俳優・山田孝之が3月14日に東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された『第48回 日本アカデミー賞』授賞式にて映画『正体』で優秀助演男優賞に輝いたことから登壇した。
『日本アカデミー賞』は「日本映画人による日本映画人のための日本映画の祭典」として、俳優・スタッフを顕彰する賞となっている。出演作『正体』で優秀助演男優賞を受賞したことから、内野聖陽、大沢たかお、岡田将生、佐藤二朗とともにステージにのぼることに。
山田はこれまで映画作品の舞台あいさつでたびたび、日本アカデミー賞の受賞がこれまでなかったと話していたが、ついに受賞。初の日本アカデミー賞のステージでも気負わず、トークショー前の5人の出演作が上映される中、体をストレッチのようにぐいっとひねったり、椅子の高さを自分で調節したりといたってリラックスしている様子を見せていた。
トークショーでは『正体』の話題へ。作品内では主演の横浜流星を追いながらも自身のしていることに疑問を感じる刑事役を演じているが、山田は「本当に大変でした。組織の中での立ち位置、組織が日本のためとか、人間として真実を追う姿は、ストレスでハゲるんじゃないかって。毎回本当にメイクさんに、『ハゲてませんか？』と聞きました。髪が抜けるんじゃないかというくらい日々ストレスがかかっていました」としみじみ。
ここで司会の安藤さくらから「追い込んでいくリズム感、心がきゅっとさせるようなリズム感だなって思って拝見していました。すごい勢いで行ったり、じっと追ってみたり。両方のリズム感が独特です」と声をかけると山田は「独特です」と、追従して笑みを見せていた。
続けて横浜と対峙したシーンの印象の話題へ。その対峙したシーンが「クランクインだったので緊張はしてました。その緊張感もあったと思います。後から考えたら本気で行っちゃったなって。でも、流星の方が若くて強いので、（取り押さえたのに）本当に外されちゃって」と、横浜の強さを表現。
これに同席していた横浜からは「本気で取り押さえてくださるので、ここを死に物狂いでいかなきゃ捕まるという圧がすごかったです」と、気持ちもより入ったと話すとともに、「個人的に山田さんと対峙しているときは、武者震いしてる自分がいて不思議な感情でした」と山田に声をかけると、山田は「光栄です」と、笑みで返した。
ほかにも、ステージで隣り合った俳優・佐藤二朗が「嬉しいものですね。隣にいる山田くんとは僕が（2019年に）監督した『はるヲうるひと』という作品の舞台あいさつで冗談かどうかわかりませんけど、この作品で日本アカデミー賞にと話していたんです」と、切り出すと山田はじっと佐藤を見る様子が。佐藤は続け、「そのとき、呼んでもらえなかったけど、そのときの2人がいまこうして並んでいて不思議な気持ちです」というと、山田も「不思議ですね」と、うなずいていた。
また、司会の羽鳥慎一アナウンサーから事前に『日本アカデミー賞』出席の意気込みへ「ミーハー心を封じて、ダンディなおじを演じていきたいと思います」と意気込んでいたそうだが、いまそれができている？と問われ「忘れていました。これから見せていきたいと思います」と話したものの、佐藤からは「完全にもう遅いですよ」と突っ込まれ笑いを誘っていた。
文：水華舞
※記事内写真は（c）日本アカデミー賞協会
