俳優・田中哲司(52)、田中圭(34)、野波麻帆(38)らが31日、東京・世田谷パブリックシアターで舞台『サメと泳ぐ』(演出:千葉哲也)公開ゲネプロを開いた。
作品はハリウッドが舞台。理不尽で横暴な大物映画プロデューサーのバディ・アッカーマン(田中)と夢を持って映画業界に足を踏み入れた新人アシスタント・ガイ(田中)の関係性を中心に、欲望うごめく映画界に生きる者たちを描く。権力闘争、騙し合い、夢を人質にとられて味わう不条理、ビジネスでの男女の駆け引きなどドロドロした部分を垣間見る人間ドラマとなっている。
メディア向けに第1部が公開。田中哲司はありえないような要求を次々と突きつけていく姿を熱演。それを受ける田中圭は、困った表情を浮かべたり、ときに褒められ歓喜したりと、さまざまな表情を浮かべ、ガイの境遇を表現していく。すさまじい感情が渦巻く世界を見せた。
本作へ演出とサイラス役で出演する千葉は「硬質な芝居というより、柔らかい中にトゲのある作品になっていればいいと思います。僕はどこか力の抜けた演劇が好きなんだなとあらためて実感しました。ハリウッドが舞台ではありますが、人生の中では誰しもに起こりうる、集団社会で大きなものにつぶされる軋轢、不確かなものを確かだと思ってしまう人間の姿が描かれていると思います」とメッセージを。
田中哲司は「最初に台本を読んだときから面白いと思っていたラストシーンは、実際に演じてみてもやっぱり面白い。圭くんのガイは物語の中でどんどんカッコよく成長していくし、野波さんのドーンは彼女にしか出せない雰囲気を放っているので、自分も一瞬も気を抜くことができないですね」と、実力派がそろっているだけに、緊張感を持っているよう。
田中圭は「今は幕が開いたらどうなるんだろう、やってみるしかない!という気持ちです」と、意気込みを。さらに、「単純なストーリーにみえて、中で渦巻いているものが多く、何が本当かウソか分からなくなる。自分でも日々作品の見え方が変わっていきます。演出の千葉さん、哲司さんや野波さんとの関係性を信じて、周りからもらうものを大切にしたいです」と、共演者たちへ信頼を寄せる。
続けて、田中圭は「いい意味でハプニングもたくさん起きそうです(笑)」と、意味深に語りつつ、「作品のテーマ性がとても好きなので、僕自身響く台詞が多く、今この作品に出演する意味を感じます。この舞台を観た後に、僕たちのような作り手側に対して見え方が少し変わる、そんな部分があればいいなと思います」と、メッセージを寄せている。
舞台『サメと泳ぐ』東京公演は9月1日から同9日まで世田谷パブリックシアターにて、仙台公演は9月11日に電力ホールにて、兵庫公演は9月14日から同17日まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて、福岡公演は9月20、21日にももちパレスにて、愛媛公演は9月28日に松山市総合コミュニティセンター キャメリアホールにて、広島公演は10月4日にJMSアステールプラザ大ホールにて上演!
※初稿にて誤字がございました。お詫びして訂正致します。