劇場アニメーション『コードギアス 復活のルルーシュ』(監督:谷口悟朗/配給:ショウゲート)興行収入10億円突破記念舞台あいさつが13日、東京・新宿バルト9で開かれルルーシュ役の福山潤、女C.C.役のゆかな、カレン役の小清水亜美、谷口監督が登壇し、司会はサンライズの谷口廣次朗氏が勤めた。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』とは超大国ブリタニアの少年・ルルーシュがブリタニア占領下の日本でギアスという絶対的な力を得たことから、仮面の男「ゼロ」として世界を覆す反逆の闘いに身を投じる姿が描かれた作品。2006年から2007年にかけて放送されたTVシリーズ『コードギアス 反逆のルルーシュ』、『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』が放送され、大人気となった。そのTVシリーズ全50話を、一昨年から今年にかけ3部作で新作カットを入れオリジナルスタッフを再集結、全編新規アフレコで再構成しこちらも人気となった。本作では、TVシリーズのその後を描いた新作となっている。本イベントは今年2月9日に上映をスタートし、興行収入が10億円を突破するロングランを記念してのものとなる。
谷口廣次朗氏と谷口監督の間にキャスト陣が挟まれているということで福山が「谷口に挟まれている!」と、軽口を叩くと、ゆかなも「オセロだったらみんな谷口になっちゃうね。C.C.役をやらせていただきました谷口です」と、お茶目すぎるコメントで笑いを誘い、小清水まで「紅月カレン役の、谷口です!」と、あいさつしてさらに、会場を沸かせることに。
ここまで全員が「谷口です」と自己紹介する流れを受け、谷口監督は「自己紹介するとネタになっちゃうじゃない!」と笑いつつも「こういったお話しができるのもすべてが幸せにうまいこといったおかげなんだなと思っております」と、しみじみ。本作は、3月24日時点で10億円を突破し、谷口監督は「多くの人たちの応援の積み重ねなんだろうと思っています。(興行収入10億円は)目標値として言われてはいたんですが、実際にそこまで達することができるかどうかは私たちはわからなかった」と、本イベントが開けることへ、ホッと胸をなでおろす様子を見せた。
『R2』の後のキャラクターたちの関係性の変化についての質問に対し、福山は「TVシリーズの学生時代には少年の等身大の感情があったが、どこか偽っていて、本当の事を言っていても周りから信用されなかったりした。だが、ものすごくプレーンな状態の、いわゆるなにも背負っていないルルーシュをこのタイミングで演じられた。彼が意外と素直な人間性を見せたのかな、というのが『復活のルルーシュ』でルルーシュを演じさせてもらってとってもスペシャルなことだったと思いますね」と、自身の分析を。
そのルルーシュの「プレーンさ」について谷口監督が話を引き取り、「『復活のルルーシュ』はあちこちにそういった描写を入れた。カレンがいきなりルルーシュに抱きつくシーンで、ルルーシュはすごく困惑していて、『助かった!』という感じで話しかけた咲世子の方を見る」と、演出面のこともトーク。
C.C.との関係性についても「TVシリーズでは、ナナリーを守らなければいけないという思いからの壁があった」と話す谷口監督に対し、ゆかなも2人の関係性が1番変わったとうなずく。福山からは「劇場総集編3部作でC.C.の描かれ方は『復活のルルーシュ』の布石として変わった。新たな面を見せなくてはいけないところがあり、ゆかなさんにだけわかるように僕なりの表現ですが『割を食いましたね』と言いました」と、話したというエピソードも。
すると谷口監督も「C.C.にピザを食べさせるかすごく悩んだ。C.C.にとってピザというのは彼女自身の自由奔放な振る舞いとかワガママを表現する何かであり今回はそれを入れられない。本編が終わってエンドロールが明けたところでルルーシュとC.C.がピザを2人でずっと食べているとか、それぐらいだったらできたんだが……」と、言い出し、小清水が「もしワンチャンピザがあるとしたら、別れの言葉を交わしたシーンで、『ピザ、好きでしょ?持って行きなさいよ』とカレンが渡すのはどうか」と“追加シーン”を提案し会場を沸かせていた。
また、この日、舞台あいさつには参加できなかったスザク役の櫻井孝宏からのコメントも届いた。「これだけのヒットとなれば次なる展開を目論んでいるはず!……でしょう、谷口さん?」と谷口監督に問いかけ、『いつになるかはわかりませんが、またこのプロジェクトが動き出す日はきっとくるでしょう。そしてそのプロジェクトを始動させたのはほかでもないみなさんです。本当にありがとうございます。いつか、「飲みながらしゃべる」みたいなユルめ
のイベントできたらいいですね。感謝のギアスでした』とのメッセージとなった。
そして、谷口監督から「人というのは、これだけ多くの思いや言葉が積み重なっていくとかえって言葉と言うのは無くなっていくんだと、シンプルになるんだと実感しております」と語りつくせない感謝の言葉を述べ、小清水も「カレンはお兄さんの代わりにだったり、お母さんの為にだったり、誰かの為の人生を歩んできたところがあったのですが、今回はやっとカレンが自分で選ぶ道を生きられるんだ」とキャラクターの変化を受け、自身も『コードギアス』で受けたことを役者人生で繋げていくとも。
ゆかなは、人前に出る緊張感を、共に舞台に立つメンバーとこれまで応援してくれたファンの思いが大きな幸せに変えてくれたと感謝の言葉を伝え、「これからどれだけ続くかわかりませんが、これからの未来をありがとうございます。どうぞ一緒に進んで、この先も見てみたいなと思います」といい、最後に福山が「作中でルルーシュが『明日のために』とずっと言っていました。明日のことや未来のことはわからないです。谷口監督がさまざまな反応や批判を受け止める覚悟を示し、我々も本作を待っていただいた方、そして新たに作品を知っていただく方それぞれの新たな思いに向けての1歩になるように熱量を注いできました。ルルーシュがゼロ・レクイエムで『明日』と言っていましたが、我々はその明日がこの作品によっていただけたと思います。新たな明日を求めてまたこれからもみなさまと共に、この作品と共に歩んでいきたいと思います。本日はどうもありがとうございました」と思いをスピーチし、終演を迎えていた。
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