女優・前田敦子(27)、加瀬亮(44)、柄本時生(29)が3日、東京・スペースFS汐留で映画『旅のおわり世界のはじまり』(監督:黒沢清/配給:東京テアトル)完成披露舞台あいさつを黒沢監督(63)とともに開催。前田は5月7日の映画イベントにて膝の靭帯を損傷したことがアナウンスされ欠席していたが、この日は、傷めた脚について声がかかると「いい具合になっています。ご心配おかけしてすみませんでした」と、元気そうに笑みを見せた。
日本とウズベキスタン両国の国際共同製作作品。“舞台で歌う”という夢への情熱を胸に秘めたテレビリポーター・葉子(前田)が、番組のクルーと取材のためにウズベキスタンを訪れ、異国でのさまざまな出会いによって成長していく姿を描いている。前田は本作でエディット・ピアフの名曲『愛の讃歌』の歌唱にも挑戦しているところも見どころの1つだ。
撮影後はじめて顔をそろえたという面々。前田へは客席から「カワイイ!」と声がかかり、「久しぶりなので」と、はにかみながらスタート。
今回の起用の話を聞いたときに前田は、「最初に『歌を歌ってください』というお話でしかも『「愛の讃歌」をアカペラで歌ってください』と言われて、『アカペラですか!』と。でも、監督がおっしゃってくださったんだからと、3ヶ月ボイトレしました。準備をして撮影に臨むというのは初めてでした」と、初体験したことを披露。
逆に黒沢監督は前田を起用したのは、「通常、俳優を決めて脚本を書くことはないですけど、かなり最初の段階から前田さんにと思っていました。断られたらどうしようと思いました」というほど決め打ちだったようだ
一方、加瀬はこれまで黒沢監督の作品に出演しているものの、「初めてまっとうな人の役で、いままでの監督と違う印象でした」と、雰囲気の違いを感じたという話や、柄本は、兄の柄本佑に黒沢監督作品に出るというのを台本を置いてアピールしたというエピソードを明かした。
歌のシーンの撮影では、標高が高いところだったというのもあり「空気が大事なんだなって」という前田だが、それより何より、「加瀬さんが撮影を観に来てくれたんですけど、それがプレッシャーでしかなくて!そんなこと言えなくて無視していたんですけど、なんで来たんだろうって」と、ご立腹気味。加瀬は「単純に歌を聴きたくて」と、ひょうひょうと答えていたが、前田は「嫌なお客さんです」と、苦笑い。ちなみに柄本は、「僕は街でスパゲッティを食べてましたよ」と、マイペースに過ごしていたそうだ。
さらに、「ウズベキスタンは行ってみたら、知らないからこそ、楽しくて、いい思い出しかありません」という前田だが、現地の人にいきなり求婚されたといい、「現地でみんなでご飯会をやってお手洗いのために外に出たら、おじさまに、何か言われたんです。それで言葉が分かる人に聞いたら、結婚してほしいって言ってるよって」というエピソードが。加瀬は「いいんじゃないかな」といえば柄本も「なんか絡まれてるなと思いったんですけど助けには行きませんでした」と、放りっぱなしだったと明かし笑いを誘っていた。
最後に黒沢監督から「あまり観たことのない俳優の顔を見れると思います」といい、柄本から「台本をもらったとき本当に面白い台本だなと思ったので、よろしくお願いします」とアピール。加瀬は「劇中、染谷将太くんと、僕が微妙なけんかをするんですけど、個人的にそこは見逃さないでほしいです」といい前田は、「ウズベキスタンのいろんな風景が見れますし、歌は私なりに頑張ったつもりですので響いてもらえたら嬉しいです」と、呼びかけていた。
映画『旅のおわり世界のはじまり』は14日よりテアトル新宿ほか全国公開!