俳優・屋良朝幸、矢田悠祐、吉沢梨絵、彩乃かなみ、木内健人、真瀬はるか、彩吹真央、鈴木壮麻が8日、都内ホテルでミュージカル『Red Hot and COLE』(翻訳・演出:小林香)製作発表会見を、小林氏とともに開いた。
ブロードウェイで有名なソングライターの名曲を基に構成される『ブロードウェイ・ショウケース』シリーズ第3弾。2017年のミュージカル『I LOVE A PIANO』で作詞・作曲家アーヴィング・バーリンを、18年にブロードウェイ・ミュージカル『Rodgers/Hart(ロジャース/ハート)』(林翔太“恩人”滝沢秀明の舞台経験が生きた!寺西拓人 矢田悠祐を“騙す”も「やりました(笑)」といい結果に)で作曲家リチャード・ロジャースと作詞家ロレンツ・ハートを描いているが、本作では、1920~50年代に活躍した作詞・作曲家コール・ポーターの生涯を描く。
会見が始まると、屋良がソロでスローな楽曲『I’m a gigolo』をしっとりと、さらに全員で楽曲『Friendship』楽しげに声を合わせて歌い上げた。歌い終えて屋良は「『I’m a gigolo』をもっと情感たっぷりに歌いたかったんですけど、まさかこの場で歌うことになるとは思ってなくて(笑)。本番ではもっと素敵にコール・ポーターとして歌いたいと思います」と、さっそく“リベンジ”を誓って笑いを誘った。
本作ではキャスト陣が何役か兼役を演じるそうで、彩吹が「数役やらせていただきますのでいろんなカラーを出せたら。やっている側としてはあの人誰と思われるくらいのものをやりたいです」と意気込めば、真瀬は、「引き出しを開けに開けっていって、ない引き出しは作って、素晴らしい先輩方にくっついていきたいと思います。歌とダンスを自分なりに消化していきたいと思います」と、苦労が垣間見える様子も。矢田は、「全部で6役やらせて頂きます。複数の役をやるのは初めてで、頑張ります」と、緊張が伝わってくるようなコメントをも。
コール・ポーターの楽曲へ、屋良は「とんでもない……とんでもなく難しいですね。いままで演じてきた中で1番難しいと思います」と神妙な顔で、「人生が歌詞とかメロディーになっていて、気持ちよくないときもあるんです。でも、気持ちよくないときもコール・ポーターの良さだと聞くこともあって、それは新しいし面白いなって」と、感じていること。そこで、「先輩方が流石な歌声を持っているのでそこで助けてもらいたいなと思っています」と、カンパニーの面々に助けてもらうそうだ。
すでに、けいこにもスタート。屋良は、「ご覧の通りキャラの濃いメンバーもいるので、いい意味でそれぞれ自由だし、それがみんなが1つになって作品に向いた瞬間にいいものができるかなと思っています」と、雰囲気を語れば、木内も「音楽が背中を押してくれる瞬間があるんです。いまはピアノのみでの練習になっていますが、オーケストラになったら重厚で、楽しみです」と、胸を弾ませる様子も。
その歌が難しく水面下でバタバタともがいているという話を鈴木がした際には、屋良が「僕もそうです」と、話していたが、「コール・ポーターのことをこの舞台まで全然知らなかったんです。音楽を聴いてもピンと来る感じではなくて」と、苦笑いしつつ話す。
そんなコール・ポーターの音楽は「気持ち悪いのかと思うところがあって、曲がフラットだらけなんです。そのままハモればいいのにというところもそうではなかったり、ヒップホップからバレエに行くという感じで」と、身振り手振りを交えて解説。それだけに屋良は「ダンスだけは引っ張っていきたいなと思います」と、本音が出て鈴木から座長だからとツッコまれていた。
屋良の座長ぶりへは、鈴木は「フェアに物事を見る人だし垣根がなくて、忖度する必要がない人というか。一緒に居て楽で、ずっと一緒に居たいくらい。これ告白してるみたいだなぁ(笑)」というと、屋良は「慣れてます(笑)」と、本当に手慣れた対応。彩吹は「私は5年ぶりの共演ですが、そのとき親子で息子だったんです。子供の“屋良っち”と芝居をしている感覚だったので、台本の読み合わせをしたときに大人だ!って思って」と、目を細めていた。ちなみに、彩吹は“屋良っち”だったが、屋良自身けいこでもいろいろな呼ばれ方をしているそうで、鈴木からは「ともくん」と呼ばれているらしく屋良は「地元の友達とかくらいしかそういって呼んで頂けることなくて」と、話していた。
ミュージカル『Red Hot and COLE』東京公演は3月1日から17日まで銀座・博品館劇場にて、大阪公演は3月21日に森ノ宮ピロティホールにて、静岡公演は3月24日に富士市文化会館ロゼシアター 大ホールにて、愛知公演は刈谷市総合文化センターアイリス 大ホールにて上演!