俳優・伊藤健太郎(22)、玉城ティナ(21)が17日、東京・西新宿の花伝舎で映画『惡の華』(監督:井口昇/配給:ファントム・フィルム)公開直前思春期お悩み相談イベントを高校生約20人とともに開いた。
漫画家・押見修造氏が別冊少年マガジンに2009年から5年間に渡って連載し、アニメ化もされた同名作が原作。閉鎖的な地方都市を舞台に、鬱屈とした中学生の青春と衝動、暗黒面、絶望などを真正面から描いている。
教壇に立った2人。伊藤は「僕がこういう場所に立つ日が来るなんてと学生時代思ってもみなかったので新鮮な感じです」と、笑うと玉城は「お悩みに答えられるように」と、気合を入れ直した。
お悩み相談のまえに、まずはトークショーから。どんな学生時代を過ごしていたかへ、伊藤は「メチャクチャふざけてましたね。いつも4人の友達と一緒にいて」と、高校生たちを見回しながら話しつつ、もしも生徒として座ってる側だったらどうかとの問には「結構(世の中を)舐めてたので、『お前らに教わることなんてねーよ』という感じでした(苦笑)」と、やんちゃさを伺わせつつ「思春期をまっとうに通ってきた感じです」と、うまい言い回しでフォロー。
一方の玉城は「中学2年からお仕事していて沖縄に住んでいたんですけど、高校で東京に上京してきて高校デビューした感じでしたね。いま考えると見た目がギャルっぽい若い感じを楽しんでました」と、懐かしげだった。
そしてお悩み相談へ。高校3年生で大幅に進路を変えたという女子高生へ伊藤は「自分がやりたいほうじゃない方に行って後悔するほうが、格好悪いと思うので、自分のやりたい方向にプライドを持ってやるというのは格好いいと思います」というと、玉城も「私は誰のための人生と考えるんです。自分のやりたいことを貫いた方がいいと思いますし、後悔のない人生はないと思うんです。後悔というのが次の活力になると思うのでパワーにしていければいいと思います」と、身振り手振りを交えて熱いアドバイス。
ちなみにその女子高生は映画などの美術スタッフを志しているそうで、伊藤は「美術って面白くて、撮影現場に入ったらすぐ見るんです。このキャラクターなら何が好きだろうとか、美術って世界観を作るメチャクチャ大事なスタッフさんなんです」と、生の実感を伝えると、玉城は「一緒にお仕事できたら嬉しいですね」と、声をかけ、女子高生にも笑顔が浮かんだ。
続けて、仲のいい男の子に恋をしているが、男の子は自分より身長の低い子の方が好きなのではと悩む女子高生へ、伊藤は男性の立場から「そんなに考えすぎなくてもいいと思う。自分の身長よりその人がどうか。口でタイプを言っていたとしても、付き合う人は違うので、絶対に自分が好きと思うなら言ったほうがいいと思う。言うと意識し始めたりするので。絶対に伝えたほうがいい!」と、背中を押すと玉城も「もんもんとしてるより言っちゃったほうがいいと思います」と、思い切ることを勧めていた。
ほかにも、周囲がやりたいことを決めているのに自分だけ決めていないという女子高生へ、伊藤は、「やりたいことがない=駄目ではなく、なんでもやれる人という感じだと思うんです。決まってなくてもいろんな選択肢があるし、ちょっと気になったら手を出してみ。俺もこの仕事を始めた時に役者やりたいという気持ちがゼロでした。でも、やってるうちにちょっとだけ、興味が出てきて、やっていたら楽しいじゃんとなって。だから、やってみて面白かったらやればいいし、やりたくなかったらやめればいい。いろいろやっていうるちに見つかるから焦る必要がないと思います」と、自分の体験を引き合いに熱弁していた。
こういったお悩み相談を通じて、伊藤は「生の悩みはこうして直接返す機会はなかなかないので刺激をもらいました。すごくいい時間を過ごさせて頂いたなって思います」と、生徒たちにお礼を言い、玉城は「私も悩んでいることばっかりです。本当にやりたいこと目の前にあることをしっかりやっていけば道は開けると思う。私もすごくいい勉強になりました」と、こちらも刺激になったようだった。
映画『惡の華』は27日より全国公開!