アイドルグループ『V6』森田剛(40)、俳優・勝地涼(32)らが8日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで舞台『空ばかり見ていた』(作・演出:岩松了)公開ゲネプロを開いた。
演出を担当する岩松氏が約4年ぶりにシアターコクーンへ書き下ろした新作舞台。内戦下の反政府軍のアジトを舞台に、まっすぐだったはずの、若い兵士たちの心情が、さまざまに錯綜していく。さらに、政府軍のスパイが組織に潜り込んでいたことも発覚し混迷を極め……。
初日を直前にしてキャスト陣からメッセージが寄せられるものに。森田は「いよいよ劇場入りをして、ようやく初日がきたなと感じています」と、感慨深げで「ここに至るまでのけいこはとても充実していて、毎日みっちりと取り組んできました」と、ベストを尽くしてきたという。
岩松氏の演出へ、「やればやるほど深みにはまっていく面白さがあり、戯曲のわからないところを自分なりに想像しながら埋めていく作業がすごく楽しかったです。噂の千本ノックもあり、厳しさと優しさの両方を感じました」と、回想。
登場人物へは、「いずれも単にいい人というふうに言い切れない、ザラザラした感じがあるのが魅力のような気がしています。だからこそ、リアルな人間として映るのではないでしょうか。その場面、瞬間ごとに出てくる人々のやりとりによってストーリーが動いていますが、感情移入していただければ、観ている方それぞれの中で、大きな感情の波が起こると思います」と、見どころとともに話し、「けいこ場で本当にいい時間を過ごすことができたので、自分は岩松さんの言葉を信じて、共演者のみなさんを信じて、舞台の上でやるべきことをするだけだと思っています」と、呼びかけている。
一方、勝地も「けいこの後半に、森田さんと『このシーン、台詞はこういうことなんじゃないか』といろいろ話ができたのが僕の中では大きかったです。最終的には、2人で全部決めなくてもいいね、という話になったのですが。登場人物それぞれが違うことを考えながら、物語が進んでいった方が面白いと思うんです」と、森田とのやり取りが経験につながったよう。
岩松の演出に勝地は「岩松さんのホンは良い意味でわからないところがある分、本番を通してさらに探っていく面白さがあると感じています」と、想像の余地が残る部分があるというが、「踊るような動きをするシーンがあって、岩松さんからどうしてほしいと言われないだけにちょっとむずかしい。僕にコンテンポラリーダンスは求めていないと思うので、どう表現するかと考えています」と、頭を悩ませるところもあるようだった。
Bunkamura30周年記念シアターコクーン・オンレパートリー2019『空ばかり見ていた』東京公演は9日から31日までBunkamuraシアターコクーンにて、大阪公演は4月5日から10日まで森ノ宮ピロティホールにて上演!
■出演
多岐川秋生:森田剛
土居:勝地涼
リン:平岩紙
田中:筒井真理子
登美子:宮下今日子
二見:新名基浩
真山:大友律
石川:高橋里恩
繁行:三村和敬
タニ:二宮隆太郎
カワグチ:豊原功補
吉田:村上淳