歌舞伎俳優・中村獅童が10月30日に東京・ダンヒル銀座本店で展示会『DUNHILL MOTORITIES EXHIBITION』キックオフイベントに登場した。
英国を代表するラグジュアリーメンズハウスである『ダンヒル』(dunhill)。モートリティーズの歴史を語る本展が10月30日から11月12日までダンヒル銀座本店で開催する。その内容としては、スーツやバッグなど現在のダンヒルの主流となる製品の始まりが自動車関連用品であり、発想の源だったことが明かされるエキシビジョン。会場には100年以上前にダンヒルが製造した車“Tweenie”と自動車関連製品の歩みを語るアーカイブを展示する。中村は歌舞伎・俳優の世界で、歴史と伝統を継承し続けていることからゲストとなった。
会場でも歌舞伎のトークすることとなり、獅童は「古典といわれるもので使われる大道具ですが、近代はわれわれの身長が高くなっています。でも、道具は昔の寸法のままなんです。歌舞伎の道具とか衣装は、残っているものは昔のままなので、たまに頭を打ちそうになったりすることもあって」と、伝統の部分を。
自身のスタンスとしては、「12月に絵本が原作の『あらしのよるに』をやったり、初音ミクさんとコラボしたりして。初音ミクさんの歌舞伎はもともとニコニコ超会議の一環で、初音ミクさんのファンにも馴染んでほしいという気持ちでやっております」と、初音ミクとのコラボなどへの気持ちを話したり、「初音ミクさんもそうですけど、4大人から子供まで、歌舞伎上級者にも楽しんでもらえるようにと思って作っています。どんどん世代交代していくので、観に来て頂けるかということを考えております。自分の生き方としては伝統を守りつつ革新を追求する」と、信念を語っていた。
さらに、会場1階には、ダンヒルが製造した車“Tweenie”が展示しているが、これを鑑賞した獅童は「一生物というか本当に高級品なことが見ると分かりますよね」と見入ったそうだが、とくにバンパーの上についているエンブレムとしてデビルがついている部分が気に入ったという。このデビルは開発当時盗まれやすかったため、盗んだら戦うぞという意志を示すものだったそうだが、その由来を聞き獅童はより「あれ家の車にも欲しいですよ(笑)。シャレが効いているというか、粋なのかなって」と、“傾いた”ものとして惹かれていたようだった。
続けて、ダンヒルに来店して興味を持ったものは?という質問が。これに、革製品好きという獅童は、「レザーコートを狙っています。レザージャケットもよかったなぁ」としみじみ。そのレザーコートが100年経ってもカビていないというエピソードも司会から語られることに。
これを聞いた獅童は前日に出演した映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』のイベントで2018年以来、6年ぶりに着たというヴェノムスーツの話をはじめ、「スーツはカビが生えてしまっていて、ですから塗装しなおしてもらって」という苦労があったという裏話が。そこで、「ヴェノムスーツもダンヒルさんに保管して頂けないですかね」と話して笑いを誘っていた。そこからハロウィンも近いということで、仮装などはする?との問いかけもあったが「いつも歌舞伎座でしています」ともっともな返答で会場を沸かせたり、ヴェノムスーツのようなイベントに呼ばれての仮装も「いつもしてますから。なんならあの格好で散歩にも行ってますから」とも明かしていた。
ほかにも、“Tweenie”で行ってみたい場所は?と問われて、「聞くってことは貸してくださるんですか?」と見事な切り返しをしたかと思えば「貸してくれない物に対してコメントを求められてもやる気が出ない(笑)」と、もっともらしい理由も繰り出し記者たちを唸らせていた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ