楠木ともり初大阪城音楽堂で単独公演!「私は本当にみんなに伝えたい、ありがとう」

楠木ともり初大阪城音楽堂で単独公演!「私は本当にみんなに伝えたい、ありがとう」10

 “ともりる”の愛称で親しまれている声優で歌手・楠木ともりが8月10日に大阪城音楽堂で単独公演『TOMORI KUSUNOKI SUMMER LIVE 2024 -ツキノミチカケ-』大阪公演を開催した。

 今回のLIVEは7月15日に自身初となった東京・日比谷公園大音楽堂に続いて、こちらも自身初の大阪城音楽堂にて単独公演となる。

 以下、公式レポート部分。

 東京・大阪の2会場で開催され、自身初の野外公演となった今回のサマーライブ。7月15日に日比谷公園大音楽堂で行われた東京公演は曇り空だったが、この日の大阪は快晴。絶好のライブ日和だ。

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 日が徐々に傾き、照り付ける日差しが和らいできた17時半過ぎ、幻想的なオープニングSEが会場の空気を一変させると、いよいよライブが開幕する。1曲目に歌ったのは「眺めの空」。彼女が初めて自分で作詞・作曲したシンガーソングライターとしての原点の楽曲にして、夏の情景を描いたナンバーということもあり、この日のオープナーとしてぴったりのセレクトだ。

 バンドの演奏にノリながら、ときに白いジャケット衣装の肩をはだけさせ、どこか気だるげに歌う姿が暑気に映えていた同曲に続いては、彼女のライブにおける定番曲「僕の見る世界、君の見る世界」を元気いっぱいに届けて、青空のもとみんなでタオルを回して野外の開放感を満喫する。のっけから熱量高く盛り上がるファンのことを気遣って、「今日は私が飲め!と言ったら飲んでください」としっかり水分補給するように約束した彼女は、ここから連続で4曲を披露。TOOBOE提供のアグレッシブなロックチューン「青天の霹靂」ではステージに寝転がりながらやさぐれたパフォーマンスを畳みかけると、UKガラージ調の「MAYBLUES」では体を揺らせながらクールなラップでも魅せ、客席がクラップで一体となった「もうひとくち」、優しくセンチメンタルなウィスパーボイスが夏の夕暮れ時というロケーションがこれ以上なくマッチした「タルヒ」と、多彩な楽曲を表現豊かに届けていく。夏特有の空気の匂いや風といった自然の演出も相まって、耳馴染みのある楽曲たちが新鮮な感触で心にスッと入り込んでくる。

 水分補給タイムとMCを挿み、「ここからぶっ通すけど、いい?」とアピールした楠木は、彼女の持ち曲の中でもとりわけアッパーな楽曲を連発で畳みかける。バンドのテクニカルかつ熱気溢れる演奏に共鳴するかのごとく、徐々に感情を高ぶらせて歌をぶつけた「Forced Shutdown」、Co shu Nie提供曲「BONE ASH」での熱狂的なパフォーマンスは言わずもがな、バンドによる静謐な前奏を経て歌われた「遣らずの雨」では、降り注ぐ雨をイメージした光の演出を背にしながら、身を震わせながら爆発力のある歌声を響き渡らせ、会場のボルテージを一気に引き上げる。

 そんな情熱的な3曲に続いては、ピアノの演奏のみをバックに「absence」を歌唱。別れの悲しみや思い出への憧憬が滲む、切々とした歌声が、蝉の声とハモりながら夏の空に寂しく浮かんでいく。そしてL’Arc~en~CielのTETSUYAが作曲・プロデュースを手がけた最新曲「シンゲツ」へ。客席から見たステージの上空には三日月がはっきりと浮かぶなか、楠木は月の満ち欠けをモチーフに自身が作詞した楽曲を高らかと歌い上げる。野外というロケーションだからこそ体感できる、月のもとでの特別な「シンゲツ」だった。

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 ここで楠木は、今回のライブタイトル「ツキノミチカケ」に込めた想いについて語る。“月の満ち欠け”は浮き沈みのある日々の生活にも通じるものを感じるという彼女。今回のライブはそういうものを感じられるセトリを考えたという。そして満ち欠けによって形を変えているように見える「月」も、本来は形を変えることなく空にあるもので、「太陽」の光によって輝く存在でいられること、それは誰かの力で輝くことのできる「人間」にもなぞらえることができるのではないかと語る。

 「自分があんまり好きではなかった」という彼女。だが、こうして野音でライブをやっている自分、自身を輝かせてくれるファンに歌を届ける自分のことは「めっちゃ好き」なのだと明かす。「私は本当にみんなに伝えたい、ありがとう」「みんなも“自分好きだな”と思って帰ってもらえると嬉しいです」と改めて感謝の気持ちを伝えると、ライブ本編最後の楽曲へ。「私はみんなと約束する楽曲をひとつ持っています」「みんな私のことを照らしてくれる?」「私もみんなのことを照らすから」と前置きして歌われたのは「back to back」。楠木ともりとファン、お互いに背中を預け合える関係を表現したこの楽曲を、みんなで声を上げて歌い、“大丈夫”というフレーズの大合唱が野外ステージにこだまする。最後は銀テープが発射され、会場の心がひとつになってフィナーレを迎えた。

 アンコールは、楠木が敬愛してやまないハルカトミユキから楽曲提供を受けた「それを僕は強さと呼びたい」でスタート。アカペラによる静かだけど力強い歌い出しに始まり、ひとりぼっちであろうが、不器用であろうが、自分らしくあることを静かに肯定してくれるメッセージを持ったこの楽曲を、彼女は真っ直ぐに届ける。ライブタイトルの「ツキノミチカケ」に込めた想いを踏まえて聴くと、その歌声と歌詞が一層深く沁みる。

 そして日の暮れかけた野外ステージに、メランコリックだけど温かな光を灯したのが「alive」。彼女が自身のライブで見た景色をイメージして書いた楽曲で、優しくささやかな歌声とギターの音色が、夕闇の空気に溶け込んでいく。楠木はその後のMCで、グッズ紹介をしながらファンとたっぷり交流し、さらに5th EP『吐露』を11月のリリースに向けて制作中であることを発表して、ファンを喜ばせる。彼女の25歳の誕生日当日となる12月22日にはバースデーライブ「TOMORI KUSUNOKI BIRTHDAY LIVE 2024」の開催も決定しており、夏が終わった後も楽しみな約束がいっぱいだ。

 最後は「やっぱりエモい曲じゃなくて、盛り上がる曲を作りたいよね!」と語った楠木は、この日のラストナンバー「ロマンロン」を披露。すっかり暗くなった野音に、彼女らしい気骨の溢れる変拍子満載の楽曲が、夜景をロマンチックに塗り替えていく。カラフルな照明によって派手に輝くステージと楠木の姿。背中を預けあえる同士たちとの夜のパレード。大合唱の声が夜空に響き渡り、ライブは大団円を迎えた。

 しかし、会場からは別れを惜しむファンからの拍手が鳴りやまず、それはやがてアンコールの声に変わっていく。その声に応えて、なんと楠木史上初めてのダブルアンコールが実現!「私がいま、一番動揺している(笑)」と嬉しそうに語りつつ、最後は東京公演の日替わりラストナンバーだった「熾火」を特別に披露。全身を使いながら心から楽しそうに歌う楠木に、オーディエンスもこの日最大の盛り上がりで応える。歌い終えて「ダブルアンコールって幸せだわ!」と喜びを伝える楠木。月が見守るなか、初の野外サマーライブは最高の思い出と共に締め括られた。

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 ■セットリスト
 【東京公演】
 日比谷公園大音楽堂 2024年7月15日(月祝) open 16:30 / start 17:30
 M1 眺めの空
 M2 僕の見る世界、君の見る世界
(short MC)
 M3 青天の霹靂
 M4 MAYBLUES
 M5 もうひとくち
 M6 タルヒ
 (MC)
 M7 Forced Shutdown
 M8 BONE ASH
 M9 遣らずの雨
 M10 absence
 M11 シンゲツ
 (MC)
 M12 back to back

 EN1 バニラ
 EN2 alive
 (MC)
 EN3 熾火

 【大阪公演】
 大阪城音楽堂 2024年8月10日(土) open 16:30 / start 17:30
 M1 眺めの空
 M2 僕の見る世界、君の見る世界
 (short MC)
 M3 青天の霹靂
 M4 MAYBLUES
 M5 もうひとくち
 M6 タルヒ
 (MC)
 M7 Forced Shutdown
 M8 BONE ASH
 M9 遣らずの雨
 M10 absence
 M11 シンゲツ
 (MC)
 M12 back to back

 EN1 それを僕は強さと呼びたい
 EN2 alive
 (MC)
 EN3 ロマンロン

 W-EN 熾火

 カメラマンクレジット:渡邉 一生

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