俳優・横浜流星が3月14日に東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された『第48回 日本アカデミー賞』授賞式にて映画『正体』(監督:藤井道人/配給:松竹)で最優秀主演男優賞に輝いたことが発表となった。
『日本アカデミー賞』は「日本映画人による日本映画人のための日本映画の祭典」として、俳優・スタッフを顕彰する賞となっている。映画『正体』は小説家・染井為人氏の同名作が原作のサスペンスエンタテイメント。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され死刑判決を受けた主人公・鏑木(横浜)が脱走し、変装と潜伏を繰り返しながら日本中を駆け巡り343日間におよぶ逃走劇を繰り広げるというもの。
ステージに綾野剛、『新しい地図』草なぎ剛、山口馬木也、山﨑賢人とともに登壇した横浜。最優秀主演男優賞授賞が告げられた瞬間、隣りにいた藤井監督と熱い包容。そしてステージにあがると、役所広司と固い握手を交わした。以下、スピーチ全文。
■横浜流星
あらためまして横浜流星です。本当にありがとうございます。
そうですね……藤井道人監督とは出会って10年になります。(プレゼンターの)役所広司さんも言ってくださいましたけれども、5年前に自分は新人賞を受賞し、藤井さんは『新聞記者』で最優秀作品賞を獲りました。その時、自分は心の底から喜び、一緒にこの場に立ちたいと思いました。
それから助演、今回主演男優賞に、藤井組でこの場に居れていることに大きな意味があります。自分の中で。
この受賞は本当に『正体』の仲間たち、この作品を愛してくださったみなさま、そして自分に投票してくださった方々のおかげだと思います。それは心から感謝しています。
自分は本当に芝居はうまくないですし、人間としても遊びがなく頑固でつまらない人間です。それを誰よりもわかっているから毎日芝居のことを考え、作品命で。大げさかもしれませんけど、本気で身命を賭す覚悟で向き合ってます。
その向き合いが少し認めて頂けたような気がして励みになりました。
若輩者ですが映画業界の発展のために尽力してまいります。本日はありがとうございました。正しくおめでとうございます。
以上
そして、席に戻った横浜は藤井監督とあらためて手を握って喜びを分かち合っていた。
文:水華舞
※記事内写真は(c)日本アカデミー賞協会