人気デュオ『KinKi Kids』堂本剛が9月18日に都内で主演映画『まる』（監督：荻上直子／配給：アスミック・エース）完成報告イベントを綾野剛、小林聡美、吉岡里帆、森崎ウィン、荻上監督とともに開催した。
堂本27年ぶりの映画主演作品で荻上直子監督オリジナル作品。美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田がふと見かけた○（まる）に、浸食され始めるという奇想天外な物語となっている。共演は本日の登壇者のほかにも戸塚純貴、おいでやす小田、濱田マリ、早乙女太一、片桐はいり、吉田鋼太郎、柄本明らが出演している。
以下、公式レポート部分。
主人公・沢田を演じた堂本は「自分の役者人生の中でも受け身な役は演じたことがなくて、その中でも一段階難しい受け身の役でした」と新境地を自覚しながら「共演者の皆さん、スタッフの皆さんのお力添えと大きな愛に包まれながら、リラックスして日に日に答えを出して、導いてもらいながら演じ切ることが出来ました」と製作陣&共演者に感謝した。
また16ミリフィルムでの撮影という貴重な経験に触れて「フィルム撮影という緊張感と役者の皆さんの独特な間など大切に撮っていたので、ワンシーン撮る前にみんなでミーティングしながら撮ることを自然とやっていました。それは自分自身が芝居を楽しんでいる証でもあって、監督の思いの詰まった作品であると同時に、色々な感情をいい意味で忘れながら役に没頭することが出来ました」と手応えも口にしていた。
当て書きで沢田というキャラクターをクリエイトした荻上監督は、堂本の印象について「想像以上に純粋な方だという事が現場で毎日伝わってきました。その純粋さが沢田という役を通して出ているはず」と実感。沢田の現代アーティストという設定については「堂本さんは音楽をやられているアーティストでもあるので、共通点があると思ったから」と狙いを述べていた。
沢田の隣人で売れない漫画家・横山を演じた綾野は堂本とは初共演だが、“剛さん”“綾ちゃん”と呼び合う仲になったという。“綾ちゃん”といういささかレアな呼び方の理由について堂本が「呼ばれていないであろう、そしてこれからも呼ばれないかもしれないと考えた結果、“綾ちゃん”と呼んでいます」と明かすと、綾野は「綾ちゃんってなかなか…。（笑）年配のスタッフさんに言われるくらい。でも凄く嬉しかった。温かくなりますよね」とすっかりお気に入り。
そんな“綾ちゃん”は、堂本との初共演を「ご褒美のような時間で、炬燵の中に入りながらぬくぬくずっと喋っているみたいな。実家感があった」と表し、思わず堂本のクランクアップの場に花束とケーキを持って駆け付けてしまったという。これに堂本は「綺麗な夕日の美しい景色を見た後で、遠くから“剛さん！”という声が聞こえてきて綾ちゃんが走って来て…。なんとも言えない感動的なシーンでした。なんかもう、このシーンを撮りたいなぐらいの綺麗な景色でした」と大感動。ちなみにケーキ持参の理由について綾野は「バレンタインデーだったので…」と照れながら裏話を披露。
野心的なギャラリーオーナー・若草萌子を演じた小林は、堂本について「沢田として現場にいらして、沢田さんの世界に入られていた。とても静かに優しい雰囲気をまとっていた」と証言。小林との久しぶりの再会となった堂本は「沢田としてフワフワする芝居を作っていたので、その沢田のお尻を叩く様に煽っていただけた。僕もその芝居の中で戸惑ったり焦ったりが自然に演じられたので、本当にありがとうございます」と嬉しそうだった。
沢田と同じアトリエで働く現代美術家のアシスタント・矢島役の吉岡は、現場での堂本の様子について「沢田さんそのもので、しかも堂本さんとお話しすると面白い。面白さが漂って来て笑う事じゃないのに笑ってしまう波が何度もあった。勝手に笑うのも失礼なので心の中でフフフと笑って家に持ち帰りました」と癒された様子。
一方、沢田のバイト先の同僚でミャンマー出身のコンビニ店員・モーを演じた森崎は「撮影現場になったコンビニにクレーンゲーム機が置いてあって、途中から剛さんが入り浸ってゲームをしていた」と目撃談を紹介し、「あれは取れたんですか？」と興味津々。すると堂本は「5、6、7と…日を追うごとに取って腕が上がっていきました。吸収する力は昔から早いので（笑）」と自画自賛で告白。さらに、偶然同じ種類の大きな人形を持っていたという子役の女児に、自身が取ったゴールドの人形をプレゼントしたそうで「自分が取ったゴールドの人形を渡したら、『これあげる』と大きいのとゴールドを交換するという…。感動的なシーンをあのクレーンゲームが生みました。今も大きい人形は持っています」とほっこり秘話披露した。
これに吉岡が「いい話～！」と感動すると、すかさず「でも可愛くない人形ですよ？見た目ブッサイクなやつ」と荻上監督の毒舌炸裂。まさかの反応に堂本が「まあ、確かに可愛くはないかもしれないけれど…」とショボンとすると、綾野は「可愛さって人それぞれですから」と堂本をフォローしていた。
キャスト陣のゆる～いトークが盛り上がり、あっと言う間に終了の時刻に。堂本は「現場もこんな感じでアットホームに進んでいたのが蘇ってきた。まさにこんな感じでした」と懐かしそうに振り返りながら「この映画に漂う空気はどういうものなのかと考えたり悩んだりしながら、台本を読み返して、演じての繰り返しでやってきました。この映画に漂う空気は優しくて、かつ強いものもあると思いました。作品に漂っている優しさと強さによって色々なものに気づかせてもらいましたし、考えさせてもらいました。世代を超えて沢山の人に映画館でこの作品と対話してもらいたいです。自分の心を『まる』に繋げて自分の人生やこれから、あるいは今の、色々な自分を考えて感じていただけたら幸いです」と力強くアピールしていた。
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