タレント・石原良純(57)、長嶋一茂(53)が19日、東京・月島のブロードメディアスタジオ試写室で映画『グリーンブック』(監督:ピーター・ファレリー/配給:GAGA)公開記念良純&一茂宣伝隊長トークイベント付おじさん特別試写会に登場した。
腕っぷしが強く強引ながらも問題をきっちり解決する人間的魅力にあふれたイタリア系用心棒のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)と、黒人天才ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)が、1962年の差別が色濃い時代のアメリカ南部をともにめぐる仲で友情が育まれていくという笑いと感動のロードムービー。プロデューサー、監督、脚本家、俳優としても知られるニック・バレロンガが実在した父親のトニー・リップから伝え聞いた話を基に作成されており、当時の雰囲気が感じられる仕上がり。なお、タイトルにもなっている『グリーンブック』とは、黒人用旅行ガイドブックとなっている。
自動車のパネルを手持ちで現れた2人。ぶ然とした表情を浮かべそうになる長嶋へ石原は「一茂さんが機嫌悪くなるから笑顔!」と、さっそく声をかけて笑いを誘う。
映画のイベントに2人で登場するのは初だそうで、石原は「最近、こういう初体験が多いですよ。若い子が宣伝するとか、おじさんお映画をおじさんが宣伝するので大丈夫かと思って」といえば、長嶋は「でもターゲットがおじさんなんでしょ。おじさんが日本にはたくさんいますから」と、“逆張り”しデコボコなコンビぶりに会場は笑いに包まれた。
イベントでは、2人のどこか噛み合わないトークで、少し理屈っぽい石原に、長嶋は感性で答えたり、その逆もあったりとポンポンと掛け合いして、度々笑いを誘うことに。PRのために2月下旬から放送されるCMも撮影したそうだが、トニー風が石原、シャーリー風が長嶋という担当だったが、石原は武道をやっている長嶋の方がトニーがいいと文句をつけ「どういう了見でこういうキャスティングになったのか分からない!」と、吠えれば、長嶋は天才ピアニストという役だけに、「僕は大満足ですよ」と、ひょうひょうと話すことも。
石原は「観たときに厚みみたいなものがある」という作品だが、共鳴した部分へ「2人のキャラクターとも才能があるんです。パッと触れ合って、共鳴しあえる瞬間ってあるのかなって」と感じたことを伝えれば、長嶋は、「これを観て友達を作ろうとは思っていませんけど、いま携帯のメモリーに入っている方と、付き合い方とか距離感とかを再考する必要があるのかなって。友達はいいかな。少なくしていきたいくらい」と、斜め上の意見が飛び出していた。
2人の関係について、居心地がいいかと質問を受けると長嶋は「お互い仕事って割り切ってる部分もありますし、利害関係にあります」とサバサバと話した後に、「でも、たまにバーベキューやったりとか、夜焼き肉食べに行ったりとか、ほかタレントの方とないので」と“デレ”た発言も。石原は「一緒に山を登っている感じ」とうまいたとえ、長嶋が突然「ZOZOTOWNの社長と同じ山ではなく、あの人はあの人の山があるということで」と、たとえをして、場内を爆笑させていた。
作品のように、家族の話を映像化するとなった場合、出演はしたいかとの質問も上がり、「自分の家族の役に自分だけ入るのはちょっと嫌かな」というと、これには長嶋も賛同し「やりたいかやりたくないかで言えば、俳優ではないのでやりたくない」と、きっぱりと話した後、「家族の実話ねぇ。うちもぐちゃぐちゃしてるので難しいですね」と、ここは苦笑いだった。
また、この日は、タレント・堀ちえみ(52)が口腔がんを公表。このことに2人へコメンテーターとして意見を求めると、石原は「良い家族をお持ちで、真面目に生きていても病気になってしまって、そこで戦う決意を見せていて。自分に置き換わって思いが出てきます。本当にいい家族をお持ちで、闘いを頑張ってくださいとエールを送るしかない」と話し、長嶋も「悲観的な部分を取り除くのは難しいですけど、前向きに考えて頂いて、がんと闘って勝ってほしいと思います」と、メッセージを寄せていた。
映画『グリーンブック』は3月1日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー!