俳優・山田孝之(35)、佐藤健(29)、荒川良々(44)が23日、東京・新宿バルト9で映画『ハード・コア』(監督:山下敦弘/配給:KADOKAWA)初日舞台あいさつを山下監督とともに開いた。
10年前に原作コミックを読んで「男たちの結末に泣いた」という山田と、20年前から愛読していた山下監督がタッグを組んだ5年越しの作品。現代日本の都会の片隅で細々と生きる、あまりにも純粋で曲がったことが大嫌いな右近(山田)、唯一心を許せる友・牛山(荒川)、ふたりを見守る右近の弟・左近(佐藤)の前に謎の古びたロボットが現れ、男たちの人生が一変するような一大事が起こるというストーリー。
山田は「何度も取材などでしゃべっていますが、山下監督とちょっとずつちょっとずつ話して進んできた作品ですので、公開されて感無量です。朝から見る映画ではないですが、客席のみなさまのお顔を見ていると、きっと大ヒットすることでしょう」と、手応えを感じたよう。
佐藤は「僕、そんなに原作のキャラクターに似せようとか意識していなかったんですけど観てみたら、我ながら似てるなぁって(笑)。自分にとって新鮮で大切な作品になりました」と、こちらも万感といった様子だった。
司会から佐藤へ、山田のことをどう思うかと振られたが佐藤がすぐに、「この人の表情から読み取れることなんてないです」と、音を上げる。すると山田が佐藤へ「最近髪をアップにしているよね」と髪型のことを言い出したり、山田が「綾野剛が俺に似せてきている」といえば、佐藤は「綾野剛が山田くんに寄せていっているんですよ」と、和気あいあいなトーク回しをして笑いを誘うことも。
ハードな作品だけに、大変だったシーンについても質問が。佐藤は「火を燃やすシーンが本当に熱くて、やけどしそうになったんです……」というと、山田がこそっと「やけどしたかにしたらいいんじゃ」と、ススメ、佐藤は「じゃあやけどしました」と、事実を“改変”する一幕も。山田はといえば、「いっぱい、いっぱいありましたね。基本的に眠かったし暑かったし。ずっとハードで、ずっと大変でした。本当にハードで朝から夜までの撮影が何度もあったので、この状況をグチりたいけどグチれなくてインスタグラムでグチを言ってましたね」と、とにかくつらかったことが伝わってくるようなコメントを残していた。
さらに、ハードな生き方をしている人は誰かという話に。佐藤は「孝之くんを見ていると、ハードだなって。この人ぐらいハードに生きている人いないですよ。すべてに一生懸命だし、同じ仕事してるから分かるけど、役に入る深度が次元が違うなって。本番中に気を失ったりして。台本に『慟哭する』と書かれていて、本番で慟哭して救急車来るぐらいで」と、畏敬の念を込める。
これに山田も「人生いつもハードだなって思います。なんでこんなにハードなんだろうと。でも、やりがいはありますよ。勝手な使命感でやらないといけないと思っていて、やりがいがあるのでやっていて、これは早死にする人の典型ですね」と言い出し、逆に司会から長生きするよう心配されていた。
また、本作は原作とエンディングが違っているそうだが、山田は「漫画を読んだらエンディングぐっと来たんですけど、映画として同じことをやられると消化不良になってしまうんです。このエンディングは見事なものが足されたと思いました」と、山下監督の手腕を称えることもあった。
映画『ハード・コア』は公開中!