お笑いコンビ『オードリー』の若林正恭(40)、春日俊彰(40)が2日、東京・日本武道館で『オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー in 日本武道館』を開催し、会場に集まった約1万2000人の大入り満員のファン、さらに1万人の全国ライブビューイングのファン合計2万2000人とともに楽しんだ。
2009年10月10日にスタートしたラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が放送10周年を迎えたことを記念したイベント。昨年6月の青森公演を手始めに、同9月に愛知公演、同12月に福岡公演を行い、どれも大盛況のうちに終え、いよいよツアーファイナルを日本武道館で迎えることとなった。
全国40館以上でのライブビューイングや、見切れ席も完売するほど、ファンの熱量の高さが伺えるなか、ステージには普段の放送と同じようなブースにある机と、対面の椅子が置かれる。そのステージ上部には東西南北の4方向に大スクリーンが設置され、360度どこからでも楽しめるものに。
1万2000人の期待が集まるなか開演時間となると、会場が暗転。アリーナ西側からマスクをかぶった若林、東側から春日が客席を縫って登場し、万雷のような拍手が起こる中、観客たちとタッチしながらプロレスのような演出で現れる。ステージに立った若林はマスクを荒々しく脱ぎ去れば、春日もシャツをダイナミックに脱ぎその下にラスタカラーの“リトルトゥース”デザインTシャツと、会場中の視線を釘付けにした。
オープニングトークでは、観客がどこから来たかを尋ね、青森公演でアトランタから来た人がいたということを引き合いにして観客イジりをしたり、若林が、『オードリー』のファンを指す“リトルトゥース”たちと、合言葉のように「お弁当に?」「Goooooooooood!」と、コール&レスポンスをしたりと楽しんだ。
そのままフリートークへ。『オードリー』の所属事務所の社長が、前日のリハーサルにも顔を出すほど2人に期待を寄せていたというエピソードなどをしていたが、若林が唐突に「エンドロールで言うことだろうけど、コンビ組んでくれてありがとね」と、感謝を。これに春日はうろたえ翻弄されっぱなしだったが、若林は“攻撃の手”を緩めず「力を合わせて頑張ろうね」と声をかけ、畳み掛け会場を沸かせた。
フリートークの合間には、ニッポン放送の垣花正アナウンサーの宣伝や、番組初代ディレクターの宗岡芳樹氏が現在担当するTBSラジオの番組宣伝をニッポン放送のイベントでするという“異種格闘技戦”のようなこともあり、観客たちは大ウケ。
続けては、若林と春日がそれぞれ、ロングでエピソードをトーク。若林は2017年10月に亡くなった父親のお墓をどうするかということを、スピリチュアルを信じやすいという母親に納得させるため、青森県へイタコを訪ねるという話をときに立ち上がって身振り手振りを交えて臨場感たっぷりにトーク。ヒリヒリするような話題となったが、しっかり話を着地させ腕前を見せる。
春日はといえば、先月15日発売の写真週刊誌『FRIDAY』(講談社)で報じられた“狙っている女性”との後日談を話すこととなり、報道後お詫びとして一緒に旅行に行ったことなどを克明にリポート。これに若林はぶ然とした表情を浮かべて、それを場内カメラが抜き撮りして大爆笑をさらったり「お前、日本武道館で何話してるの!全国に伝わってるんだよ」とツッコんだりと、大賑わいだった。
その後、番組内の『ひろしのコーナー』が開催され、若林が大暴れし、スタッフの制止を振り切ってハッスルする一幕もあった。
休憩を15分挟んで後半戦へ。オードリーの“ショーパブ”時代の先輩で西城秀樹のモノマネタレントのバーモント秀樹がネタを披露したり、『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』を伸び伸びと歌唱。続けては、ビートたけしのモノマネで知られるビトタケシが『アウトレイジ』のときのビートたけし風な芸を披露したり、セピア色に大スクリーンが染まる中、『浅草キッド』の歌唱など、ここばかりはムード満点となった。
そのままゲストコーナーは続き、タレント・松本明子がデビュー曲『♂×♀×Kiss』を場内をトロッコでめぐって歌唱したかと思えば、ボディービル姿で現れた春日とお熱い公開キス。これだけにゲストはとどまらず、シークレットゲストとして梅沢富美男が登場し代表曲『夢芝居』を熱唱……しているところに、若林がDJとして乱入!曲の合間合間に、梅沢をディスるような渾身のラップを入れ込み、梅沢は動じず歌いきるというコントのような展開に。しかも、歌終わりには、2016年12月17日放送の番組ゲストになったときと同じように、若林が梅沢を豪快にケツバットして笑わせ、ミートした瞬間に合わせて特効もあるという豪華なものとなった。
散々な扱いをされた梅沢だったが、ラップで自身の過去の触れられたくなさそうな部分を若林が歌ったことを謝ったものの「やったことだからかまわない」と、そこは気にしていないという器の大きさを見せ、若林も胸をなでおろすことも。さらに、梅沢は「こんないい形で歌わせてもらって」と、大舞台での『夢芝居』の歌唱に喜ぶという意外な姿も。そんな、温かい雰囲気だけで終わることもなく、松本が梅沢のあごをぺろりと舐めるというハチャメチャな一幕もあった。
終盤には『死んでもやめんじゃねーぞ』コーナーが開催されエンドロールでは、序盤で若林がトークしたイタコにまつわることも流れ、観客達を最後まで爆笑させる。さらに、“アンコール”代わりとして2人で漫才を30分以上にわたって繰り広げ、日本武道館を沸かせまくるなか本当のラストへ。
若林は、「みなさんのおかげで、満員で終えることができました。もう一言で言えばトゥースですね」と、1ボケ入れて春日にツッコまれつつ、「みなさんのおかげでなんとかツアーを終えることができました。ライブビューイング1万人のみなさま、日本武道館の1万2000人、合計2万2000人のみなさん、おやすみ」と呼びかけつつ、同日深夜1時からの番組生放送へと向かっていった。