ロックバンド『LUNA SEA』のギター&バイオリン&コーラス担当のSUGIZO、ベース&コーラス担当のJが9月5日に東京・銀座のヤマハホールで『ライブの真空パック』アンバサダー就任発表会に登場。SUGIZOが音楽の未来について持論を述べる一幕があった。
ヤマハでは、ライブやコンサートの体験を無形の音楽・文化資産として保存することを目指し、2017年より『ライブの真空パック』をコンセプトに、音響、映像、照明や舞台演出などを忠実に再現する技術研究・開発を進めている。このたび『LUNA SEA』が『ライブの真空パック』の取り組みにおけるアンバサダー契約を2024年9月5日から2026年3月31日まで締結することとなった。
(アンバサダーについて詳報記事:LUNA SEAヤマハ『ライブの真空パック』とアンバサダー契約!「鹿鳴館」公演新技術再現)
SUGIZOは『LUNA SEA』というバンドへ「35年間ライブでうちらは叩き上げてきたので、ライブこそが存在証明であり、ステージこそが自分たちの居場所だと思っています。もちろん、楽曲を作ること、音楽を作り出すことすべてがミュージシャンの活動ですけど、とくに『LUNA SEA』はライブで始まっていて、産声を上げた場所です」と前置くと、「いつも思うことが、今回のこともそうですけど、技術がどんどん上がってきて、たとえば、ほとんどの演奏と音楽はAIにとって替わられてしまうものだと思います。でも僕らみたいな生のロックバンドのライブの魅力や強さというのは、どんなに時代が変わっても、おそらく永遠に必要とされるものだと思うんです。『LUNA SEA』としての産声を発した場所であり、最後に行き着く場所はやはりライブだと思っています」と、心境を。
続けて、今回の技術を使ってしたいことはないかと問われたSUGIZOは「ちゃんと僕ら『LUNA SEA』の演奏をしっかり楽しんでほしい。それと僕らの映像を作る必要があると思っているんです。それはバーチャルに僕らが演奏している体(てい)があって。これもヤマハさんの開発ですが、初音ミクをはじめボーカロイドのシンガーがスクリーンに投影されていますけど、そういう技術の先に行った僕らの生の演奏と僕らの残像というか。それが、アリーナクラスやドームクラスでライブをできたら、100年後にも『LUNA SEA』のドーム公演ができるんじゃないかってワクワクするんです」と、展望を口にすることも。
さらに、音楽をいましている理由へSUGIZOは、「音楽を魂をかけてやっている理由は、次の世代に伝えたいということなんです。(年齢的に)人生の中間地点を過ぎて、次の世界にバトンを渡したい。自分たちの子供、その下の世代に、新しい世代に……クサい言い方ですけど夢や希望や光を見出してほしい。そのために活動すべてが存在していると思います」といい、Jも「(自身も)若い時に教科書に載っている音楽だけでは満足できずに、音楽に出会ってから人生も全然変わっていると思うんです。若い子たちが音楽に触れるチャンスを作れれば、そんなに素晴らしいことはないだろうと。1人でも多くの若い子に届くようにと感じています」と、気持ちを伝えていた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ