優・石原さとみ、青木崇高、森優作、小野花梨、細川岳、吉田監督とともに登場した。
ある日突然、愛娘が失踪。懸命に待ち望みながらも、自分たちの力ではどうにもできない現実との間でもがき苦しみ、事件をめぐるマスコミと世間の声に翻弄される母親・沙織里(石原)とその家族を描いている。
グレーめのスーツにネクタイ、丸いメガネ姿で現れた中村。主演の石原が第一声から感極まって涙をこらえてのあいさつをして、しんみりした雰囲気で始まりそうになったのを見て取ってか、中村は「すごく清らかな空気感で、ふざけたい衝動に駆られておりますが、我慢しております」と、心境を。さらに、細川が無難なコメントで切り出したため「今泣いたら1番面白いよ」と、イジったりと、バランスを取る様子を見せ、会場を和やかにした。
石原との共演は約20年ぶりという中村。くしくも生年月日も血液型もまったく同じという2人だそうだが、久々の共演は「始まるまでは、嬉しいなって思っていたんですけど、現場にさとみちゃんががいたのを見たときに、ものすごく感慨深くて。そこで気づいたんです。ウソでもなんでもなく、石原さとみの背中を追いかけていたんだなって、俺、思ったんです。ふざけたことを言っていると思われかもしれないですけど、ふざけてると思われるようなことを言っているときは真面目なことを言っているんです(苦笑)。(石原は共演当時は)トップを走っていたんですよね。そこから共演もなくここまでかかって。僕が20年前くらいにさとみちゃんと一緒に出たドラマは、甲子園を目指しているものだったんですけど、崇くん(青木)もいて。だから、この並びを見たときに運命……ごめんなさい、(石原主演で現在放送中のドラマ)Destinyを感じました(笑)。だから僕ずっと嬉しいんですよ」と、感慨深げに話し続けた。
中村は娘が失踪した家族の取材を真摯に続ける地元テレビ局の記者・砂田役を演じている。キーマンにもなるそうだが、演じてみて、最近あまり深いこと考えてないですけど、台本を読んだ状態で多くの方が共感しやすい役だと思ったんです。会社組織の中でもがいて探しているという役なので、抱えているものが表に出ないようにやろうと思いました。それがいいいかなって思って」と、演技プランを話したり、記者役を演じたということで集まった報道陣を見回し「苦労してるんだよね。本当に僕らは大事にしないとなって。これからみなさんを砂田と呼びます(笑)。どういう落とし方なのかわかんないですけど」とマイペースに話して笑いを誘っていた。
続けて、中村の後輩の新米記者という小野へは、中村との共演の感想が振られる。しかし、小野はいきなり振られたためか言葉に詰まってしまい、中村は「なかったみたいです」とイジってフォローして時間をかせぎ小野から「本当に面白い方ですので、もうずっとお話させていただいて、楽しい時間過ごさせていただきました」と、薄めのコメントだったことから、「フラレたお見合いかっ!」と、ツッコんで、会話を盛り上げた。
さらに細川にも中村との思い出が振られたが、細川は「何回かカフェラテを何回かごちそうになりました」と話したものの、中村は「(つながりが)弱いなー、弱いよ」と、苦笑い。そんな関係性でも中村は細川のことをちゃんと見ていたようで、「(石原に向けた)感情的になる一言のシーンはめちゃくちゃ緊張してたよね。手先が震えているくらいの緊張で、おもしろい!と思って。みなさんも観て頂けたら絶対に分かると思います」とのことだった。
そんな細川の演じた役へ吉田監督が「デキるやつなのか、できないやつなのかどっちともつかないキャラクターというか。空気読めるような、読めないようなというのを岳くんから、プライベートでお会いしたときにその匂いを感じて。こりゃぴったりだって思って」と言い出し、細川は「できるかできないか分からないような感じの匂いですか……?」と戸惑うやりとりをしていたが中村は声をあげて笑いつつ「褒められてる、褒められてる、すごく褒められてる」と、フォローもしていた。
映画『ミッシング』は5月17日より公開予定!
※吉田監督の「吉」つちよしが正式表記
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ