俳優・海宝直人、木下晴香、木内健人、斎藤准一郎、常川藍里、畑中竜也、浦井健治が9月8日に東京・日出八尾シアタークリエでミュージカル『ファンレター』(演出:栗山民也)ゲネプロを開催しその仕上がりをメディア向けに披露した。
人気の韓国創作ミュージカル作品で、2016年に初演されて以降、たびたび再演され中国でも14都市で上演され話題を呼んでいる作品の日本初演。1930年代の京城(現在のソウル)を舞台に、ある孤独な文学青年・セフン(海宝)と“彼に寄り添う”ヒカル(木下)、セフンが憧れる小説家ヘジン(浦井)の物語が紡がれる。
尊敬している小説家・ヘジンへ「ヒカル」のペンネームで“ファンレター”を送りやりとりをしていたセフン。新聞社で手伝いを始めたセフンは、ヘジンと出会う。ヘジンは肺結核を患っており、ヒカルを女性だと思って夢中になり、ヒカルからの手紙を一日千秋の思いで待っており、セフンはその正体を明かすことができなかった。これまで通りに手紙を書き続け、ヒカルであろうと決心をしたセフン。ヒカルは想像の産物を超えて生きた人物となっていき……。
ステージは自身がヒカルであることを言い出せず苦悩する気弱なセフンの姿が。そんなセフンとはまるであわせ鏡の裏のように、ヒカルは生き生きとした才気あふれる文才でヘジンを虜にしていく。
照明演出もキャラクターの心情に寄り添うように照らされるものとなり、人生の分岐点のようにクロスしてセフンを照らしていた照明が、話が進むごとにセフンの苦悩を表すかのような十字架に形作られていく。いつしか、ヒカルの意識の方が肥大化し、セフンに光が当たらなくなったり、スポットライトの当たっている外側にいることで心情をあぶり出す様子も。
意匠面でも白い衣装で登場したヒカルが、次第に生命を得るように赤く染まった衣装に変わったり、ヒカルから目を背け距離を取ろうとすれば黒くなる衣装と、細やかな心情を表すかのような演出も散りばめられるものとなっていた。
ミュージカル『ファンレター』東京公演は9月9日から9月30日までシアタークリエにて、兵庫公演は10月4日から10月6日まで兵庫県立芸術文化センター阪急 中ホールにて上演予定!
※初稿にて誤表記をしている箇所がありました。お詫びして訂正いたします。