ボーカル・ギター担当の大森元貴、ギター担当の若井滉斗、キーボード担当の藤澤涼架によるバンド『Mrs. GREEN APPLE』が3月10日に東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された『第48回 日本アカデミー賞』に特別賞『主題歌賞』の受賞者となったことから登壇。レッドカーペットを闊歩した。
『日本アカデミー賞』は「日本映画人による日本映画人のための日本映画の祭典」として、俳優・スタッフを顕彰する賞。賞発足当初から「音楽部門」も設立され、劇伴作曲者を対象に顕彰してきたが、このたび、作品の世界観を表現する重要な存在であり、映画と観客の架け橋になっている主題歌も顕彰することを目的に『主題歌賞』を新設した。
対象作品は映画『ディア・ファミリー』(監督:月川翔)主題歌『Dear』となっている。その受賞理由へ、「家族の絆を描いた実話をもとに映画化された『ディア・ファミリー』の主題歌。作詞・作曲を担当した大森元貴が、事前に作品の資料や映像を見て得たエネルギーや生きる活力を込めて書き下ろした。壮大でエモーショナルな楽曲はエンディングにさわやかな余韻を残し見る者の感動をより深めた。『Mrs. GREEN APPLE』は 2024年映画主題歌としてほかに、『サイレントラブ』の『ナハトムジーク』、映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』の『ビターバカンス』も担当。どの作品においても映画に寄り添った楽曲で映画と主題歌の融合で観客を魅了し、話題を集めた」と、説明がされている。
そのオープニングのレッドカーペットに『Mrs. GREEN APPLE』が登場。フォーマルなスーツであわせた3人だが、首元のタイは蝶ネクタイだったり、ノーネクタイだったり、ストレートなネクタイだったりと、それぞれ個性が窺えるものとなっていた。
そして『主題歌賞』贈賞のコーナーへ入ると、ステージにライブセットが立てられることに。歌唱前に大森から「大変光栄に思っております。こうして大きい賞をいただけることが身の引き締まる思いです。主題歌は映画との架け橋と思っています。たくさんの方々の協力のものと、丹精をが込められてきたものへ、映画を決して邪魔をしてはいけない最大のラブレターを送る気持ちで作らせて頂いています。『ディア・ファミリー』は実話を元にした作品です。わたしたちもとてもこの作品は大好きな作品で、今後の自信となる賞を頂けました。自分たちが素晴らしいと感じる作品を胸に精進していきます」と、メッセージを寄せた。
スピーチ後には、『Dear』を生演奏。会場の隅から隅まで届く音圧と、圧倒的な歌唱力で一気に会場を『Mrs. GREEN APPLE』色に染め上げ、その曲の最後の歌詞『貴方へ』の部分では大森がカメラに向かって指さしで締めくくる。演奏を終えると、3人で深々とお辞儀をしてからステージを降り、そのままレッドカーペットを歩いて降壇となった。
文:水華舞
※記事内写真は(c)日本アカデミー賞協会