“キスマイ”の愛称で親しまれているアイドルグループ『Kis-My-Ft2』の北山宏光(33)が今年10月11日から上演される舞台『THE NETHER(ネザー)』(上演台本・演出:瀬戸山美咲)を主演することが14日、発表された。
人が<ネザー/NETHER>と呼ばれるインターネット上の仮想空間で膨大な時間を過ごし、中には現実を捨てて仮想空間だけに生きる場を求める人も出てきてしまう……という、近未来の世界を舞台に「人の欲望の暴走」と「倫理の危うさ」といった問題を、わずか5人の登場人物で鮮やかに描いた作品。英国『The Royal Court Theatre』で上演されるや、批評家たちから絶賛され、2015年のローレンス・オリヴィエ賞では作品賞を含め4部門にノミネート(舞台装置で最優秀賞)された。
北山は、身近にありそうな家族への愛憎に葛藤する等身大の青年を主演した舞台『あんちゃん』以来2年ぶりの舞台となる。本作では、欲望渦巻くネット上の仮想空間を捜査する捜査官・モリスを演じる。
今回の起用へ、北山は「初めてお話をいただいた時、その世界感と内容に最初は戸惑いました。ただ台本を読みこんでいくと、これは現実でも起こりうる可能性もある話だし、社会的なメッセージが込められていて、非常に楽しみになってきました」と、作品の世界観へ共感していったよう。
共演は、中村梅雀、シライケイタ、平田満、長谷川凜音と植原星空のWキャストで送る。これに北山は、「表現するのには、まだまだ未知数な部分もありますが、良いチャレンジになると思っています。共演者の方々も、大先輩ばかりで、生半可な気持ちでは到底、太刀打ちができないので、ちゃんとしがみつき、自分の中でも成長できる舞台にしたいです」と、意気込んでいる。
舞台『THE NETHER』東京公演は10月11日から11月2日まで東京グローブ座にて、大阪公演は11月7日から10日まで森ノ宮ピロティホールにて上演!
■STORY
インターネットが発達した近未来。
人々は<ネザー/NETHER>という仮想空間で膨大な時間を過ごしている。捜査官・モリス(北山宏光)はネザーでおこなわれる犯罪を取り締まっている。尋問室で、彼はシムズ(平田満)という男と対峙していた。シムズには自分の管理する「ハイダウェイ」というエリアで子供との性行為を提供しているという疑惑があった。モリスはハイダウェイの顧客だったドイル(中村梅雀)という男の尋問も並行して進めていく。
また、モリスはハイダウェイに潜入捜査官・ウッドナット(シライケイタ)を送り込んでいた。ウッドナットはそこでアイリス(長谷川凜音/植原星空)という美しい少女と出会う。
■ほかキャスト・スタッフコメント
○中村梅雀(ドイル役)
芸歴55年目にして、出演者が少人数のお芝居に出るのは初めてです。海外作家の作品も数えるほどしか出演していませんが、今回の【バーチャルと現実の世界を行き来する物語】がどんな舞台になるのか、今からとても楽しみです。立派な仕事をしても、家族が居ても、どうにもならない心の歪みや孤独を抱えてしまう人間の、デリケートでチャーミングな深層心理に迫る面白い作品です。ぜひ、たくさんの方々に観ていただきたいです。
○シライケイタ(ウッドナット役)
命の根源や生きることの本質を問い、生きるって何だろうと感じさせるようなこの作品に、俳優として参加できることを、本当に嬉しく思います。最近は脚本や演出をする機会が多く、久々に出演のみに集中する作品になるので、とても楽しみにしています。今をときめく北山さんや大先輩方とともに、良い作品を作っていきたいと思います。
○平田満(シムズ/パパ役)
このような視点の作品をあまり観たことがなかったので新鮮な気持ちで台本を読みました。
仮想空間というのは、僕にはあまり馴染みのない世界ではありますが、この作品の世界観や人間関係を、どれだけリアルに感じられるものなのかがとても興味深く、その中でシムズという役にチャレンジできることにやりがいを感じています。キャストのみなさんや演出の瀬戸山さんと一緒になって、今まで観たことがない、やったことがない演劇になればいいなと思います。
○瀬戸山美咲 (上演台本・演出)
人間は肉体と心を持つ限り、「満ち足りなさ」や「寂しさ」を感じてしまう……。この作品はインターネット上の犯罪をサスペンスフルに描きながら、そういった人間の普遍的な姿を描いています。また、テクノロジーと倫理、仮想空間での表現の自由など、今、私たちが直面している様々な問題が盛り込まれている戯曲です。とても刺激的なキャストがそろいました。みんなで化学反応を起こしながら、人間の本質に迫っていきたいと思います。