2024年1月から1クールで放送された“ふてほど”の略称でも親しまれている人気ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS)。本作が『第61回ギャラクシー賞』の『マイベストTV賞グランプリ』に輝いたことが5月15日に発表となった。
『ギャラクシー賞』は、テレビ、ラジオの番組、関係者といった放送文化の発展と向上に貢献した番組や個人、団体等を称える賞として毎年放送批評懇談会が開催している賞となる。『マイベストTV賞』は視聴者の投票で優秀なTV番組を選び出すというもので、審査員は放送批評懇談会の正会員とオンライン会員『Gメンバー』が務めており、いわばファンの支持を獲得したものとなっている。
『不適切にもほどがある!』は、昭和と令和の両方の登場人物が、タイムスリップによって自らの時代の価値観を見つめ直していくさまを、自由さと寛容さのメッセージを込め、宮藤官九郎が娯楽色豊かに描いた作品。投票を通じて「現代のドラマから失われてしまった“自由な面白さ”がふんだんに盛り込まれていた」「笑いと涙のなかに、寛容な社会であってほしいというメッセージが込められていた」「全世代が思っていても言えなかったことを、地上波を使ってぶちまけてしまう脚本家・宮藤官九郎さんの力は絶大」などの視聴者の声が寄せられた。なお、『不適切にもほどがある!』は『第61回ギャラクシー賞』において今年4月にテレビ部門特別賞も受賞したことが発表されておりW受賞となっている。
以下、放送批評懇談会側の解説
マイベストTV賞に参加した「オンライン会員 Gメンバー」は、2024年4月23日現在で1046名。これに放送批評懇談会の正会員208名が加わり投票にあたった。 年間のグランプリは、2023年4月度から2024年3月度まで投票によって毎月決められたノミネート作36本と、2024年4月に実施した「ネット配信ドラマ」の特別投票の上位3本を合わせた計39本の中から、最大5本までを投票するという方法で決められた。
グランプリに選ばれたのは、TBSテレビの金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」。“令和を生きる私にとっては、昭和から来た小川先生の言葉がスカッとする”“クドカンさんの脚本が光り、若い世代も還暦を過ぎた世代も楽しめた”といったコメントが寄せられ、幅広い年代から支持を集めた。
第2位はTBS テレビの日曜劇場「VIVANT」。 “ハラハラドキドキ!スケールが大きくて理屈抜きで面白かった”“映画や外資系の配信作品ではなく、地上波で見られたことで、月曜日に学校や職場で感想を共有できる楽しさがあった”など、映画のようなスケールの大きさに高い評価が集まった。
第3位はテレビ朝日の土曜ナイトドラマ「月読くんの禁断お夜食」。“萩原利久さん・浅香航大さん兄弟の醸し出す雰囲気がどこか怪しげで美しかった”“月読くんが作るお夜食がどれも本当に美味しそう”など、俳優の演技と料理を称えるコメントが多く寄せられた。 今年度のグランプリ投票も、視聴者の熱い思いが詰まったテレビ番組が上位を占める結果となった。
一方で、「ネット配信ドラマ」もトップ10には及ばなかったが予想を上回る票を集めて、視聴形態の広がりを感じさせた。 来年度も同様の方式によって、年間のグランプリを決定する予定。
『第61回ギャラクシー賞』贈賞式は5月31日午後3時より開催予定で放送批評懇談会YouTube公式チャンネル(https://www.youtube.com/HOUKONchannel)で放送予定。
■最終投票結果
第1位 金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(TBSテレビ)474票
第2位 日曜劇場「VIVANT」(TBSテレビ)271票
第3位 土曜ナイトドラマ「月読くんの禁断お夜食」(テレビ朝日)257票
第4位 婚活1000本ノック(フジテレビ) 233票
第5位 木曜ドラマ「めぐる未来」(読売テレビ)208票
第6位 ドラマNEXT「みなと商事コインランドリー2」(テレビ東京)203票
第7位 ファミリーヒストリー「草刈正雄~初めて知る米兵の父 97歳伯母が語る真実とは~」(NHK) 159票
第8位 連続テレビ小説「ブギウギ」(NHK)153票
第9位 土ドラ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(東海テレビ)138票
第10位 金曜ナイトドラマ「おっさんずラブリターンズ」(テレビ朝日)134票