俳優ポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、コニー・ニールセン、フレッド・ヘッキンジャーが11月4日に東京・TOHOシネマズ日比谷で映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(監督:リドリー・スコット/配給:東和ピクチャーズ)来日スペシャルトークイベントを開催。来日プレゼンターに俳優・橋本愛が駆けつけ華を添えた。
帝政ローマ時代の剣闘士の姿を描き2000年に公開され人気を博した『グラディエーター』。本作は“その後”を描いた作品となる。
会場には約20倍という高倍率を勝ち抜いたファン100人が集結するなか4人が客席を縫って登場し、場内は沸き返ることとなった。
ポールは脚本を最初に読んだとき「ヒーローと言うよりアンチヒーローと感じて。それと同時にリベンジの物語というものがあったと思いますが、ヒロイックな行動に変化していき、家系やレガシィを次ぐということになるという役柄は、役者冥利に尽きました」と、演じ甲斐があった作品という。
デンゼルは、11年ぶりの来日。司会のジョン・カビラから待ちわびていたことが伝えられ、「僕もだよ」と笑みを浮かべるなか、作品の魅力へ、「素晴らしい脚本、素晴らしい監督と組めるというところかな」と軽妙に話す。
前作から出演しているコニーへは変化した部分を質問。「セットの大きさは感じないんですが、政治の汚職や腐敗、20年後のローマ帝国のすべて、その常識を覆して利己的な少数のエリートの人達だけが私欲を満たしている変化をさりげなく映像で示しているんです。いまのテクノロジーの進化で、リドリー・スコット監督がずっと描きたいと思っていたローマ帝国を今のテクノロジーを使って描くことができたと思います」と、映像面の話を。
フレッドからは自身が演じた共同皇帝のカラカラ役の衣装面のことに触れ、「何もかもがギンギラで、派手で底なしの欲や腐敗をローマの街が崩壊していったといことを表現するこのにピッタリな衣装だなと思いました」と、きらびやかさに潜む意味を。
イベント中には撮影厳禁のど迫力な戦闘シーンも上映。凄まじい人と人とのぶつかり合いが描かれていたが、ポールはそのシーンの撮影へ、「撮影中3、4週間ボロボロになった時期があって今のようなシーンの撮影のところで、次から次へとバトルシーンを撮影していました。バトルという意味でもかなりレベルアップしているなと感じました」と、前作からの変化している部分を。
デンゼルには、前作のラッセル・クロウ演じる主人公マキシマス・デシムス・メリディアスと比べて、「楽だったよ(笑)」とポールの肩をぽんぽんと叩きつつ、「僕は客席の方からバトルを観ている立場だったし。巨匠がリードする映画ですから、全幅の信頼を寄せて身を委ねることができました」と、身を委ねていたそうだ。
イベント終盤には、プレゼンターとして橋本愛が登場し1人1人に花束を手渡していく。その喜びからか声はどこか震えており、「心から敬愛する方々に立ち会えて心から光栄に思います。みなさんが日本に来て頂いて、みなさまのお話を聞かせて頂けて嬉しく思います」と、笑みを浮かべると、東京の印象を質問。デンゼルは外出する機会がなかったと苦笑いすれば、ポールとフレッドはゴールデン街のカラオケ店に遊びに出かけたり、コニーは明治神宮周辺を歩いたりとそれぞれエンジョイしている様子を窺わせていた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ