俳優・寺尾聰が2025年5月23日より上映予定の映画『父と僕の終わらない歌』(監督:小泉徳宏/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)を主演することが発表。共演には俳優・松坂桃李をはじめ、松坂慶子、佐藤栞里、副島淳、『森三中』大島美幸、三宅裕司、石倉三郎、齋藤飛鳥、佐藤浩市が出演やポスタービジュアル、特報映像も公開となった。
本作は2016年のイギリスでYouTubeに投稿された世界中を感動させた1本の動画がもとになった作品。ドライブの車中で楽しそうに歌う父と息子。助手席に座り、抜群の歌唱力で伸びやかに歌い上げる父テッド・マクダーモットは、アルツハイマー型認知症を患っている。この動画は同じ境遇にある世界中の家族に感動と希望を与え、再生回数は6000万回以上を記録。さらにこれがきっかけとなり、父テッドは80歳にしてCDデビューを果たし、イギリス最高齢の新人歌手となった。
そんな動画を『タイヨウのうた』『ちはやふる』シリーズなどを手掛けた小泉監督により映画化。日本を舞台に、横須賀に生きる父と息子に置き換え、それぞれの愛と葛藤、家族や友人たちに支えられながら、アルツハイマーの父が若き日に諦めたレコードデビューの夢を、再び叶えようとするまでの感動の物語を描く。
主演音寺尾は、音楽とユーモアをこよなく愛し、生まれ育った横須賀で楽器店を営む父・間宮哲太役。父を支え続ける息子の間宮雄太役を松坂桃李。チャーミングで茶目っ気のある哲太の妻で、雄太の母・間宮律子役には松坂慶子。ほか共演者たちは間宮家を取り巻く横須賀の人々を演じるという。
公開されたポスタービジュアルは、横須賀の海辺を背景に、「父」と「息子」が満面の笑みで寄り添うもの。“記憶をなくしても、愛は残るー”という、ビジュアルの持つ温かさと優しさとコピーにあふれたものとなる。
特報映像では、「大好きな歌を歌う時だけ、いつもの父さんが戻ってくるー」という言葉とともに、カーステレオから流れる音楽に合わせ楽しそうに歌う父。その様子を撮影し、SNSで世界中に拡散されていく模様が映し出される。横須賀の愉快な仲間たちとともに、幸せな家族の様子が描かれるが……。「スマイル、サン。ジャストスマイル。」という父の言葉の持つ意味とは……。なお、本特報映像は2025年1月10日から全国劇場で上映も予定している。
今回の発表にあわせ、寺尾、松坂、小泉監督からコメントが寄せられた。
●間宮哲太(まみや てった)役……寺尾聰
この作品は、俳優と歌手人生が初めて交わる、自分にとってメモリアルな作品です。正直、最初はこの作品を受けるべきか悩みましたが、息子役が桃李と聞いて、桃李とならやってみたいと、だんだんと心が動いていきました。
どの作品にも充実感はあるのですが、この作品だけはちょっと違う充実感で、この歳で、こんなにも情熱を注げられるものに出会えたことに感謝しています。
●間宮雄太(まみや ゆうた)役……松坂桃李
横須賀が舞台の本作。横須賀の独特な、他にはない街並みの空気を味わいながら撮影できたことが印象的でした。
今回、寺尾さんの息子を演じられたことは、僕の中では本当に誇りです。もし他の人がやっていたら、きっと悔しかったと思います。寺尾さんはいつも優しく包み込んでくれて、一緒にお芝居すると瞳に吸い込まれそうになる、そんな素敵な方です。
この映画は、皆さん自身の家族の物語です。この映画によって希望を感じてもらえる瞬間がありますように。
●監督: 小泉徳宏
「寺尾聰史上、最高傑作を目指します」と本人を前にして豪語したところからのスタートでした。
数々の名作を思い返して、我ながら言い過ぎたとちょっと後悔しましたが、そういう気持ちで作ったことに嘘はありません。果たして私の妄言通りになっているかはともかく、寺尾聰さん、松坂桃李さんを初めとした素晴らしい俳優陣とスタッフの大きな力をお借りして、楽しく、優しく、そしてどこか切ない素敵な作品が出来上がったと思います。
皆さんにとってこの映画が『忘れられない』一本になることを願っています。
■ストーリー
かつてレコードデビューを夢見たものの、息子・雄太のためにその夢を諦めた父・哲太。
横須賀で楽器店を営みながら、時折地元のステージで歌声を披露しては喝采を浴びてきたユーモアたっぷりで人気者の哲太は、ある日、アルツハイマー型認知症と診断されてしまう。
全てを忘れゆく父を繋ぎ止めたのは、彼を信じ支え続けた息子、強く優しい母、強い絆で結ばれた仲間、そして父が愛した音楽だった――。
大好きな歌を歌う時だけ、いつもの父さんが戻ってくる。父さんの夢は僕ら家族の、皆の夢となって再び動き出す――。
■特報映像YouTube
https://youtu.be/i5jsrZsGMu0
※記事内画像は(c)2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会