アイドルグループ『櫻坂46』が5月9日と5月10日に千葉・幕張メッセ イベントホールで単独ライブ『8th Single BACKS LIVE!!』を開催。
8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』の“BACKSメンバー”による公演となる。
以下、公式レポート部分。
櫻坂46が『BACKS LIVE!!』を実施するのは、今年1月の『7th Single BACKS LIVE!!』以来、約4ヶ月ぶりのこと。3月末に『4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?-』本編が終了し、6月に東京ドームでの追加公演を控える中、センターの武元唯衣を中心に最新曲「油を注せ!」に参加する12名のメンバーがツアーの勢いそのままに、会場に集まった大勢のBuddies(櫻坂46ファン)を圧巻のパフォーマンスで魅了した。
また、今回の2公演はインターネット生配信も実施され、会場に足を運ぶことができなかったBuddiesもモニター越しにパフォーマンスを見守った。
向井純葉の18歳の誕生日当日と重なったことで、彼女を祝福するサプライズを交え終始多幸感に満ちた空気で包まれた初日公演に続いて、10日公演も初日に負けない、熱量の高いステージが展開された。
ライブは「Overture」に続いてステージに登場した武元のソロパフォーマンスからスタート。
情熱的で生命力溢れるダンスで早くも観客を魅力すると、そこにメンバーが加わって「条件反射で泣けて来る」に突入する。
センターの武元を中心に12人の息がぴったりと合った、一糸乱れぬダンスと力強い歌声は、オープニングにもかかわらず早くもクライマックスのような盛り上がりを作り上げる。
その熱量は引き続き武元がセンターに立つ「恋が絶滅する日」、大人びた表情を随所で見せる向井がセンターの「断絶」へと引き継がれ、オーディエンスの声援の大きさや演者との一体感の高さと相まって、早くもこのライブが過去最高のものになることを予感させた。
最初のMCでは、座長の武元が「最初からたくさん声を出していただいて、本当にありがとうございます。そのおかげで、私たちもフルパワーを出せています!」と挨拶。
続いて、遠藤理子、小田倉麗奈がこの日のライブにかける思いを口にしていく。
会場が和やかな空気に包まれたところで、ライブは石森璃花センターの「もしかしたら真実」で再開。
切なさや情熱的な部分を併せ持つ彼女の繊細な表現は、序盤のパフォーマンスと対照的で、改めてこのグループの表現力の幅広さを実感することに。
その流れを踏襲する形で披露された、上村莉菜センターの「ブルームーンキス」では彼女のキュートさを最良の形でフィーチャー。さらに、遠藤理子をセンターに迎えた「ソニア」では、彼女のまとう空気にも似た優しさや柔らかさが感じられる歌とダンスで、会場中を温かな空気で包み込んだ。
続くMCでは、3rdシングル『流れ弾』時の『BACKS LIVE!!』参加となる遠藤光莉が、
「色が固まった中に入っていくことで最初は不安もあったけど、いざ入ってみたらもとからいたかのようにみんな接してくれるし、三期生のみんなとも自然と話す機会も増えて。内容の濃いBACKS期間を過ごさせていただいたと思います」と喜びを表現。
一方で、幸阪茉里乃は「2曲目の途中でポニーテールのゴムが弾けてしまうハプニングがありまして。ライオンみたいな髪型で踊ってしまい恥ずかしかったです(笑)」と裏エピソードを明かす一幕もあった。
ライブ中盤では、アリーナ中央に伸びた花道でパフォーマンスする「確信的クロワッサン」、大沼晶保を中心にパワフルかつエモーショナルな歌を届ける「無念」、
サクラピンクのペンライトで埋め尽くされた客席を前に石森、遠藤理子、向井の3人がフレッシュさを交えて歌う「ずっと 春だったらなあ」と、緩急に富んだ流れを見せる。
また、「僕たちのLa vie en rose」ではセンターの小島凪紗が伸びやかで自信に満ちた歌声を響かせ、幸阪をセンターに据えた「Anthem time」では爆発力のあるパフォーマンスで会場の熱気を沸点まで高めてみせた。
その後のMCでは向井や小島が座長・武元に対する労いの言葉を口にする場面もあり、
最後は向井が「このメンバーみんなで助け合ったライブでもあるんですけど、会場ではBuddiesの皆さんにも助けられています」と客席に向けて感謝の言葉を送った。
そして、着替えを済ませたメンバーが次々にダンストラックで個性豊かなパフォーマンスを見せると、齋藤冬優花がセンターを務める「Cool」からライブ終盤戦に突入。
この曲の中盤では、齋藤が花道中央で豪快なソロダンスを披露し、会場を大いに沸かす。続く「隙間風よ」ではセンターの遠藤光莉が唯一無二の表現で観る者すべてを圧倒し、「Dead end」ではセンターの小田倉が玉座に座って登場し、女王のような風格で会場の空気を掌握。サビに入る前の彼女の叫びで客席の熱量はさらに高まり、ライブは真のクライマックスへと近づいていく。
さらに、会場がクラップで一体感を高める中、村山美羽が「Buddiesの本気、こんなもんですか?」と煽りながら「マンホールの蓋の上」へと傾れ込む。客席から一際大きなコールが湧き起こる中、センターに立つ村山はしなやかさと豪快さが混在するダンスでその盛り上がりをさらに加速させる。
本編最後の曲に入る前に、武元は「この曲と出会ったあの瞬間から今日まで、歌詞や振り付けや音、自分でも思い出せないほど数えきれない感情をこの曲は教えてくれました」と挨拶。
そして、「今日はその集大成として披露したい。皆さんの声で彩っていただけたら……私たちも全力でお届けします!」と告げると、「油を注せ!」で全身全霊のパフォーマンスを届け、最高潮を迎えたところでライブ本編を締め括った。
アンコールはラウドなビートに導かれ「魂のLiar」から開始。メンバーの力強い歌声とBuddiesのクラップが、再び会場の熱量を急上昇させていく。
続くMCでは大沼、齋藤が今回の『BACKS LIVE!!』とどれだけ真剣に向き合ったかが告げられる。
2人の言葉を受け、武元は「私の中で『BACKS LIVE!!』というのはそれぞれが自由に、自分がやりたいようにたくさん研究して、伸び伸びとやれる場所。メンバー12人が、自分がセンターに立つ楽曲に対して熱い思いで向き合ってきたからこそ、ステージの上でひとつになれた。そんな思いが少しでも皆さんに届いていたらうれしいですし、何より一番は今日来てくださった皆さんが今日のことを思い出して頑張ろうと思える瞬間を作ることが目標でした。もし本当にそうなっていたなら、このライブは成功じゃないかなと思います」と自身の思いを伝え、最後に「I’m in」で再び会場がひとつになったところで、『8th Single BACKS LIVE!!』は過去最高の盛り上がりを迎えて幕を下ろした。
本来ならここでライブは終了するはずだったが、アンコールを求める観客の「櫻坂46コール」は一向に収まることはなく、しばらくするとメンバーが再登場することに。
武元の「もう1曲やっちゃいます。油を注す準備はできてるか!」を合図に、最後の最後に「油を注せ!」再び披露して、それまでの盛り上がりをさらに更新する形で2時間以上におよぶライブは終了した。
結果としてシングル表題曲なしという挑戦的なセットリストで挑んだ今回の『8th Single BACKS LIVE!!』。
ライブに強いイメージのある櫻坂46だが、今回のライブでもその実力は遺憾なく実施された。
ここで見せつけた勢いをさらに高めながら、櫻坂46は6月15日、16日に『4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム』へと挑む。
常に“最高”を更新し続ける彼女たちの成長する姿を、一瞬たりとも見逃さないでほしい。
(文/西廣智一)
■2024.5.10(FRI) Sakurazaka46 8th Single BACKS LIVE!! at 幕張イベントホール
セットリスト
00. Overture
01. 条件反射で泣けて来る
02. 恋が絶滅する日
03. 断絶
04. もしかしたら真実
05. ブルームーンキス
06. ソニア
07. 確信的クロワッサン
08. 無念
09. ずっと 春だったらなあ
10. 僕たちの La vie en rose
11. Anthem time
12. Cool
13. 隙間風よ
14. Dead end
15. マンホールの蓋の上
16. 油を注せ!
<アンコール>
EN1. 魂のLiar
EC2. I’m in
<ダブルアンコール>
W-EN. 油を注せ!
セットリストプレイリスト-
https://sakurazaka46.lnk.to/20240510
カメラマンクレジット:上山陽介