正門良規 Aぇ! groupとともに「クレイジーなことは1回やってる」

トム・モリス氏からの賛辞に喜ぶ2人

　アイドルグループ『Aぇ! group』正門良規が10月8日にパルコ・プロデュース 2024『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド～虚空に触れて～』（演出：トム・モリス）取材会を俳優・古川琴音、田中亨、浅利陽介、トム・モリス氏とともに開いた。

　登山家ジョー・シンプソンが1988年にシウラ・グランデ山に登頂した際に、実際に起こった壮絶な遭難事故の回想録の小説『Touching the Void』の舞台作品。ジョーがいかに困難を乗り越えて生還を果たしたかを描いたこの本は、登山家たちの間だけでなく多くの人々の心に響きベストセラーとなり、15年後の2003年には映画化もされ(邦題『運命を分けたザイル』)、同年の英国アカデミー賞で最優秀英国作品賞を受賞している。

　主人公ジョー・シンプソン役を正門。ジョーの姉セーラ役を古川琴音。ジョーとともにシウラ・グランデに挑んだサイモン役を田中。ジョーとサイモンのテント番として2人の帰りを待つリチャード役を浅利が演じる。

　取材会前に記念撮影が行われたが、正門の呼びかけで5人で一斉にジャンプをしたりと、雰囲気よさげな様子が伝わってくるような瞬間が。さらに、トム氏が「この素晴らしいキャストと一緒に作れて幸せを感じています」というと、正門は嬉しそうに両手を挙げてガッツポーズすれば浅利はサムアップと、良い関係を築けている様子を見せた。

トム・モリス氏からの賛辞に喜ぶ2人

　正門は本日プレビュー公演初日を迎えるということで「ついに初日が来たかという感じでもうワクワク・ドキドキしています。きょうの夕方どうなってるかなってみんなで話しています。4人にしてはやることが多いのですが、感動とエネルギーが詰まっている作品になっていると思います。これから会場にいらしゃる方には、すごく期待をして会場に足を運んでほしいと思います」と、胸を張る出来のよう。

　田中は「鬼のように段取りが多くて（苦笑）。1つ1つが危険だし、舞台でこんなことして良いの！？ということが盛りだくさんな気がして、いまから反応が楽しみです」と、意欲的な作品になっていると話せば、浅利も「近年まれに見るくらい大変な仕事に携わったなって感じがしています」としみじみ。

　その大変な部分として、ロッククライミングシーンだそうだが、正門としては『Aぇ! group』の「ロケで1度三人四脚で六甲山を登ったことがあって、だからこの（劇中の）人たち並にクレイジーなことは1回やってるんです」と、過酷なロケにかけたコメントをしたかと思えば即興で浅利＆田中と三人四脚のように肩を組む様子も。「ただ、アイスピッケルを使ってという本格的なことはなかったですし、1から作品のことや山について教えて頂けました」と、本格的になっていることが違いといい、「監修の方がゲネプロを見て『良かったよ！』と言ってくださったので、そこは1つクリアできたかなと思っています」とのことだった。

　そんな苦労の結晶のような作品ながら、モリス氏は「この公演はエキサイティングさと危険というものを扱っています。ですが、笑える瞬間もありますよ。いらっしゃる方に申し上げたいのが、笑いたくなったら笑ってください」と呼びかけていた。

　作品のために体作りもしたという正門。カンパニーでも、舞台前などにはピラティスが行われているそうだが、正門自身としては、「ジムに行きました」という。すると浅利が正門の胸筋や肩のあたりが筋肉により厚くなったとジェスチャーし、正門もそのあたりが大きくなったとうなづいていた。

　正門から「無事この日を迎えられたので丁寧に安全第一で。観客もスタッフさんも僕達も楽しむということが大事だと思っていますので、1公演1公演丁寧に楽しんでいくのと積み重ねていくことを大事にしていきたいと思います。小説が原作だったり映像化されていて、ファンの多い作品だと思っています。でも僕は、舞台でやる意味というかみなさんに体感してもらって届く感動もあると思いますので、ぜひ舞台で生で感じて頂けたらと思っています」と、メッセージを寄せていた。

　パルコ・プロデュース 2024『Touching the Void タッチング・ザ・ヴォイド～虚空に触れて～』東京公演は10月8日から11月4日までPARCO劇場にて、京都公演は11月10日から11月17日まで京都劇場にて上演予定！

　取材・撮影：水華舞（C）エッジライン／ニュースラウンジ