プロフィギュアスケーター・荒川静香氏が1月22日に東京・霞が関の復興庁内で『2025年大阪・関西万博 復興庁万博企画 キックオフイベント』に登場した。
2025年大阪・関西万博では、世界中の国々の人々が半年間にわたり集い、いのち輝く未来社会を世界と共に創造することを目的として『テーマウィーク』を実施する。復興庁では、『未来のコミュニティとモビリティウィーク』において、被災地発の未来社会に向けた「震災伝承・災害対応」、「食・水産」、「最新技術」や「福島国際研究教育機構(F-REI)」など、大きく4つをテーマとする『復興のストーリー』を展示することとなった。荒川氏は2025年大阪・関西万博 復興PRアンバサダーに就任したことから、伊藤忠彦復興大臣とともに出席となった。
荒川氏は今回の就任にあたり「この度、東日本大震災から、復興の歩みを世界に伝えるということで復興庁2025年大阪・関西万博 復興PRアンバサダーに就任させて頂くこととなりました。私自身は高校卒業まで宮城県で過ごしきました。復興PRアンバサダーとして携われること、震災からの今までの軌跡をお伝えするお手伝いを微力ながらにと思っております。大阪・関西万博の大屋根リングでは福島県の木材が使用されていると伺いました。福島県の復興に向けた取り組みや、新しく技術を進化させて来た歩みを、未来に向けた再生、そして復活・復興の証となるものをということで、学びを未来につなげる取り組みを、私自身も力強くPRをしていきたいと思います。よろしくお願いします」と、抱負を語った。
これまで荒川氏は「震災直後には現地に足を運んで私が育った宮城県をはじめ、直後は支援物資を届けたり、慰問をしたりとかそうした形でたくさんの方々とお話をしました。被災された地域の農家さんのお話をして、どういった支援が助けになったとかなどを聞いて、現状をほかの方にお届けするというお仕事をさえて頂いたこともあります。その活動を通じて大切だなと思ったのは、たくさんの方が感じてきたことを、遠くにまでということです。支援の気持ちを持ち続けることで、新しい技術が生まれたりすることもあります」と、自身が感じたことを話すとともに、「離れていてもできることをという取り組みをを私としても、それが少しでも応援につながるといいなと思っています。それを復興庁さんととともにできればいいなと思っております」と、関係者へも向けるようなコメントを寄せた。
自身が大切にしている言葉へ荒川氏はフリップに『常に「今」最善を尽くしていく先に 未来へとつながる道 共に!』としたため、その真意として「みんなの力をあわせて進んできたことが復興につながっているという部分だと思いますし、今を1日1日大切にした先に、より良い未来につながっていくことというのを私自身の人生を振り返ってみても感じていることです。そんな思いを込めてメッセージにしてみました。一歩一歩前を向く大切さをお伝えできればと思います」と話していた。
記者からはこれからの復興に必要なものは?と質問があり「復興にはさまざまな形があると思います。復興の形ってさまざまで、壊れたものがもとに戻ったり、新しいものが生み出されたり。心の部分でも復興の必要があると感じてきました。当事者の方にお話を伺うことによって知り、それをどういった形で遠くの方までお伝えし、未来につなげていったらいいのか考える、想像を巡らせることが大切だなと感じてきました。そういったことを伝えていく、記憶としても歩みとしても、今後の課題といった部分でも必要だと思います。そうした部分をみんなで考えてケアしていくことを形にと思っています」と、コメントをしていた。
今後、2月8日に福島県双葉町『東日本大震災・原子力災害伝承館』、2月9日に宮城県石巻市の『みやぎ東日本大震災津波伝承館』、2月11日に岩手県陸前高田市の『高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・祈念施設』にて『2025年大阪・関西万博 復興庁展示 100日前イベント』の開催を予定。こちらは震災伝承・災害対応(防災・減災の工夫、災害対策)や食・水産(なりわい再生・発展)、最新技術(被災地発ならではの開発経緯や福島国際教育機構(F-REI)の展示やトークセッションなどを実行していく。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ