俳優・生田斗真(33)、瑛太(35)が14日、東京・明治大学構内で映画『友罪』(監督:瀬々敬久/配給:ギャガ)ディスカッションイベントに瀬々監督とともにサプライズ登場した。
作家・薬丸岳氏が2013年に発表した同名のベストセラー小説が原作。ジャーナリストの夢破れた益田(生田)が住み込みで工場で働き始め、その同僚・鈴木(瑛太)と仲良くなる。しかし鈴木は13年前に起こった残虐な少年犯罪の犯人に酷似しており、それを知った益田は調べていくうちに自身が犯した罪にも向かい合っていく……。凶悪少年犯罪の「その後」を描いたサスペンス作品だ。
今回は、明治大学文学部文学科文芸メディア専攻の伊藤氏貴准教授の特別授業へ参加するという形で開催。普段は「少年犯罪」を学ぶ学生たちが集まるなか、生田は「なかなかしてこなかった経験で、不慣れなところもありますがよろしくお願いします」と、少し緊張気味だったが、瑛太は生田と青い上着がかぶっていることへ、「斗真と衣装がかぶってますがこれは意味がないです」と、軽口をたたき場内の空気を和ませた。
本作のモチーフは1997年に起こった神戸連続児童殺傷事件というだけに、生田は「決定する前から読ませて頂いていて、残すべき題材だなと思っていたので、こうして映画化すると聞いてお話を頂いたときには『ついにやるのか』という気持ちと、立ち上げてこれを世に送り出そうとするスタッフさんたちの覚悟を感じながらでした」と、自身も肚を据えたという。
瑛太もそれを聞きうなずきながら、「神戸の事件が起きたときにすごくショックを受けましたし、少年Aを扱った事件を作る上で何を語るのかなとか、少年Aの手記を読むと感じるものがあるというのもありました。手記を読み進めていくうちに、全否定することができない部分が出てきて、自分お中に想像ができない衝動が起きて、台本の中の鈴木というキャラクターに対して、自分の思いを乗せていった感じです」と、役がつくられていくまでの思いを語った。
もし、隣の友人が実は犯罪者だったということが分かったらという難しい質問もあり、生田は「2人の友情が芽生えてれば続けていきたいという気持ちもあると思うし、難しいとも思います。自分の力で、彼のその後の未来が変わってくれるんじゃないかという期待は持ち続けていくんだと思います」と、率直な気持ちを吐露すると、瑛太は、「どのような距離で付き合うかわからないけど、それまでの仲よりは警戒心も生まれるし、もし自分の家には子供がいて、元少年Aがのような人を家に入れるということができなくなると思う。少しずつ距離を置いて友達をやめるかもしれません」と、迷いを見せながら語っていた。
生徒たちからは、実際に誰かを傷つけて後悔したことはないかという際どい問いかけもあり、生田は「今振り返ると、自分が幼い頃に幼稚園生とか小学校の時代、クラスの中にいじめとまではいかないけれど、みんなの輪に入れない友達もいたんです。きっと今振り返ると、その子に、一緒においでよ、遊ぼうよと手を差し伸べることをしてきたのかと思います。故意的に傷つけたという思い出はないけど、知らず知らずのうちに傷つけてしまっっていたということはあると思います」といい、瑛太は「僕はサッカーやっていたんですけど、僕よりもサッカーがうまくて、その彼が小学校か中学校のころに白髪が入っていたんです。『頭に石灰ついてるよ』っていう、嫌がらせをやっていたら、1週間後くらいから白髪が生えだしてバチが当たりました(苦笑)。いまでも、白髪は染めています」と、“因果応報”といった状況にもなったそうだ。
さらに、就活中の生徒からは、なぜいまの職業を選んだのかという問いかけもあり、生田は「小学5年生のときでした。母親がSMAPが大好きで履歴書を送って。芸能とかお芝居に興味がなかったんですけど、部活の延長のような感じで、毎日楽しいなという思いで続けていました。それで高校生ぐらいのときに、大学に行くのか、別の会社に就職するのか、このまま続けるのかと、自分のなかで模索していたところ演劇に出会いまして、周りの演劇人の大人が楽しそうに作品を作っていて、演劇の場所でお芝居の場所で生きていこうと決意しました。この仕事をどう思っているというのはすごく難しいですけど、お客様あっての僕たちのお仕事ですので、誰かの笑顔や、心を揺さぶることができたり、人生のターニングポイントを作ることができるという使命感を持って活動しています」と、胸の内を披露することもあった。
イベント後半にはキャスト陣から生徒たちへ質問するコーナーもあり、瑛太から「生田斗真と瑛太どっちが好きですか?」と、究極の質問が。微妙に瑛太の方が多く手が挙がった感じだったが、ではと瑛太が「好きなところを言ってもらえれば」と、尋ねると「瑛太さんの方がエロいと思うので」(男子学生)、「メンヘラっぽいところが好きです」(女子学生)と、少々ぶっ飛んだ答えが多く、生田へは以前から作品を追いかけているファンや「顔が格好いいなって」というファンなどがおり、トークが盛り上がっていた。
映画『友罪』は25日より全国ロードショー!