女優・前田敦子(27)、俳優・加瀬亮(44)、染谷将太(26)、柄本時生(29)、アディズ・ラジャボフ(35)が15日、東京・テアトル新宿で映画『旅のおわり世界のはじまり』(監督:黒沢清/配給:東京テアトル)公開記念舞台あいさつを黒沢監督(63)とともに開いた。
日本とウズベキスタン両国の国際共同製作作品。“舞台で歌う”という夢への情熱を胸に秘めたテレビリポーター・葉子(前田)が、番組のクルーと取材のためにウズベキスタンを訪れ、異国でのさまざまな体験や出会いによって迷いなどを振り切り成長していく姿を描いている。前田は本作でエディット・ピアフの名曲『愛の讃歌』の歌唱にも挑戦しているところも見どころの1つだ。
現地で、劇中にも登場するかなり怖い“危険な遊具”もあったそう。これに前田は「ぜひみなさんに乗ってみてほしいですね(笑)。私は間違えて4回乗ってしまって、大変なことになりました。この中で共有してくれたのは撮影もある加瀬さんだけでした」と、3人を恨めしそうな目でみる。
体験した加瀬は、「(前田が)すごい顔して降りてきて、涙が止まらない様子で。乗ってみたら僕は1回で十分と思いました」と、相当に怖かったと証言。さらに前田からの「絶対に乗ってくれなかった」と恨み節を受けた染谷は「共感したらダメな役なので、かわいそうだと思ったらダメだなって」とあくまで役作りとかわし、柄本は「大変そうだなというのが分かったので、乗りたくなかったですね」と、率直に話して笑いを誘っていた。
撮影中には加瀬が俳優・青木崇高に声をかけ大河ドラマの撮影の合間を縫ってウズベキスタンに遊びに来てくれたのだとか。「青木くんからメールで食事の誘いがきて、ウズベキスタンといったら、ちょっと行きたいというので、休みの日を教えたら来ました。2、3日いて時生も仲いいというので、飯を食いました」と、青木の行動力の凄さを語っていた。
アディスは、「作品を観たときに私が本当に日本人じゃないかと思っていました。でも、映画館を出てやっぱり日本語ができないなぁと感じました(笑)」と、茶目っけたっぷりに笑っていたが、黒沢監督は、「アディスさんと出会えたことで、この映画が成立したと思います。彼の天才的な演技力。こんなすごい俳優が海外にいるんだというのを日本に伝えられたと思います」と、胸を張ることもあった。
会場にはウズベキスタン駐日大使もお祝いに駆けつけ前田と黒沢監督に花束のプレゼントもあり華を添えつつ、前田から、「私にとっては大切な大切な作品なのでよろしくお願いします」と、呼びかけていた。