アート展『チームラボ 幽谷隠田跡』プレス内覧会が10月7日に茨城・北茨城市大津町の同所で開催された。
芸術的な表現を主体としたコンテンツ制作を手掛けるチームラボによる、『自然が自然のままアートになる』プロジェクト『Digitized Nature』の一環。
その舞台となった土地は、近代日本の美術運動家・岡倉天心が晩年に住んだ五浦(いづら)。そこには、海沿いには入ることが困難な山があったが、足を踏み入れると棚田の跡があり、その場所の夜の森をチームラボのアート空間として2024年9月30日より常設展として展開している。
日没からオープンしている本展示は真っ暗な山道を歩くアクティビティ。真っ暗とはいっても、足元にはライトが配置されているところが多く、照明器具などを持たなくても歩いて周ることができる。ただし段差などもあるので、慎重に歩くことがオススメ。道は舗装されているところが多く、ヒールなどではさすがに大変そうだが、街歩きのスニーカーでも歩ききることはできそうだ。
場内の場所は作品として展示。作品名『隠田跡』をはじめ、水鏡が張られた『隠田跡の水鏡の道』、高台から五浦の海を眺め波が生まれたときに色づく『海が立ち上がる時花が咲く-五浦の海』などおよそ10作品が展開。自然の中に生命が宿ったような幻想的な光、そして闇が広がっている。チームラボスタッフの方によると、視覚だけではなく、流れている音楽など感覚を刺激するように設計しているという。森の中なためイノシシなどは出るかスタッフに尋ねてみると、照明の設置中には遭遇することはなかったとのこと。それでも、1人設置の作業をしていると“見られている”のでは……という感覚に陥ることもあったそうだ。
場内の光はさまざまに変化するため、写真などを撮られる方にとっては、フォトジェニックな写真が撮影できそうな場所にもなっており、自分だけの“作品”を創造するような場所なのかもしれない。
さらに、こうしたアクティビティだけではなく、源泉かけ流し&グランピング施設『五浦 幽谷隠田跡温泉(いづら ゆうこくおんでんあとおんせん)』も併設され9月30日よりオープンしている。同所には2棟のコテージ、20張のテントが用意。さらに、温泉は夜には隠田跡にランプが浮かぶチームラボの作品と一体となる特徴がある。
また『チームラボ 幽谷隠田跡』から自動車では2、3分、徒歩では15分ほどの場所には岡倉天心がかまえた観光スポット『茨城県天心記念五浦美術館』や、さらにその先に『六角堂(茨城大学五浦美術文化研究所)』もあり、アクティビティだけではなく観光も楽しめそうだ。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ
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