2025年2月より建て替えのために休館する帝国劇場。そんな帝国劇場にまつわる公式書籍『帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING』が2025年1月15日より発売されることが11月4日に発表となった。
1966年開場以来、演劇、ミュージカル、歌舞伎と、350を越える演目(再演を除く)を上演してきた現・帝国劇場。舞台の場面を瞬時に変化させる、地下6階からの舞台機構、大きな舞台袖、どのような脚本でも舞台化してきた劇場で、俳優・スタッフがいかなる挑戦をしてきたのかをつづり、やがて開場する新たな帝劇の未来に光を当てるというもの。
その内容としては191人の俳優・クリエイター(菊田一夫ら、東宝に所属していたクリエイターも当書籍にて紹介しているが、東宝関係メンバーは191人から除外)と、帝劇の内外観の美しい写真と俳優・クリエイターの証言で織り成す356ページの記録となっている。書籍の裏表紙は、帝劇の楽屋口にある、着到板(劇場入りしたときに自分の名前の札を赤文字の裏から黒文字の表に返す)に191人の名札を掲げたデザインになっていることも特徴。
本書籍内では1992年に『ミス・サイゴン』で初舞台を演じ、足掛け30年にわたりエンジニア役を演じた市村正親、2000年、『SHOCK』に21歳で史上最年少座長として主演し、帝劇で演劇単独主演記録1位を達成した堂本光一、2000年に『エリザベート』日本初演でルドルフ役を演じ、その後数々の帝劇初演作で主役を演じてきた井上芳雄が帝劇の屋上に集まり、初の座談会を行っている。なお、市村は、別ページで、『ミス・サイゴン』初演の本田美奈子さんとの思い出も話していたり、堂本は別ページで、ロンドンを訪ね、ロンドン・コロシアムで上演していた舞台『千と千尋の神隠し』について、演出のジョン・ケアード氏、上白石萌音との対話や森光子との思い出も。
1969年に日本初演されたミュージカル『ラ・マンチャの男』。同舞台に立ち続けた松本白鸚の魅力や、2023年よこすか芸術劇場でのファイナル公演についても、共演者の松たか子、駒田一が証言を寄せている。
21世紀に生まれた帝劇ラインナップの代表的2作品となる『エリザベート』『モーツァルト!』。2000年に初演した『エリザベート』からは主役を演じた歴代キャストの一路真輝、涼風真世、朝海ひかる、瀬奈じゅん、春野寿美礼、花總まり、蘭乃はな、愛希れいか、『モーツァルト!』からは主役ヴォルフガング役を演じた井上芳雄、中川晃教、山崎育三郎、古川雄大、京本大我が、帝劇にはじめて一同にそろい、同じ役を演じた思い出を語っている。『エリザベート』では各場面の解釈の違い、演じ方の変化を考察したり、『モーツァルト!』はそれぞれ初めて演じたときの失敗談や W キャストの心が通い合った作品ならではのエピソードも披露されている。
20年目となるミュージカル『DREAM BOYS』最旬のアーティストが演じ継ぎ、鳳蘭と紫吹淳との競演、心の通い合いが見どころの公演。現・帝劇最後の主演を担った渡辺翔太と森本慎太郎がジュニアでバックで出演していた時からの鳳と紫吹との楽屋裏でのエピソードや2人に教えを乞う様子も。
ほかにも1987年に日本初演された『レ・ミゼラブル』。ブロードウェイ・ミュージカル『マイ・フェア・レディ』。バズ・ラーマン監督と松任谷由実が初対面から話した『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』。黒柳徹子による1960年代のミュージカル草創期。ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』。森繁久彌さんから1994年にテヴィエ役を引き継いだ西田敏行さんが今年7月下旬にインタビューを受けた『屋根の上のヴァイオリン弾き』。同世代の俳優によるトークなど盛りだくさんとなっている。
『帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING』はA4変形サイズ356ページ予定オールカラーで2025年1月15日より5990円(税込)で全国書店で発売予定(AMAZON公式サイトでの販売のみ、限定で「帝劇内外観オリジナルクリアファイル」を特典としてプレゼント)。
また、帝国劇場窓口では先行販売され、2024年12月20日に販売を予定しているとのこと。帝劇窓口での先行販売には、帝劇公式書籍に登場する191名の俳優・スタッフの名札を掲げた「着到板オリジナルクリアファイル」を特典として10000部限定でプレゼントも予定しているとしている。